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涼しい!カバーオールジャケット
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今年は空梅雨になるのでしょうか?6月に入ったというのに暑い日が続きますが、読者の皆さんはいかがお過ごしですか? 我々ファッションの業界では梅雨は天敵ですのでこの調子で快適な日々が続けばとても有り難いですね。 とはいえ、7月になれば否が応でも厚くなるのが日本の夏です。 暑い時期はジャケットなんて...というのも自分が消費者の立場になれば良く分かること。 そこで今月は先月ご紹介した暑い!夏を快適に過ごすためのアイテムとしてKさんにご登場いただきながら、その仕上がりをご紹介したいと思います。 画像を見てもその涼しさが分かりますので是非ご覧下さい。 それではまずはKさんのご注文内容のおさらいから。 詳しくご覧になりたい方はこちらをご覧下さい。 |
□ ご注文の経緯 □ | |
Kさんのご注文はちょうどスーツの仕上がりのためフィッティングにお越しになった時のこと。 つまり『スーツはもう要らない、次に必要なのはカジュアル用のジャケット』とのご相談からでした。 そこで、ビジネスはあまり関係なく、涼しく、カジュアルに...ということで、 伊アニオナ社(ゼニアの関連会社)のカジュアル色の強いネイビーストライプ柄のジャケットをご提案し、OK! 生地はこんな色目の素材です。(涼しげでしょ!) ただし、、、出来るだけ涼しくということで、通常は背抜き仕立ての所をもっと涼しくできないか?ということで背抜き → 大見返し → 半裏仕立て → 芯地のないカバーオール仕立て と次々に軽い仕立てをご提案。 最後は一番軽い芯地のほとんどないカバーオール仕立てとなりました。 |
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□ そして出来たジャケットは? □ | |||
待つこと約3週間。 丁度原稿の締め切り期限の前日(6/2)に仕上がって参りました。(ひ〜っ、原稿に穴を開けず間に合った!!) ボディーに着せるとこんな雰囲気です。 (インナーのシャツが格子柄だったちょっと柄がウルサク感じられます。着用の際にはインナーやパンツは無地の方が良さそうです。) そして、一番気にしていた『涼しく!』の部分はこんな風になりました。 白い裏地が涼しさを演出してなかなか良いですね! でも、この裏地を決めるに当たっては裏話もあって・・・ 実は、お店としてはあまりこういった淡色の裏地を日頃はオススメしておりません。 と言いますのは、淡い色の裏地ですと裏地を張ったその下の生地や付属品(芯地・ポケット地)などが透けて不格好に見えてしまうからです。 これはイメージしてみれば下着の色柄が見えるのと同じで本来はあまり格好良い物ではありません。 そこで、Kさんと淡色裏地の弊害等をご説明したのですが、一計を案じ私から |
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『裏地が白で、その下が綺麗なストライプなら透けても綺麗だし、 また今回は芯地のないカバーオール仕立てで見栄えを悪くする副素材がほとんどないから、このまま行ってみましょう!!』 |
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とご提案して、そのまま進めてしまいました。 さてさてどんな風になりましたか? 裏仕立ての仕上がりをご覧下さい。 |
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ウン! 予想通り、本来淡色裏地の弱点だった『透け感』を上手く逆手にとって、ネイビーブルーのストライプが裏地を通じて透けて涼しさを強調する、そんな仕立てになりました。 ふ〜っ、経験から言ってきっと大丈夫だろうとは思っていましたが、いざ仕上がりを見て、ホッと一安心です。 でも、ちょっとだけ気に入らないところもあったりして... それは肩の裏側。 画像をご覧になってお分かりになるでしょうか? ちょうど肩の裏側(肩パッドを張るところ。私の指を置いた所)だけ一寸色が違っていますよね。 ご注文はマニカカミーチャ(肩パッドなしのシャツ袖)仕様でしたので肩パッドは入れませんでしたがその分代わりに薄く芯地を入れておりました。 このため、肩の裏を見るとちょっと芯地が透けて、この点は見栄えがあまり良くありませんでした。 しかし、まぁ、でも肩をひっくり返して見る人は本人以外にはいないだろうからこれはこれで及第点だな。 ...などと自己採点しつつ、ひとしきりの検品を終え、Kさんへ仕上がりメール。 するとKさん、(今回も!)奥様連れで翌日即ご来店。 横浜にお住まいなのに、いつも素早くご来店いただき有り難うございます!! |
□ それではKさんの仕上がり画像は・・・ □ | |
じゃ〜ん、それではKさんのご登場。 ご希望によりお顔の方は見えないようにしていますが、実は満面の笑みでご試着いただきました。 皆さんご覧いただきいかがですか? たまたま当日着ていらしたオレンジのシャツが結構利いていてこのままでも出掛けられそうですね。 見た目本当に涼しそうですが、実際着用しても凄く軽く涼しいんですよ!! ご着用されたKさんもその軽さにビックリのご様子。 『え〜っ、これでジャケット?軽い〜』と感嘆の声を上げられていて、それを横でご覧になっていた奥様がご主人の事情が良く飲み込めなさそうでしたので、ご主人のジャケットを羽織って頂いたところ、奥様もビックリ! 「レディースでもコレできませんか?」何て事になりました。 (実際にはこの仕様はレディースでは不可です。) こういった仕事をしていて、お客様のご期待以上の物をご提供できることは何よりの幸せ。 お客様の驚いた顔、期待を上回った事による笑顔、、、これ程嬉しいことはありませんね。 ...ということで、本当ならここでKさんのご感想メールを掲載したいところなのですが、何分にもKさんがお帰りになられてすぐ原稿を書いて、当日中に校正に回しているためメールを頂けても掲載に間に合いません。 後日ご感想メールを頂けたら本稿の末尾にお付けしますね。 さて、これでKさんの出来上がりのご紹介はお終い...ではちょっと寂しすぎますので今回は同時にご注文いただいたKさんのパンツもご紹介しましょう。 □ Kさんのカジュアルパンツ □ パンツのご注文内容は前回のお客様いらっしゃ〜いでは紹介しきれなかったのでここでご紹介しますと、、、 こちらもカジュアル専用パンツ。 ...ということはビジネス的なグレーや紺の無地でなく、白系や柄物の生地でもOKということで、こちらもジャケットと同じく伊アニオナ社のシルクとウールとリネンの入ったストライプ柄の生地でご注文いただきました。 で、デザインの方はカジュアルの定番ノータック。 タックありのデザインと比べますと多少下腹部はタイトになりますが、その分股上を浅くしたりするとカジュアルにピッタリのすっきりしたデザインになりますし、何よりリネンやシルクの入った涼しげな素材感が何とも言えません。 そしてこちらの仕上がりはこんな感じ。 プレスが利いているので横置きにするとちょっと太めかな?と感じますが、実際着用するとこんな感じ。 どうですか? スッキリして良い感じでしょ。 このパンツは柄がストライプですから先程のジャケットと合わせてしまうと「ストライプOnストライプ」でうるさくなってコーディネート出来ませんが、逆に言うとこれはそれぞれ単品で使うということですから、これでKさんのこの夏のカジュアルのローテーションは完成ですね。 皆さんも、この時期になるとそろそろ真夏のカジュアルを意識される頃と思います。 こんなリネンやシルクの入ったサマーウールのパンツ、サラッとして気持ちよいですから是非いかがですか? |