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ブラック コート
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華やかなクリスマスイルミネーションも姿を消して、お正月までカウントダウン開始、2007年もいよいよと押し詰まってきました。 ことしも暖冬では?と懸念されましたが、ほぼ順調に気温も下がり始め、おかげさまで仕入れたコート地の売れ行きも予想通りと、お客様にも喜んで頂き今年も無事に年を越せそうです。 その中で、今年最後のご紹介となるのは先月ご紹介しましたYさんのコートの仕上がりです。 前回の詳しい内容は、前編となるこちら「コートにもこだわりが」をどうぞご覧下さい。 それでは、 Yさんのなんとしても!のこだわりが果たしてうまく完成したのでしょうか、どうぞご覧下さい。 |
■ Yさんのコート ■ | |
◇ 全体のシルエット ◇
>>> 全体のスタイルはスレンダーなコートと言うよりは、ジャケットを長くしたようなイメージで、それだけにゆとり量をグッと減らし横幅のサイズもジャケットに準じたサイズとなりました。 ◇ 一番のポイント:ヘチマ襟は? ◇ >>> 今回のYさんのご要望で一番のこだわりは襟の形をヘチマ衿(ショールカラー)にしたことでした。 ただ、通常のヘチマ衿ズバリですと、下ぶくれでバランスが悪い為、手を加え全体をややマイルドなヘチマ衿にと、工場も型紙を少し修正しアタマを捻って頑張ってくれました。 ちなみに、ヘチマ衿を後ろから見ると、こんな風に真後ろに縫い目があります。 通常の衿ですと上衿と下衿とに分かれますが、ヘチマ衿の場合は一枚の生地で首の回りをグルッと回しますので、どうしても仕立ての関係からこのように後ろで左右から繋ぎ合わせる事になります。 (昔ながらの仕立やフルオーダーの場合は一枚襟ということもごく稀にありますが、、、これはかなり高価です。) |
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◇ 彩りは・・・ ◇
>>> ウチのスーツのポイントである彩りには、裏地を鮮やかなターコイズブルーにして、表地のブラックとのコントラストを鮮やかに印象付けました。 読者の皆さんご覧になってどうでしょうか? というところで、Yさんからは合格点を頂け、無事納める事が出来ました。 こうしてYさんのご注文は無事完了したのですが、ちょうどYさんと同時期に全く同じ生地で今度はコートのご注文を頂いたHさんのご注文も一緒に仕上がりましたので折角ですからご紹介します。 |
■ Hさんのご注文(コート) ■ | |
そこで、簡単にHさんをご紹介しますと・・・
Hさんは金融関係にお勤めのサラリーマンの方で、Yさんよりはややご年輩です。 お仕立てのコンセプトとしては長く大事に着られ、お仕事柄とはいえ、お洒落心を満たすようなと...なかなか難問のご希望でした。 そこで仕上がったのが画像のようなコートです。 |
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◇ デザインはチェスターフィールドコート ◇ >>> お馴染みでよく見かけるデザインですが、英国の伝統を受け継ぐ正統派のデザインとあって人気が高く、近頃の英国調の流れと相まって年齢に関係なく好まれるタイプです。 * 衿はノッチ衿に5ミリのステッチ * フロントは比翼タイプ、つまり3つのボタンが隠れています * ポケットは胸ポケットが付き、腰ポケットはフラップ付き * コート丈はヒザまで 特段目立ったポイントはないのですが、元々のHさんのサイズとしてはややスリムさを意識してお仕立てさせていただきました。 チェスタータイプの基本を押さえた仕上がりとなりましたので、これからコートとご検討の方はこのオーソドックスな画像を、ぜひ参考にいかがでしょうか? そしてHさんからはお送りの後、嬉しいお便りを頂きました。 |
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こちらこそありがとうございます、どうぞ末永くご愛用下さい。
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□ ブラックの良い点 □ | |
* 何にでも合う色
>>> スーツの色目は問いません、それだけに忙しいお出かけ前に悩む必要がないのはありがたいものです。 (ただ、帰宅後のブラッシングはお忘れなく!) * 流行に左右されない色 >>> スーツではブラックの流れは強いのですが、遙か前からコートのブラックは定番として、いつの時代にでも主役を務めてきました。 安心してお買い求め頂ける代表的なアイテムですね。 * 年齢を問わない色 >>> 若い方には若い方の、年配の方には年配向けのデザインが用意されていますので、違和感なくお召し頂けます。 特に年配の方の銀髪にブラックという組み合わせも、若い方にはマネの出来ない渋い魅力に溢れています。 * お葬式にもOKの色 >>> 冬場のお葬式、一番多い時期ですね、その場合下には黒の略礼服を着込んでいても、その上に明るめのコートは想像しただけでちょっとその場には相応しいとは言えません。 (式場の手前で慌てて脱いだりして。。。) その点ウールのブラックのコートは心配ありません。 全体をシックに落ち着かせフォーマル感にも溢れますので、その場の雰囲気に違和感なく溶け込めます。 ※ 実は案外この為のご注文が多いのです。 |
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ウールタイプのコートは着用する時期が短いので傷みにくい、おまけにサイズもスーツに比べゆとり量も多く、そのためサイジングにも汎用性が高く、ついでにデザインやスタイルもそれほど変化しないとあって、虫食いさえケアしていただけましたら 、かなり長い間(10年くらい?)お召し頂けます。 それだけに買い換えるのは何年に一度となりますので、色目もより汎用性の高いブラックが中心となっています。 ただ、私は最大の魅力はドレッシーさに溢れるというところではないかと思います。 ウェアーがカジュアル化する傾向にあって、ウールのブラックのコートを1着まとえば、瞬時にしてシックでドレッシーなイメージに出来上がるという優れものです。 お持ちの方はどうぞお大事に、お持ちでない方はまだ今シーズン活躍できますので、ぜひご検討下さい。 これで本年の「お客様ありがとう大阪編」は終了です。 ご協力頂いたお客様ありがとうございました。 また、読者の皆様1年間のご愛読ありがとうございました、それでは皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。 |