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大阪編 今月のベスト4
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10月の声を聞いても、今年はなにやら虫の音もさほど聞こえず、西の地方はなにやら暖かい。 真夏の7月が結構涼しかったので、これは今年は楽な夏かな?と思ったのもつかの間のあの酷暑、分からないものですね。 とはいえ季節はドンドンと巡り、はや10月も半ば、その内一気に寒くなり木枯らし一番が吹くのもすぐそこです。 ですが、これからのシーズンはなんと言ってもお洒落好きには楽しい季節です。 帽子やマフラー、手袋にコートなどひと味違ったアイテムも加わって、あれこれと自分自身の演出が楽しめます。 そこで今回ご紹介するのは、秋冬のシーズンにこそ活躍する隠れたお洒落を演出するのに欠かせないアイテムのひとつ、ベストです。 早々にご注文頂いた4人のお客様のベストスタイルの仕上がりの数かずをご紹介をしたいと思います。 題して 今月のベスト4、どうぞご覧下さい。 |
□ 最初のお客様はFさん □ | ||
Fさんのご職業はバーテンダー。 つまり、お客様の前で格好良くシェイカーを振りカクテルを作る、あのお仕事をされています。 カウンターの内側で渋くシェイカーを振る姿には映画でもあるようにベストは良く似合います。 今回はFさんのお店をリニューアルオープンするとのことで、記念にベストをオーダーで新調したいと言うことでした。 そして、ご注文の内容はこんな感じに・・・ ○ 素材 >>> ベルベット地で、色もワインと暗い照明にも映えるよう、華やかな色目となりました。 ○ ボタン >>> こちらもクルミボタンという手もありましたが、目立つということでメタルボタンのご希望で合わせて見ました。 でも、これはこれで結構目立ちますね。(^^;) ○ 衿付き >>> 衿無しでも良かったんですがこれはこれでクラシカルでGOODです。 ○ 背中側は・・・ >>> ベストの背側は通常は裏地ですが、こういったベストは表地と同じ共布でお仕立します。 婦人物のベストなどはむしろコチラ(背面共布)が主流ですよね ○ 左右胸ポケット付 >>> オーダーを書き込むペンなどを入れる為、こちらは職業柄ぜひ必要!と伺いました。実用性も大切です!! ○ 内ポケット付 >>> ベストに内ポケットなんてと思われる方も多いでしょうが、かつてベストがアウターの1つだった頃の名残りでこんな事も出来ます。 |
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仕上がりはFさんのご事情もあってご試着せずお送りすることになりましたので、Fさんから直接ご感想を伺っていないのですが、以前は既製のベストをお召しになっていたとの事で、あのベストを着て軽やかにシェイカーを振られているカッコイイ姿を想像しております。 |
□ お次のご紹介はEさんのベスト □ | |
こちらはグッと趣が変わってドレッシーかつクラシックな印象のダブルベストです。 ベストと言えば今や殆どがシングルのベストが当たり前。 ダブルでとご注文頂くのは全く稀で、と言うよりはダブルのベストがある事さえ一般的には知られていませんね。 私も目にするのは19世紀末を舞台にした映画などでお目に掛かる程度ですので、Eさんと同じく興味深く仕上がりを待ちました。 ○ 素材 >>> テーラー&ロッジ社製、G7194、紺地にドットストライプ地。 英国調のビンテージな柄行きで、クラシックなダブルには打ってつけの素材です。 (画像はベストだけを出していますが、こういったスーツ地素材ですからご注文はもちろん3ピースとしてお受けしています。) ○ 前ボタン >>> 6個ボタンの3つ掛け。 着用には内側のホックも留めないとと、ダブルは少々手間が掛かります。 ○ 衿はピークドラペル >>> これも珍しいタイプで、衿付きの場合はノッチ衿が一般的です。 ○ 腰ポケットはフラップ付 ○ 背中には尾錠付 いかがな物でしょうか? 冬物だからこそ重み、貫禄が出る、そんな3ピースになりそうですね。 そして・・・仕上がり後、Eさんからはこんなご感想を頂きました。 |
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Eさん、過分なお言葉ありがとうございます!(*^_^*) |
□ 続きましては...3人目のAさん □ | |||
Aさんのベストは素材に注目です。 見てお分かりのように素材は茶色のハリスツイードで、ジャケットと合わせてセットアップでお仕立てしていただきました。 |
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今更ご説明するまでもありませんが、ハリスの素材感は独特で、いかにも秋冬物そのもののような質感は時代が変わっても人気が衰えない所以です。 何と言ってもツィードの王様ですから。 そして、このように素材が十二分に主張する物はデザイン的には凝った物よりもシンプルな物の方がより引き立ちます。 ○ 前ボタン6個 ○ ステッチ >>> ピックステッチでは生地に埋没しますので、ここは5ミリ幅のミシンステッチで力強く、強調します。 |
仕上がりはごくごくオーソドックスなデザインではありますが、ハリスの場合、画像からは汲み取れない独特の粗野な雰囲気がありますし、その粗野さのお陰で(?)少々手荒く扱っても平気ですので、Aさんどうか末永くご愛用下さいね。 |
□ そしてベスト4 最後のお客様は・・・ □ | |
ラストを飾るのはオッドベストを一度に3枚もご注文頂いたHさんです。 (Hさん、沢山ご注文ありがとうございます!!) |
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いずれも画像からもお分かりのようにベルベット素材です。 色目もワインあり、ネイビーあり、黒ありとバラエティに富んでいます。 ○ 何故こんなに3枚も? でも、何でこんなに沢山?...と思って伺ったところ、勤めがお役所とのことでウォームビズを率先して実行する立場ゆえ、どうしても設定温度厳守のため着込む必要に迫られて...との事で、着替えも意識して3枚もご注文だそうです。(はぁ〜ありがたや、ありがたや) ○ 前ボタン >>> 6個とオーソドックスなスタイル。この方が色んなジャケットに合わせやすいのでしょう。 ○ 懐中時計用穴あき >>> 実際には使用しないのですが、クラシックな形へのこだわりです。時々この穴だけ糸色を変えてアクセント付けされる方もいらっしゃいます。 ○ ベストは背中で勝負? >>> 正面はシンプルですが、裏に凝るとばかり裏地はストライプ柄あり無地ありとなりました。 |
最初は1着だけのつもりでご来店されたのですが、これも捨てがたい!あれもいいなぁ!となり 、結局着替えもいるのでと、3着のご注文となりました。 ただ、素材としてはベルベットはあまり丈夫とは言えませんので、丁寧なお取り扱いを心掛けて頂ければと思います。 |
・・・というところで、4者4様のベストが完成しました。
素材あるいはデザイン...と、こうやって見るとベストもバラエティに富んでいるもんですね。 それでは最後にベストにまつわる雑談を少しだけご紹介・・・ |
■ 釣りはベストで、防弾はチョッキ ■ | ||
日本では文明開化の明治の昔から永らくチョッキと呼ばれていたのはご存知ですね。 その語源は直着、つまり肌の上に直に着る物というところから来たとの説や、ちゃんちゃんこの様なのでそれがなまった、と諸説ありましてはっきりしません、スイマセン。 ベストと呼ばれだしたのは近年で、本来ベストとは婦人の肌着も含みますので、西洋ではメンズはウエストコート(waistcoat)と呼んで区別しています。 |
■ ベストのたたみ方 ■ | ||||||||||||
近頃はハンガーのままタンスへ収納しますので、たたむ必要はありませんが、ベストを箱などへ収納する際、たたみ方の基本はちゃんとあるんです。 簡単なのですが、当社の若手スタッフにさえ案外知られていないので、ここで画像で紹介します。
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いかがでしたか?題して今月のベスト4(下手な洒落ですいません) 職場が急にウォームビズになったとしたら「なるほどオッドベストねえ、そんな手があったか」とオッドベストの存在に気が付いて頂ければ原稿を書いた 苦労も報われると言うもの。 職場での暖房も20℃の設定では、隙間風がスースーと仕事に身が入らない、かといって上着を着たままでは窮屈だしシワにもなるしと、そんな際に軽く羽織れて暖かく便利でお洒落なベストファッションが注目されています。 お持ちでない方、ワードローブにひとつあるとちょっと便利ですよ。 大阪店ではこんなサンプル帳にはないオッドベスト用の生地も10月からは店頭展示していますから是非お店に見に来て下さいね。 |