|
|
(荒井編):麻の季節
|
新緑も次第に深くなり蒸し暑さも加わるとどうしても『スーツは嫌われ者』になってしまいます。 そんな暑い夏に最適な生地は「麻・リネン素材」です! 火照った体の熱や汗をその優れた吸水・発汗性・熱伝導性でとても涼しいです。 あの独特の“ひんやりとした”感触は皆さんご存じの通りです。 中でも当社でこの夏扱っている『アイリッシュリネン』は、手頃なお値段とその優れた光沢・質感で春夏用ジャケットとしてこの夏大ブレイク中です。 ...とはいえ、これまでの私は「麻」素材に対するマイナス面の印象『贅沢すぎ』『コディーネートが面倒!』が拭いきれないのが正直な気持ちでした。 そこに今月たまたまなのですが、50代半ば過ぎのお客様お二人より『麻』のスーツのオーダーが立て続きに舞い込んできました。 大人にしか出来ない着こなしを教えてもらったのと、当時の時代背景など凄く参考になりましたので是非皆さんにもご紹介したいと思います。 まず最初は宮城県石巻市のYさんです。 Yさんは昨年来のインターネットのお客さまですが、襟の形にこだわりがあり当店でオリジナル襟型紙を作成した珍しいお客さまです。 そして今回もその型紙を使ってのお仕立てで、しかも昨年のご注文と同じく麻素材でのご注文でした。(画像はYさん専用の襟型紙です。)→→ 少しレトロなデザインが特徴です。 下記はご注文の際、Yさんより頂きましたお手紙の一部ですが、お若い頃のファッションを時代背景もあわせてご説明も頂いています。どうぞご覧下さい。 |
|
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | |||
同僚の司茂さんによると、その当時はアメリカ文化特に「スパイ&シークレット・エージェント」ドラマの影響力が大きかったようです。 また「スパイ大作戦」も良いと聞いたので、ビデオ屋さんで早速レンタルしました。 『…例によって、君もしくはメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局はいっさい関知しないからそのつもりで。尚、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。』 ・・・というアレです、あれ!! そういえばビデオの中にも、Yさんがお持ち頂いた見本スーツと同じようなスタイルが映ってました。 細いラペルと深いVゾーンを持つ全体的にタイトなシルエットのスーツ。 これが当時の「コンポラ」スーツ! 「百聞は一見に如かず」ですね。判りやすく当時のことをご教授いただき有難うございました。 ちなみにこの世代にご興味の方はこちら↓をどうぞ。 検索エンジンで調べてみたらこんなに情報がありました。 (下記将来的にリンク切れの場合はお許し下さい。)
Yさんのスーツを一足先にご紹介いたします。襟の形、胸の開き具合をご覧下さい。 パンツもベルトループはありません! スッキリしたデザインのせいかキザな感じがなく共感できますね。 |
リバイバルといえば、先月ご紹介したUさんのコットンスーツに近い感じがしますね。 | |||||
さて次は、同じく東北は山形県東置賜郡のTさんよりご注文です。 |
|
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | |
遠い昔、夏の日の大人の憧憬『麻のスーツ』。 白黒のコンビのシューズ、パナマ帽と共に今は亡きお父様への想いを重ねて着こなしたいと当社をご指名いただき有り難く思います。 |
|
戦前戦中までは、大人はこんな格好が多かったようですが、戦後次第にその姿も見なくなったと聞きます。 また「フレッド アステア」さんと言えばタップを中心に「ダンスの神様」(1899-1987)と呼ばれた方です。 古き良きハリウッドのクラシック映画のスターでひょっとして当時の日本に影響を及ぼしたのかもしれないですね。(あくまで推測ですが、その辺に詳しいようでしたらどなたか教えてください。) 次回、レトロな日本紳士の夏スタイルをTさんの麻スーツで再現いたします。 私の目線からの切り口でのレポートですが仕上がりと共にどうそお楽しみに。 |
|
★☆★おまけ★☆★ |
今回はちょっと画像が少なかったので東京SHOPMSTERがこの夏仕立てたアイリッシュリネンのパンツ姿を掲載します。 年甲斐もなく・・・?! ノータックなんですよ! しかもポケットは横置きのジーンズ風。 何でも仕事ある土曜日はこれを履いてナポリ風のデュエボットーニシャツを着ていればノータイもOKで仕事が終わったら遊びに行きやすい!とのことでした!皆さんもご参考に〜 |