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ライブ@・完成編 |
清々しい青空にフンワリと浮かぶ白い雲。 そんな五月晴れの空をイメージしてスタイリングしたスーツとシャツが、ようやく仕上がってきました。 それを誰よりも心待ちにしていたのは、ジャズボーカリストとして活躍している牧野竜太郎さん(以下、竜太郎さん)でした。 この春夏も先シーズンに引き続き、青いスーツがコレクションやファッション雑誌で脚光を浴びています。 例えば、コレクションではトム・フォードやグッチが... 雑誌では「UOMO」や「GOETHE」が、青いスーツを取り上げています。 青いスーツは、ダークなモノで有れば凛々しさや誠実さ、ライトなモノで有れば清潔感や躍動感を漂わせ、仕事服の原点色とされていますが、今日ご紹介するのはそうした制服然としたイメージではなく、空や海などの自然から連想される青で、リラックス感やホスピタリティも同時に感じて貰える効果を狙ってみました。 そんな味わい深い竜太郎さんの青いスーツ。早速、試着してくれました。 ポイントを読者の皆さんへ紹介する前に、改めてオーダーの内容をご案内しますね。 |
□シングルスーツ&シャツ仕様□
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読者の皆さん、いかがでしょうか? 五月晴れの空のような青地に、フンワリ雲の白いピンストライプ柄。 それに清潔感と透明感がいっぱいの白のライニングと白蝶貝ボタンのコーディネイト。 |
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インナーには白地に水色のストライプが効いたシャツを併せて躍動感が満載のスタイリングになりました。 インナーのシャツですが、ネクタイを外しても、ポイントになる衿が高過ぎず、イタリアオヤジ然としない様にホリゾンタルワイドにしました。 このデザインは勿論タイドアップにも適していますが、衿の開きが広い為ネクタイの結び目は大きな三角を描くダブルノットがオススメです。 |
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そもそも今回のスーツやシャツは、竜太郎さんがライブの時に着るステージ衣装としてのオーダーでした。 見た目の格好良さは勿論大切なのですが、それだけではNGで、ステージ上ではボーカルに合わせて、ダンスなどのアクションが伴う為、動き易さも求められるのでした。 そこで苦心したのが補正(ご参考まで→こちらご覧下さい)です。 なぜなら、竜太郎さん、なかなかオーダー屋泣かせの難しい体型をしているのです。 肩は天井に突き上がった怒り肩、おまけに平均以上に前方に出ている前肩で、補正をしてない服を着ると、後ろ衿の所に突きジワと言って横シワが出来たり、腕を前に出すと肩先が当たる感じを受けます。 これを補正で、肩の傾斜を緩やかにしたり、背中の方の身頃を広くしてやって肩部分を前に押し出してやります。こうしてスーツ作りの設計図である型紙を、限界は有りますが修正して着易くします。 また、竜太郎さんは上半身に対して下半身のサイズが大きいので、上着を補正しないでタイトにすると、前ボタンを留めた時、背中のセンターベントが開いてしまいます。極力開かないように、腰回りの部分だけ大きく膨らますようにして収まり良くしてあげました。 下半身は多少O脚気味なので、補正をしていないタイトなパンツを履くと、どうしても折り目が内側に入ってしまう為、こちらも型紙を調整しました。 これらの補正が、身体の方を合わせて着る既製服と、一人一人の身体に合わせて作るオーダー服の違いです。 先日、オーダーした服のお披露目ライブが横浜で有りました。 行われたのは関内にある赤煉瓦館の有名なライブスポット「モーションブルー」です。 意気のあったメンバーとクラブとは違った落ち着いた雰囲気の店内に、アルトで伸びのあるボーカルを響かせてくれました。 生憎ライブ撮影は禁止の為、熱唱する姿をお届けできないのが残念ですが、ステージを終えた竜太郎さんをスナップして来ました。 ホッとしたのと満足感が同居しているのが伝わってきますね。 この日のステージ衣装はスーツの上着をホワイトデニムと合わせたドレカジ・スタイルでした。 インナーにはドレスシャツにタイドアップして胸ポケットにはエレガントにチーフを差し、パンツにはカジュアルなレースアップシューズとバックルベルトを合わせてドレスダウンと上下コントラストを効かせたコーディネイトは、さすがニューヨーク仕込みですね。 最後に、竜太郎さんの一言「これ(オーダーが)クセになりそうです!」 私、いつもの「これからもヨロシクお願いします!」 |