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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 いつもと違うモッズなスーツ
ようやく秋も深まってきましたが皆さんお元気でしょうか?
当店では少し前まで季節の変わり目からか風邪を引く社員が多かったですが、皆さんお気をつけ下さいね。

さて、秋も深まってくるとファッションの上ではそろそろウォーム感ある生地やコートなどのアウターが注目されてきます。
皆さんもそろそろショーウインドーのコートなどが気になってきていませんか?
そこで今回は、先月ご紹介したリピーターのOさんの出来上がりがちょうど弱起毛した暖かみある素材でしたのでその出来上がりをご紹介したいと思います。
デザインの方もちょっと変わっていて今時は珍しいモッズスタイルに近い4つボタンでしたから次のトレンドを探されている方は是非参考にしてみて下さいね。

それでは簡単にOさんのオーダー内容をご紹介しますとご注文内容はこんな感じでした。
ベースは英国調のシルエット
>>> 英国調シルエットの基本は「男の力強さ
クラシコイタリアの柔らかさと反対に、『肩はカチッと』が基本です。

○ 基本スタイルは4つボタン
>>> Vゾーンが狭いスタイルです。昨今は2つボタンが主流ですから随分Vゾーンが上がりますね。

○ 生地は英国を代表する柄のひとつ、グレンチェック柄
>>> でも、メーカーはイタリアを代表するロロピアーナ社でした...

ディテールも英国調に
>>> 英国調シルエットのイメージはシャープさ。
そこで腰ポケットをナナメに付けしたハッキングにして、チェンジポケットも付けました。
ちなみにハッキングはその昔スーツが乗馬服だった頃からの名残でもあります。

アクセントとしてはボタンホールの色をベージュブラウン
>>> この生地はよく見るとグレンチェックの他にオーバーペインとしてベージュの格子がありました。
そこで、ボタンホールはオーバーペインに合わせて全てベージュに近いブラウンでちょっとしたアクセントとして小洒落た感じを狙っています!

○ やりすぎは禁物ボタンは通常のホーンボタンで。
>>> モッズの面白いところはジャケットの上襟にベルベットを使ったりボタンをくるみボタンにすることですが、これはやっぱりやりすぎと言うことでこの辺は通常通りにしました。
モッズの代表例はこんなイメージです。
さて、こんなモッズに近いブリティッシュクラシックスーツ、どんな出来上がりになったでしょうか?

ではでは、早速ご紹介! >>>

全体像、どうでしょうか?

やはりVゾーンの狭さは真新しく感じると思いますが、グレンチェックの柄と合わせると意外なほど落ち着いた雰囲気で、そんなに斬新!ということはなくビジネスでも十分活用できるシルエットでしょう。

ディテールも、クラシコイタリアにはないチェンジポケットなどがスラントの掛かったポケットと相まってシャープさを醸し出していますね。
そして、ちょっと上から見下ろして撮った画像で見ると...
フラワーホールが普通この生地ならグレイ辺りの色糸で纏られる物がブラウンの色目になっていてオーバーペインのベージュと上手く合っていますね。
この辺がユニークです。

そうそう、忘れてならないことがもう一つ!!
このスーツ、実は3ピースでのご注文でした。
全体画像では良く分かりませんが、こうして胸元を見下ろしてみるとベストがチラッと見えるでしょ。

ご注文の段階でも4つボタン+ベストでは殆どベストが見えなくなりますよ...とご案内していたのですが、ほんのちょっとだけベストがチラッと見えるようにそれぞれのVゾーンを設計しました。

そして、出来上がりは・・・ う〜ん、なかなか良い感じです。
この柄のスーツなら白系のシンプルなシャツで合わせれば流行にとらわれず長く着れそうですね。

よし!これならOKだ!ということで、Oさんに仕上がりをご案内すると・・・
ご注文時にはメールでオーダー頂きましたが、出来上がりはご来店いただくことになりました!
・・・というのもお客様コーナーへご登場するとそれならモデルがいるでしょう!というOさんからの暖かいお気遣いでした。
Oさんありがとうございます!

それではご着用画像のご紹介!
お顔の方は例によってカットしておりますが、いかがでしょうか?
偶然なのだと思いますが、当日Oさんがご着用になっていた白シャツブラウン×ベージュネクタイ&茶靴が凄くマッチしていませんか?
普通、試着の時は仕立てたスーツを意識した色柄のインナーにはされませんから違和感が出る方が普通なのですが、今回のOさんはこの日のためにコーディネートしたかのようにバッチリでした。

そして、出来上がりにはOさんも大満足のご様子で、ご注文を受け持った私としてはホッと一安心。
Oさんの今回のご注文はメールだけでオーダー内容を決めただけに心配性な私にはドキドキものでしたが、全てはOさんの笑顔が払拭してくれました。

とはいえ、全てにパーフェクトというのはあり得ないと思いますので、次回への宿題として、袖幅を気持〜ち細くした方が良いような気がしましたので、この辺をOさんにご案内しつつ、Oさんの顧客ファイルにそのメモを残すことにいたしました。

よし!!これでフィッティング完了
今回も良い感じに出来ました。
グレンチェックやハウンズツース(千鳥格子)などはここ4〜5年、クラシコイタリア全盛の中では忘れ去れれてきた柄ですが、英国回帰の流れの中では注目度が グッ と高まります

直近では、大阪店の南浦君も同じ生地でこんなスーツに仕立ててましたので、本稿でも紹介いたしましょう。

う〜ん、、、
デザインが変わると随分雰囲気も変わってきますね〜。
男の色気を醸し出すクラシコイタリアも良いですが、伝統的な色柄の生地を使い、細番手ではないやや堅めの生地で、男の力強さを意識したタイトフィットでストイックな英国紳士を目指してみるのも面白いですよ。

是非お試しアレ!
■ おまけ 〜便利なグレンチェック〜 ■
今回はトルソーに着せた出来上がり画像もお客様ご本人の着用画像もありましたから画像には事欠かなかったのですが、、、
ちょっとだけおまけでご紹介したいのでもうちょっと写真を撮ってしまいました。
ご紹介したいのはグレンチェックの合わせ方

ご存じの方も多いとは思いますが、この柄は紺ブレなどとの相性が非常に良い柄です。
ですから、紺ブレをお持ちでしたら、とても洒落た感じにコーディネートできます。
加えてOさんの場合はベスト付きでしたから、紺や黒のパンツグレンチェックベストで過ごされてもオッドベストっぽくて良いですし...
いずれにしてもグレンチェックは1着持っていて損はないです。

出張時も紺ブレ上下+グレンチェックパンツなら2〜3日は持ちますし、休日はスェードの茶靴グレンチェックパンツボタンダウンシャツでもGOODですから。
是非皆さんもお試しアレ!(あれ?また同じおわり方?)

PS:原稿の編集を終えて・・・
今回の原稿、大阪店南浦君の原稿と示し合わせたようにそっくり×××、、、
生地まで同じだし、、、
う〜ん、2人ともトレンド意識をした故のことなのですが、、、
スミマセン。今度から打ち合わせをしてから原稿ネタを考えます。(-_-;)