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本格的1930年代風スーツ(ノッチ衿)
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紳士服業界でのこの春夏トレンドはナロー(細身)な2Bスーツ。 そろそろセレクトショップはじめ紳士服各店で春夏物スーツが出回るようになりましたが、実売ベースでは従来の3B(中掛け)とナロー2Bスーツが拮抗している状態です。 そんな業界状況ではありますが、ファッションはトレンドを上手に取り入れることもお洒落で大切ですが、時としてはトレンドに流されず自分の主義主張を通されることもまたファッションの楽しみ方。 |
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ですが、当時はシングルのピーク衿(いわゆるダブルの衿)で一般的なビジネススーツには不向きなデザインでしたので読者の皆さんにとっては参考程度にしかならなかったと思いますが、今回はシングルスーツのノッチ衿(いわゆる普通のシングルの衿)ですから少し敷居が低くなりました。 是非スーツの楽しみ方の1つということでご覧ください。 < 以前ご紹介したもの > お客様いらっしゃ〜い どこかで見たぞ!? お客様ありがとう 1930年代風スーツとは? そして、今回のご注文は春夏物のサンプル帳をお送りした直後に頂いたこんなメールから始まります。 |
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★☆★東京SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
Tさんご無沙汰しています!その後30年代風スーツの調子はいかがですか? ※:Tさんは、前回Webでご紹介した札幌のMさんとは別人ですが、上述した過去のお客様いらっしゃい・ありがとうをご覧になり当店が1930年代風のスーツを仕立てられることをお知りになり、以前から30年代風スーツを当店にご注文されていたリピーターの方です。 でも、いきなりメールで仕様書と一緒にアドバイスを。。。と言われても困ってしまいます!! 私共もプロではありますが、歴史のピンポイントを絞ってそこのアドバイスを...と言われても。。。 ・・・ということでこんなお返事を差し上げました。 |
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★☆★東京SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
・・・と、このような感じで最初はメールだけではよく分からなかったのですが、その後Tさんからイメージ画像(↓)を頂いたり、数通のメールのやりとりをして、ようやく今回のご注文は次のような点がポイントであることが分かりました。 |
■ポイント1:1930年代風スーツの特徴(デザイン面)■ | ||||
>>> この時代は現代のスーツ文化の原型が作られた時代。 服飾評論家のアランフラッサー氏が「エレガンスの極致」と表したようにメンズファッションに大きな影響を及ぼした時代です。
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■ポイント2:生地はゼニアのヘリテージ(素材面)■ | |||
>>> 今回のご注文はE ZEGNA社のヘリテージを使ったもの。
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■ポイント3:クラシコ2仕様(縫製面)■ | |
>>> これは上述オーダーシート内にはなかったことですが、このご注文は最終的にはハンドメイド要素をふんだんに生かしたクラシコ2仕様にてお受けいたしました。 手縫いのボタンホール・フラワーホールをはじめしっかりとした本バス毛芯etc... 1930年代のオーダースーツは、ハンドメイドが一般的でしたから縫製面でもクラシカルです。 |
上記が今回の大きなポイントですが、特筆すべきはスーツを仕立てる上で重要なポイント(素材・デザイン・縫製技術)その全てを1930年代風にまとめていることです。 『これで当時のスーツ風に出来なければ意味がない!!』といった感じですね。 そして、メールでのご相談は延々とお台場仕上げが良いか?それとも画像の雰囲気を出すため大見返しにした方が当時のイメージに近づくか?などと色々とやりとりをした結果、最終的には次のような内容になりました。 |
【ディテールの詳細】 | |||||||||||||||||
1.生地は >>> 生地は予定通りのヘリテージ。ザックリとして涼しそう♪ 2.基本デザイン >>> 衿幅の太〜い3つボタン(衿幅10.5センチ!) 通常の衿幅はシングル3Bスーツですと8.5センチぐらいですから10.5は圧巻です。 3.シルエット >>> 1930年代風に上着は出来る限りタイト目に...ということでメールでご相談しながらTさんの体型としての限界ギリギリまで絞り込みました。 絞りすぎるとヒップ周りのベントが開きやすくなるのでヒップ周りはゆとりを持たせました。 4.クラシコ2仕様のディテール >>> ディテールはこんな感じです。
その際にはボタンホールの間に縦に懐中時計用のフック穴もお付けしました。懐中時計なんてこれまた1930年代風ですね。。。(画像は出来上がり時にご紹介します) 6.トラウザーズ >>> ボトムは全体にこれでもか!という位にゆったり目。一般的なサイズと比較するとこんな感じです。 |
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その他ボトムのディテールには ボタンフライの前立て>>> ここまで手縫いで出来るか ただ今工場と交渉中! サスペンダーボタン >>> ベルトループなしの仕様です。 腰部Vスリット入り >>> 腰の部分に切れ込みを入れます。 さてさて、 文章だけではなかなかイメージが付きにくいですが仕上がりはどんな風になるのでしょうか? トレンドとは一線を画す1930年代風スーツ、次回楽しみですね! それではまた !! |