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大阪編 ビジネスもやっぱり英国調
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街に落ち葉もヒラヒラと目立つようになり、そぞろ紅葉の声も北から聞こえます。 「気候の良い10月に、まとまって休みを取れる幸せ」とはサイモン&ガーファンクルでお馴染みのポールサイモンの言葉ですが、冬将軍の到来まで今しばし、心地よい季節を楽しみたいものです。 というところで、先回のWEBでご紹介しました「ウォームビズも英国調」が好評?でしたので、今回は柳の下の二匹目のドジョウを狙って、同じ英国調でも伝統的な柄に注目して、リアルなビジネスタイプの仕上がりをご紹介してみたいと思います。 とは言っても一般的な紺や黒ベースではさすがに面白くありませんので、今回選んだのは2色、グレーとブラウンの2色のスーツの仕上がりです。 |
□ グレーのお客様 □ | |||||
Nさんがこのお客様なのですが、Nさんはまず最初はパンツから始まり、次がジャケットと来て、いよいよ今回が総仕上げのスーツのご注文となったお客様です。 最初にいきなりド〜ンと纏めてご注文頂くお客様は珍しくは無いのですが、このような段階を踏んで慎重なタイプのお客様は案外と珍しいケースです。 それだけに今回のスーツは総仕上げのつもりで腕によりをかけて制作しました。 |
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* デザイン >>> 3ツボタンの中掛けに、サイドベンツと英国調ではお馴染みの仕様となりました。 |
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* スタイル >>>
今シーズン、クラシックへの原点回帰などと呼ばれ、英国調がもてはやされていますが、サイズやラインはイタリアの臭いをプンプンと感じさせる流れが目立ちます。 Nさんも身体にフィットした上着や無理なくシェイプされたパンツのラインなど、お好みとしてもイタリアらしさがお好きなようです。 袖丈が短く見えるようですが、これでもNさんには長めで次回はもう少し短くとのご希望でした。 ただパンツにはタックが入り、裾口もダブルとこのあたりは英国ぽいですね。 またベストも付けて、よりクラシックなムードの演出にも一役買いました。 * シャツ >>> 英国調と言えばこれにとどめを刺すでしょう。 お馴染みロンドンストライプのシャツもご注文頂きました。 << こぼれ話 >> 実はこの同じ素材を使用したスーツが、MEN'S CLUBの10月号に紹介されています。 ご注文の際に偶然この雑誌で見付け、こんなイメージに仕上がりますよとご案内しました。 わかりやすくて、Nさんにも説明がしやすかったので、MENS'CLUBさんご協力に感謝します、ありがとうございました。 |
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○Nさんのご感想は? 総仕上げのスーツとあって、Nさんの期待も高かったのですが、無事満点を頂戴しました。 何せ187cmとスーツを着るには十分過ぎるほどの長身痩躯のNさん、私のような和服体型の人間から見れば、何を着ても似合うようで試着姿は羨ましいかぎりでした。 |
■ ブラウンのお客様 ■ | |||
ご紹介するKさんは、以前他のテーラーさんでお仕立てされていました。 別段カッコも良くて満足されていたとの事でしたが、少々値段が高いのでと当社HPに行き当たりご注文になった次第です。 お店を決める要素としては、Kさんならずとも価格は捨ててはおけません。 このあたりは当社得意とするところでして、なにせゼニアトロフェオクラスで10万円を切る価格ですから、当社に太刀打ち出来るお店は少ないと思いますよ。 プチ自慢はさておいて、早速Kさんのお仕立てのご紹介です。 |
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* デザイン >>> こちらのフロントは2ツボタンと、トレンドを押さえつつも、そこにチェンジポケットを付けて、クラシックなイメージを保っています。 サイドベンツに、パンツはノータックとお約束なオプションです。 |
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* スタイル >>>
画像のように、モダンかつシャープな仕上がりとなりました。 他のテーラーさんでご注文されたスタイルを手本にヨシムラ流を振りかけ、旬のヨシムラスタイルのプロトタイプとなりました。 押さえておかなければならないのが、スリム&ショートな上着と連動するパンツの丈。 雑誌にはカカトから5センチ位との記述もありますが、これくらいの短さが見た目ベストでしょうか。 ○Kさんのご感想は? 今回で2着目のスーツのご注文ですが、より研ぎ澄まされ完成されたとKさんにも喜んで頂きました。 これならベストを付ければよりクラシックさが強調されますねと、仕上がり後にベストも追加頂きました。 Kさんのご年齢の割にはシックなイメージの仕上がりかと思いますが、元々、ブリティッシュの伝統は重厚を尊び、華やかさを敬遠しますので、それらを忠実になぞった仕上がりになったかと思います。 |
千鳥格子にグレンチェック、いずれも英国伝統の柄はご案内どおりですが、それゆえ、柄そのもが個性を主張しますので、あまりディティールに凝るよりはシンプルをモットーとするのがスマートな着こなしです。 また私などの年輩者にとってはイタリアものの華奢な表面感よりは、しっかりと織り込まれた風のこのような英国物にどうしても郷愁を感じ、惹かれます。 それだけにここへ来ての英国物の良さが若い世代の方にも再認識されるのは、なんとも嬉しい限りです。 |