HOME>お客様!ありがとう!>UMIT・BENANスーツが出来上がりました。
オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!

 UMIT・BENANスーツが出来上がりました。
10月となり今年も残すところあとわずか。年始に1年の豊富を宣言された方は今年を振り返るいい時期ではないでしょうか。
最近は、朝晩と冷え込みがきつくなってきており、体調管理に気をつけたい季節ですが、が恋しい今日この頃ですね。

先月「お客さま!いらっしゃ〜い」のコーナーでご紹介した生地卸部門川戸氏のスーツが 仕上がってまいりましたので、先ずはザッと前書きをご紹介いたします!

テーマはモード服を意識したシルエット重視のスーツ...です。

  前回の詳細はこちらから>>>>モードを意識したスーツ

注文の仕様は...
□ ジャケット □
 ダブルブレスト 
6×2(ボタン位置高め)
 襟
ピークドラペル・ハイゴージ
 ベント
サイドベンツ
 袖口 くっつき4つ釦
 脇ポケット フタ付き玉縁
 裏仕立て 総裏
 キュプラ裏地 持ち込み
 釦 くるみ釦
□ ベスト □
 フロント  シングル6×5 衿無し
 バック 尾錠付き
□ スラックス □
 タック  ワンタック
 脇ポケット  ストレート
 ピスポケット 両玉ポケット
 裾 ダブル 4センチ
 股上 26センチ
 裾幅 18センチ

上記の内容でした。
追い風が来ているダブルでの三揃え
私も春夏のジャケットでは初のダブルジャケットデビューを果たしましたが、今後どのようにトレンドにのっていくか期待したいところです。
今回生地卸部門:川戸氏のスーツの注文は、着丈もショート丈&タイトで現在のトレンドを意識したシルエットになっておりますが、もともとは80年代のスタイルを現在にモディファイしたものとなっております。

それでは、まずは出来上がりをご覧下さい。
こちらです。
やせ形な体型ではありますが、今回ダブルということでトレンドに少し沿って、身体にジャストフィットさせ、「スーツに着られている」ではなく、「スーツを着こなしている」のをご確認いただけるのではないでしょうか。

そこで何が違うのかを具体的に揉みほぐしていきますので、どうぞご覧下さい。
□□□ 1.ジャケット □□□

 狭い肩幅に対してハイゴージ、広い衿幅
全体の流れとしましては、細いシルエットに細い衿幅、短い上着丈や短い股下というように「幅狭&丈短」の傾向に流れますが、どことなく説得力のある印象を与える、幅の広い襟を採用

上記「幅狭&丈短」のトレンドでは、釦位置やゴージなどのディティールの位置も高くなるのが特徴です。
□ 袖口 □:くっつき本切羽

本切羽にすることにより「高級仕立て」とされ、現在既製品でも多く使用されてはおりますが、一着一着寸法を入力して縫製を進めるオーダーでは、一手間二手間掛かるため、「自分のサイズに合った本切羽」は既製品とは違った愛着が持てます。
袖先(一番下)の釦を一つ開けて、お洒落を楽しんでみてはいかがでしょうか。

□ ジャストなアームホール □

腕を快適に動かす為に最も重要と言えるのが、このアームホールの下部「カマ底」です。
カマ底を上に上げることをカマ浅、下に下げることをカマ深と呼んでおり、カマ浅にするとアームホールが小さくなり、腕の稼働範囲が広がります。
カマ深にすると腕を下げた状態では楽なのですが、腕を上げると袖と身頃に引っ張られるため負荷がかかってしまいます。

いずれも極端な補正はいけませんが、適量の補正はオーダーでのポイントとなります。

写真のように腕を上げても身頃が引っ張られないところが、着心地の改善に繋がります。

ただし、これには注意点もあり一般的に怒り肩の方は肩が上がっているためカマ底が上になり、なで肩の方は肩が下がっている為、カマ底が下に位置します。
そのため、なで肩の方にカマ底を浅くしてしまうと、脇下でつっかえる場合がありますので、その辺りは採寸の際にご相談下さい。

□ 遊びポイント □

遊び心のある「くるみ釦」を使うことによって、既製ではないオーダーならではのデザインでこだわりの主張。

□□□ 2.ベスト □□□

オフィスでは、上着を着ていると仕事がしづらいけど、上着を脱ぐと寒い
という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、このベスト
脱いだ時の姿もシャツ姿よりもクラシカルに、上着と合わせても引き締まりますので相手への印象も違ってきます。

上着がダブルということで、ベストではすっきり衿無しデザインで。
ここでも「くるみ釦」が際だちます。
□□□ 3.スラックス □□□

今回のシルエットを決める上でも一番時間をかけたのが、このスラックス。

極端テーパードさり気なくテーパード中間に位置するサイジングを希望していたため、採寸時に何度もああでもないこうでもと繰り返し、ピン打ちしておりました。

前寸があったので、その寸法を基準にワタリ幅を出しスソ幅を狭くし理想に近づけたシルエットを実現できました。
また、スラックスでは、股上が浅いものが現在のトレンドで、既製でも多いのですが、今回は股上を深くタックを多く入れたのも一つのポイントです
股上を深くすることによって腰回りも安定感があり、タックを入れることにより座ったときにも太股周りが非常に楽になります。

以上、ご紹介させて頂きました。
オーダーでは、「見た目」の部分と「着心地」の部分があり、「見た目」を優先される方や「着心地」を優先される方など様々ですが、何かをイメージして仕立ててみるのもオーダーの一つの楽しみではないでしょうか。