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(大阪編)パンチェリーナって?
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いよいよ4月の声を聞くと、春夏物も活躍の出番です。 コートを脱ぎすて冬物ともおさらば、ついでに上着ともさよならとはいきませんが、これからのシーズンは上着レス(そんな言葉はあったかな?)のパンツのオシャレも楽しめる季節です。 というよりも、むしろパンツ姿が注目のポイント。 流行の美脚パンツやオシャレなボンタンもこれからの季節こそ大いに活躍するのでしょうか? そんな中、ちょうどご来店されたお客様から1本のパンツのご注文を頂戴しました。 Mさんとおっしゃるお客様ですが、スーツのオーダーには一家言お持ちで、大阪市内のあちらこちらのテーラーさんでお作りになっていると言うなかなか手強いお客様です。 もちろんMさんが当社にご来店されるのは今回が初めてではなく、過去にも生地のみのお買い求めやエトスクラブへのお問い合わせなどを頂いておりました。 その都度ひとかどならぬオーダーへのこだわりなど伺い、いつかはご注文頂けるものと期待をしていた次第です。 そして、今回は・・・Mさんお勤め先がご近所ということで、不意のご来店となりました。 ご来店されたMさん『今回はひとつこのタイプを...』と、やおら鞄から取り出されたのはとあるテーラーさんで誂えられた1本のパンツ。 一見したところはなんら変哲もないパンツですが、内側にやはりこだわりが潜んでいました。 イタリア語で言うところのパンチェリーナ(腹巻きの意)仕様です。 どんな仕様かは百聞は一見に如かず、ひとまず画像をご覧下さい。 ●向かって左側出っ張ってボタンが2つ付いている部分は、俗にテングと呼ばれている部分です。 そう、天狗の鼻に似ている所から由来しています。
●それを右側から出ているヒッパリ(この画像では白い部分)にボタン止めで固定します。 |
★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
このパンチェリーナはダブルブレストの上着の内側と同じ理屈で、腹部をきっちりと固定するための仕組です。 だからこの辺が直訳すると「腹巻き」なのかもしれませんね。 仕様自体はそう珍しいものではなくかつては既製品にも見かけましたが、オリジナルはやはり実用性とコストや手間暇の問題があり、現在ではすっかり姿を消しています。 ただ、これを簡略した形では、当社の標準仕様でもお付けしていますので皆さんお馴染みですね。 実用的にはこちらの方が便利だとは思いますが、物へのこだわりというのは時として実用性と矛盾する物です。 |
さてさて、 現物を拝見したものの、果たしてこれと同じに作れるの? 折良く(悪く?)来阪中の東京ショップマスターと揃って首をひねってしまいました。 しかしそこは数々の難問(?)を解決した当社、やって出来ない事はない!とばかりMさんには何とか工場と前向きに協議をし、ベストを尽くす旨お伝えしました。 ・・・とは言うものの、残るは肝心の工場との打ち合わせです。 電話では工場でもやったことがないとのことで『とりあえず現物あるいはせめて写真でもないと、、、』となり、写真を付けて工場へ職出しとなりました。 (相変わらずの無理なお願いですが、工場さんお願い!なんとか頼んまっせ。) ....と言うことで今回初めて「パンチェリーナ仕様」でお受けいたしました。 ちなみに、その他の仕様はこのような内容です。 |
●生地・・・G9068 日本毛織製トラベルック グレー地ピンヘッド柄 >>>パンツは上着とのコーディネートも肝心、この素材はどの色柄にもマッチするオールラウンドプレイヤーです。 ●デザイン ・ ノータック ・ 前立てボタン止め ・ 脇ポケットナナメ ・ 裾口4.5センチダブル ・ 後ろVカット入り ・ サイドとカフスにステッチ入り(パンツ総ステッチ) ・ ループは6本 ・ バックルチー付き ・ 美脚風にヒザ位置を標準より上げてヒザから絞る ....など、たかがパンツ(失礼!)とはいえこだわり十分のご注文ですね。 |
★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
Mさん今回は当社の小手調べのつもりでのご注文かもしれません。 そのため、たとえパンツ1本とはいえ心して掛からねばなりません。 ついでに言うと、初めてパンツ単独でのこのコーナーへの登場です。 なんとかトホホ...のありがとうにならないよう、改めて工場さんお願いします。 |
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★☆★お・ま・け パンツのお話★☆★ | |
テーラーさんのお話を聞くと「採寸で一番難しいのはパンツの長さだ」と言う事をよく聞きます。 確かにパンツの長さは簡単なようで難しく、テーラー泣かせの複雑さです。 参考までに何が難しいかを簡単にご紹介すると・・・ |
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...等々、微妙なポイントに当たるだけに我々もアタマを悩ませます。 また、その他体型による補正もパンツのフィットさに欠かせない大きなポイントです。 |
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...などなど我々は採寸の際、お客様のサイズを測りながらどのタイプかと密かに観察して、出来るだけ格好良く仕上がるよう補正に工夫をしています。 これらは自分ではなかなか分かりづらいので、自分はどのタイプかと気になる方はご注文の際お尋ね下さい。小さな声でお答えしますので... それではまた! |