お客様 ありがとう!!: イタリアンなダブルスタイルスーツの完成です。
春を越え、夏を感じる陽気も増えて参りましたね。
汗ばむ陽気、これから暑くなって参りますが、皆さん如何お過ごしでしょうか?
見た目の割りに軟弱体質な私は、年に二回冬と夏に風邪をひいてしまうため、今年はせめて夏は風邪をひかないよう頑張りたいと思います。
皆さんもこの時期の風邪はなかなか治りづらいのでどうぞご自愛下さい。
さて、そんな汗ばむ日が続き、街中ではシャツ姿の方もちらほら。
そんな中クラシカルかつ柔らかい印象のスーツが出来上がって参りましたので、ご紹介いたします。
ご注文の際の経緯や、流れにつきましては、
こちらをご覧下さい。
今回出来上がりをご紹介するKさんは、一貫したダブルスーツスタイルで春夏秋冬過ごされる方。
その衿型やシルエットのラインに対しての拘りはとても強くご注文毎により好みにあった仕様、サイズ感を求められる方です。
是非その拘りのポイントを参考にどうぞご覧下さい。
(ご紹介するのは仮縫い付きフルオーダーでのご注文です。)
ストライプの方(左側)が、2着目にお仕立て頂いたピークドラペルの形。
今回は、剣先(ピークドラペルのとんがったところ)をもう少し寝かして、ゴージ位置(上衿と下衿の縫い目)を高く持ってこようということで、今回のピークドラペル(右側)に相成りました。
いかがでしょうか? ....あまり違いが分からない?
正直、私もこれだ!っていう正解は持ち合わせておりませんが、このようなディティールを追求すると、全体的な雰囲気で
「どこか違う!」という印象に仕上がるのが不思議な所です。
今回、実は胴回りだけではなく、胸回り、袖回りを中心に詰めさせていただきました。
適度なゆとりがこれまで入っていたのですが、そこをジャストフィットさせた隙のないスタイルに...
Kさん、太れませんよ!
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柔らかいイメージのこのマニカカミーチャ(雨降り袖・シャツ袖)は、イタリアでも南部のナポリを中心に発達した仕様です。
上記のようなピークドラペルやウエストシェイプなどの「ストイック」な部分をこのような柔らかい印象で調和を計っています。
計算されたスーツですね。 |
そして、こちらが完成したスーツの全体像です。
全体的にスッキリしつつも、味のあるスタイルに完成しました。
どことなく他の人とは違った「個性」が滲み出ておりKさん曰く、「皆さんにどこのスーツ?」とよく声を掛けられるようです。
最後に Kさん:「次は理想の最高形になりそうだね!」
と、まだまだ理想への追求は続く... |
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いかがでしたしょうか?
今回のポイントは、2着目の出来上がりを元に、微調整を行い更にご希望にそうようなオーダーを頂きました。
しかも今回お受け取りの際に、、、
Kさん:「夏物(スーツ)は消耗が激しいから、何かお手軽に作れないの?」
私:「でしたら、型紙を使ってイージーオーダーなんかいかがです?」
Kさん:「ほうほう。どの位お手頃になるの?」
私:「単純にフルオーダーオプションを引いた金額ですから、-57,000円になります。」
Kさん:「安いじゃない!2着買う2着!」
私:「えーと... 着心地の部分とかもあるのでまずはイージーオーダーで一着作ってみませんか?」
Kさん:「うーん、んじゃそうしようか!」
と言う流れで、今回型紙を使用したイージーオーダーでのご注文を頂きました。
(毎度ありがとうございます!)
スーツは、着用するシーン(時間・季節・環境・用途等々、、、)によって様々です。
今回お仕立て頂いたKさんは、シルエットや衿型などに拘るお客様。
その雰囲気を残しつつKさんの希望に近づけるには、仮縫いを行ったフルオーダーの型紙を使用した「型紙イージーオーダー」でも近づけられるのかな?ということで提案させていただきました。
「何が売りたいか」ではなく、まずは「その方の要望にどれだけ応えられるか」という気持ちを忘れずに接客に取り組んで行きたいと思います。