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芯なしジャケットの完成です。
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8月も後半に入ってからというもの雨ばかり降り、すっきりしない天候が続きますね。 とはいっても我々大人は仕事ですので何てことはないのですが夏休み中の子供達は遊びに行くことも出来ず、気の毒ですね。 まぁ、溜まった宿題を片づけるには丁度よいのかもしれないなぁ...と出来が悪かった自身の子供の頃を思い出しつつこの原稿を書いております。 さて、本題に戻りますとこの様な異常気象が続くとスーツを着用するのが本当につらいですよね。 ここ数ヶ月、私はそんな辛い夏場の季節に着やすいジャケットスタイルをいくつかご紹介して参りました。 前回もこの様な季節には丁度よい芯無しジャケットのご注文をご紹介いたしましたがそのジャケットがようやく出来上がって参りましたので早速、ご紹介したいと思います。 ご注文までの経緯はこちらをご覧下さい。 ご注文いただいたのは当社とは古いお付き合いとなるTさん。 Tさんからはこのジャケットのご注文を頂くにあたりメールで次のような課題を頂いておりました。 ・普段着風で、絶対に出張に行くように見えないもの。 ・仕立の軽さで上司を驚かせそうなもの。 さてさて、こんな課題を頂いていたご注文でしたがどのように仕上がってきたのでしょうか...。 早速、ご覧頂きましょう!! |
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いかがでしょうか!! この仕上がりで芯やパッドなどの付属が一切入っていないとは思えない仕上がりです。 かと言ってビジネス用のジャケットの様なカッチリとした堅苦しさはなく軽い仕上がりになっています。 ※:画像ではTさんのサイズとボディーのサイズがうまく合わず若干皺が入っていますが御容赦下さい。 またこのためフロントボタンを留めずに撮影しました。 今回のジャケットは下記のような仕様、デザインで承りました。 |
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それでは細部に渡ってご覧頂きましょう。
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裏の仕様はご覧の通り、パイピング(縁取り)以外は裏地も全くない1枚仕立てとなっております。 また、今回は袖裏も付けずにお仕立ていたしました。 その為、袖の滑りは若干悪くなりますが反面、通気性はグンと良くなります。 暑い季節には重宝すること間違いなしです。 大見返しにしているのは表のポケットの袋を隠す為と内ポケットも付けるからです。 表のポケットを全てアウトポケットにして内ポケットを付けなければもっと軽いオーバーオールの仕立ても可能です。 芯は厳密に言いますと後ろ首の部分(襟芯)だけ入っています。 ただ、ラペル(下襟)部分には全く入っておりません。 この画像をご覧頂くとお分かり頂けますが芯地が入っていなくてもこれだけ吸い付きます。 専門用語でこの吸い付きを『のぼり』と言いますがこの部分は流石にフルオーダーならでは世界です。 吉井工場長、遠藤君、お疲れさまでした!! (芯なし一枚仕立ては三久服装スタッフの若手ホープ遠藤君が主担当です) そして、ディテールでちょっと変わったところでは、現在、有料オプションとして検討中のイタリア製水牛釦を今回は使用してみました。 表地のブルーとの相性もバッチリ決まり、ホッと一安心です。 さてさて、この様な感じに仕上がりましたがTさんに出来上がりのご連絡を入れ、忙しい合間をぬってご来店いただきました。 ご着用画像がこちらです。 |
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Tさん、よくお似合いですね!! これならお仕事でもよし、デニムやチノーズをコーディネートして休日でもバッチリですね。 これで「これから出張?」と聞かれれば上司の方のセンスがないと笑って流してください!! Tさんには 「本当に軽いっ!驚きました!!非常に満足です!!!」...と心から喜んで頂けて、携わった私としては嬉しい限りです。 さて、今回は夏の締めくくりとして芯無しジャケットをご紹介いたしましたがこれは夏だけのスタイルではなく秋冬の生地でも全く問題ない仕様です。 実は以前東京SHOPMASTERが仕立てたこのジャケットも生地としては秋冬物(G1132ロロピアーナSuper120'S)でしたからそこそこボリュームのあるツイードで芯なしジャケットなんかも秋冬ファッションにはピッタリだと思います。 ツイードならボトムにはウール(起毛したフラノやサキソニーなど)はもちろん、デニムでも、コーデュロイでも相性抜群ではないでしょうか? 個人的には秋冬サンプルのトップページゼニアのトロフェオカシミヤでセンツァインテルノ※、、、凄く格好良さそうですね! ※:肩パッドも芯もない一枚仕立ての事をイタリアではセンツァインテルノと言います。 ご興味のある方は是非、お問い合わせ下さい。 Tさん、ご注文有難うございました! 今後とも宜しくお願い申し上げます。 それでは今回はこの辺りで失礼いたします。次回もお楽しみに〜!! |
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(執筆:山橋)
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