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コットンスーツで仕事へ行くぞ!
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季節の移り変わりは早いもので、空に漂う雲もすっかり高くなりましたが、そろそろ秋冬は何を着ようかなと、想いを巡らせている頃ではないかと思います。 さて、今回ご紹介させていただきますお客様は、***県庁にお勤めのIさんです。 8月はお盆の最中というのに、既に秋冬のスーツについてのイメージを膨らませていたIさんより、早々とこんなお問い合わせのメールをいただきました。 秋冬物サンプルが出る前ではやる気持ちも分からなくもないですが・・・ |
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件名:***県よりIと申します。 | |
覚えていらっしゃるでしょうか? 昨年から2着ほどオーダーさせていただいたIです。 今はヨシムラさんはお盆休みなのですね。私の会社(?)はお盆も(休暇を申請しない限りは)カレンダーどおりでした!!貧乏暇ナシです。 さて、あんまり暑くない今夏、アパレルの世界はどこも早めに秋物を投入して挽回を図っているそうですね。 秋物もアップされたことですし、今回ちょっとご相談させて頂きたくメールしました。 今頭の中で考えている私の秋冬の新作は、ずばりコーデュロイのスーツです。(もちろん仕事に着ていく用です。) ただ、素材はイメージできても細かい仕様についてはとんと考えあぐねています。 私の職場はドレスコードは緩いというか、「新人がカッチョつけるんじゃねぇ」的な目は気にしなくて良いみたいですので、問題はないんですが。 入社7日目にして茶靴にニットタイで出勤してましたからね!しかも上司に何かいわれるかと思ったら「I君、カッコいい靴履いてるじゃん。どこで買ったの?」でしたからね・・・ ただ自分の中であんまりカジュアルに走ったものはガキくさく思えて。 ですのでヨシムラさんならどういった色、デザインが相応しいとお思いなのかをお聞きしたいのです。 そして、もしもコーデュロイの取り扱いがあるようでしたら具体的に注文するお話をしたいと思います。よろしくお願いします。 **県 I |
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | |
今年の春先まで東京の大学に通っていたIさんは、当社社員も一目置いているほどのこだわりのお客様です。 いろんなショップを見て回り、デザインや仕様をオーダーに反映するというIさんの今までのオーダーシートは、黒くなるほど指定項目が書き込まれていることから一目瞭然です。 Iさんが就職されてからはご無沙汰しておりましたが、久しぶりのメールにホッとしました。 しかも周りから既に洒落者として認められているようですね。 まずは元気そうで何よりです。 ご返信は、Iさんと出身大学が同じということもありSHOPMASTER吉村から返信差し上げました。 |
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件名:お問い合せ有り難うございました。 | |
Iさん こんにちは、オーダースーツのヨシムラ(吉村)です。 関東ではお盆はさんざんな天気でしたが、西日本の方はある程度天気は良かったようですね。 ご無沙汰しておりましたがいかがお過ごしでしたでしょうか? さて、早い秋の訪れと共にコーデュロイのスーツをお探しとのこと ご検討いただきありがとうございます。 正直、県庁勤めのIさんがコーデュロイのスーツを着られるというのはあまりピンとしないのですが、秋口にコーデュロイのスーツはとてもお洒落で良いですね。 プライベートでの着廻しもやりやすいですし。。。 生地の方は秋冬物のサンプル帳の中にはコーデュロイの取り扱いはありませんが社内の在庫の中にはいくつかありますのでご希望の色目をおっしゃっていただければ、サンプルをお送りすることも可能です。 デザイン的なオススメは。。。 そうですね、オーソドックスな3×2か3×1(中掛け) 腰のポケットはアウトポケットにして、胸ポケは通常の切りポケット(←いわゆる2パッチです) あとは襟のステッチをミシンステッチか何かでアクセントを付けてはいかがでしょうか? 色と素材は...これも悩みますが、オーソドックスにベージュというかカーキというか、こういったアースカラーで細畝のものがトレンド的にも最適だと思います。 コーデュロイは意外と定番なので過去に作られた方もおりますし、ベルベットのような光沢のある黒の生地でパーティー用のお洒落ジャケットのような使い方をされる方もいらっしゃいました。 ただ、これはIさん向きではないかと思います。 なお、実際のご注文については西日本地区へ移られましたので大阪店清水の方でお受けしたいと思います。 採寸情報等はきちんと引き継ぎますのでお手数ですがご理解の程何卒よろしくお願いいたします。(メールの方は私も随時見ておりますのでご安心下さい。) オーダースーツのヨシムラ SHOPMASTER_吉村_雅隆 |
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | |
コーデュロイスーツで仕事をしたい!という気持ちは判るのですが、果たして県庁という職場に相応しいかどうか? 微妙ですね〜。 SHOPMASTERも後輩(?)お客さま(?)のことを思い本心でアドバイスしているとは思うのですが・・・ 少々押しつけがましかったかも知れません。 するとIさんから早速お返事が来ました。 |
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件名:コーデュロイ、ありますか? | |
こんにちは。今日あたりは仕事が溜まっておられたでしょうが素早い返信ありがとうございます。 県庁勤めの人間がコーデュロイのスーツを着るのはイメージがつかないですか・・・ それはちょっと残念です。 公務員は堅苦しい紺のスーツばかり着用しているとお思いでしょうか? 近年、公務員の仕事や立場が大きく変わってきているように、(礼を失しない程度に)仕事着にもこだわる公務員が増えるのは悪いことでは無いと思います。 むしろ必然ではないでしょうか? 内心ちょっと洒落てみたい県庁マンもかなりいるはずですよ!個人的な感じとしては!! それでスーツの注文なのですが、東京店の方で注文するわけにはいきませんか。 というのも、来月20〜23日にでも休暇をとって東京に遊びにいく計画を練りつつあるもので、東京店に寄りたい気分もあるのです。 あとデザイン面なんですが、素材がビジネス然としてない分、デザインはむしろかっちりとしたビジネススーツスタイルで、色目もグレーや黒にしたほうがバランスが取れるのではないかと思っていたんですが、ステッチについてはミシンステッチで決まりだと思います。 よろしかったらご意見聞かせてくださいね。 (荒井さんや北さんならこの場合どう接客のとき勧められるのでしょう、世代が近いだけに気になります・・・) I |
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | |
若い者同士ということで、我々(荒井・北)にもお話を振って頂き嬉しい限りです。 喜んでご相談をお伺いいたします! ・・・幸いなことに、当社にはベテランから20代の若いパワーまでの年代層別にスタッフがおりますので、同世代だからこそ解り合えるといったご相談などはどうぞそれぞれのスタッフ宛でも結構ですのでお気軽にご相談下さい。 それにしても、お役所だから堅い服装という時代ではない!というメッセージにはお盆休み明けの怠けた気分が一掃されます。 社会の仕組みが変わっていく昨今、職業に対する考え方が服装の変化にも現れているのでしょうか。 そう考えると、自分らしくお洒落な姿で働きたいという考えには感心させられました。 |
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荒井で〜す。
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北で〜す。
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件名:ご来店お待ち申し上げます。 | |
Iさん おはようございます。オーダースーツのヨシムラ(吉村)です。 昨夜はご連絡を有り難うございました。 9/20〜の連休を利用して東京へ来られる予定なのですか? う〜ん、東京が懐かしいのでしょうかね〜 (ちょっと失礼な言い方でスミマセン。私も卒業と同時に名古屋勤務だったもので、1年目としての気持ちもよく分かります。あの頃は2カ月に1回は東京へ戻ってました。(^_^;)) さて、ご注文の件ですがそれでは東京店でお受けしたいと思います。 また、候補となる生地はまだ日がありますのでゆっくり探したいと思います。 ところで、Iさんは比較的濃色の物を探しているようですね。 この場合の光沢が出る物は結構目立ちますので、この辺は生地をご用意してご説明するようにします。 また当社の荒井・北などの若手ならどうご提案するかとのことですが、そうですね〜Iさんへは彼らからもサジェストする方が良いかも知れませんね。 それでは来月ご来店の日時が確定しましたら、改めてご連絡いただけますでしょうか? よろしくお願いします。 オーダースーツのヨシムラ SHOPMASTER 吉村 雅隆(只今大阪出張中!) |
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | |
果たして職場にていくのに相応しいコーデュロイはあるのか? まずは、生地から探してみました。 コーデュロイ(コール天)は、縦方向に毛羽の畝があるものですが、畝の太いものを鬼コール、細いものを細コール、その中間のものを中コール等と様々な種類があります。 畝の太さだけでもたくさんの種類がありその全ての在庫を持つことは大変なことです。 当社では、毎シーズンのお薦めしたい生地を厳選して仕入れをしておりますが、お客様のリクエストで、どうしても探して欲しいという生地が当社にない場合は、メーカーサンプルを奥の手としてご紹介することもあります。 (但し、サンプル帳の部数が限られている為、ご来店のお客様のみの対応ですが...) 懸案の生地の方は、Iさんは県庁勤めですからあまり目立たない方が良いかと思いこの中の極細畝のコーデュロイであれば大丈夫かな?とある程度の目星をつけておきました。 ただ、私は個人的にどうしてもお薦めしたい生地がありました。 それは、昨秋冬より取り扱い始めた伊SONDRIO社のコットン素材(G4191)です。 上品な起毛感をもつこのシリーズは、珍しい横向きの織り柄。 縦畝のコーデュロイではないのですが、カジュアルな着こなしにはもちろんビジネスシーンにも相応しいといえる素材感です。 ご好評にお応えしてブラウン系の新色も揃えての再登場となりました! 昨年色違いのこの生地で仕立てた私のスーツも大反響を頂きました!こちらもご覧下さい。 >>コットンスーツ!社員が仕立てると |
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件名:***県よりIです。 | |
こんにちは。先日問い合わせをしましたIです。 とても遅くなりましたが、私の東京出張(プライベートですが・・・)が決まりましたので、どうぞよろしくお願いします。 あれから考えましたが、今回は思い切って黒地にしようかと思っています。 でもあまりフォーマルっぽくしたくないので、ステッチやボタンを茶系にして、茶靴/黒靴どちらでもいけるようにしようかと考えたんですが、如何なものでしょうか? 押し付けがましいとは思いつつ、例によって当日は仕様書兼メモ書を持参いたします。 **県 I |
★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★ | ||||
こうしてIさんが仕様書と共にご来店されました。 その中でポイントになっていたのは次の点です。 ■1つボタン、高めのゴージラインにスタート位置を1cm高く、ラペル幅7.5cm >>>1Bで広〜いVゾーンに細い襟幅。レトロな雰囲気を出しつつもゴージラインを高く設定して『今風さ』も出す。 なかなかお洒落です。
私からは「こういうところで遊びを入れてみてはいかがですか?」と一番下のステッチ「ハンド」をお薦めしました。 表に出ている部分が多く、折角の糸色を目立たせたかったからです。 「う〜む、荒井さんに騙されたつもりで・・・それ採用です!」 >>>茶色の「ハンド」ステッチの仕上がりは、どんな感じになるのでしょうか? ※:「ハンド」ステッチは「ハンド=手」と思われるかも知れませんがこれはミシンステッチの1技法です。念のため。。。 ■ホームベース型フラップ留めポケット >>>当社で対応できるフラップやアウトポケットにはこのような種類があり組み合わせもお好みでお選びいただけます。 カジュアルなジャケットにはこんな所でアレンジしてみるのも楽しいものです。 |
その他、コットンスーツにあった裏地・芯地・肩パット等は幾つか私からのご提案も加えました。 (↑については、次回「お客様ありがとう!」にてご説明いたします。) ふ〜っ、Iさんのご来店は忙しい土曜日でしたが事前準備もそこそこ出来ていましたので何とか無事終了しました。 お帰り際の『伝えることは伝えた!』という満足気なIさんの表情が印象的でした。 以前にも増して真っ黒になったIさんのオーダーシートですが、この秋第1号のコットンスーツ。 仕上がりをどうぞお楽しみに〜。 |