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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!
 セール&裏地リニューアル 
いや〜っ、今年の冬は寒いですね...
先月(1月)には東京でも珍しく降雪でなく積雪がありましたし、とにかく今年の冬は全国的に寒かった!

先月はそんな一年中で一番寒い時期ではありましたが、当店は一年中で一番熱い月でした。
何故、熱いかって?
...それは私達というよりはお客様達の方が熱かったのでは・・・
そうです!1月は下旬から恒例の@セールを実施していまして、それで熱かった(忙しかった)のです。

そこで、今月は@セールを利用して賢くお仕立てになられたお客様をご紹介したいと思います。
併せて昨年暮れにリニューアルしたキュプラ裏地サンプルについてもご紹介しますので是非ご覧下さい。

ご登場頂くお客様は・・・リピーターで茨城にお住まいのKさん。
微妙に遠い所にお住まいのためここ数回はメールオーダーだったのですが、若干ご体型が変わられたのとつくばExpが出来たこともあって今回は再採寸を兼ねてご来店。(つくばExpは当社の商圏を広げてくれました!!)

そして、どんなご注文だったかというと、こんな感じのオーダーシートをご来店に先立ち頂きました。
返信メールも長くなってしまったので本文中に朱書きで私からの返信コメントを付けましたので併せてご覧下さい。

06.01.28 オーダーシートパターン表送信フォーム
(一部を抜粋)
4.生地番号 = G1001
>>> 素材は伊レッソーナ社のカシミヤ入りの生地です。在庫はこちらに掲載していますがちょうど最後の1着でした!既に確保できておりますのでどうぞご安心下さい。

5_1.シングル3つボタン/スタイル = 3×1(段返り)
>>> Webには記入欄がありませんが今回も4つボタン段返りにされますか?

5_2.ボタン位置 = 標準  5_3.ゴージライン = やや高めA
>>> 前回は襟型をセミピークにして、ゴージラインはハイゴージAでした。こちらも襟型までチェック項目がなく失礼しました。

6.ベント = サイドベンツ

7.袖口 = 本切羽(+2,000円)

8.袖ボタン = 4つ

9.ポケット = チェンジハッキング(+1000)
9_1.ハッキングの角度 = 強(±3.0cm)
>>> この辺は前回同様のようですね。了解です!

10.裏仕立て = 総裏丸台場

11.ネーム = ローマ字
11_2.ネーム記入文字 =
>>> 今回のネームはどうされますか?

12.前タック = ノータック
>>> 直近は1タックでしたが、今回はそれ以前のノータックに戻されるようですね。了解です。

13.サイドポケット = ナナメ

14.ピスポケット = 両玉

15.ズボンの裾 = シングル

17.オプション = ボタンホール糸色変更
>>> ボタンホールは全て水色ですね。う〜ん、お洒落です。
出来るだけストライプに近い色合いの糸を選びますが、何分にも普段なかなか使わない色目だけに色数がちょっと心配です。

18.連絡事項 = D管止め。パイピング。総ステッチ。
>>> 了解しました。

全てのボタンホールの色変更。
5つ目のボタンとそのボタンが使用できるように、フラワーホールを袖のボタンホールと同じ幅で。
>>> フラワーホールは前回同様完全に開けるようにします。
またフラワーホールに対応する反対側に前回同様ボタンを付けますか?

筆者注:これはトレンチコートの様に襟を完全に返してなおかつボタン留めするということです。
画像のような雰囲気になりますが、トレンチコートでは良くある事なんですけどね、スーツでは珍しい...

ステッチボタンホールの色は生地のストライプと同じ色、水色でお願いします。
>>> 了解しました。フラワーホールやD管止めも同じ色目にしますね。

ウエストが大きく変わってしまいましたので採寸をお願いします。
来週の平日なら伺えますが。
>>> 了解しました。
平日でしたらセール期間中でもそれほど混み合いませんのでご来店をお待ちいたします。

毎度多くのこだわりを希望してすみません。
>>> いえいえ。いつもありがとうございます。(*^_^*)

前回同様クラシコの料金でおさめていただければキュプラ裏地もおねがいしたいのですが。よろしくおねがいします。
>>> ご案内のお見積もりでいかがでしょうか?
クラシコ仕様にすることも可能ですし、キュプラだけお付けするのも問題なくOKです。
(キュプラの場合は色目はいかが致しましょうか?)

★☆★ 東京SHOPMASTERより一言 ・ ・ ・ ★☆★

@セール期間中はご来店のお客様が多いのはもちろんですが、最終的にご来店を予定されている方でも先にご自身のオーダー内容をご連絡いただくと、ご来店時に話がとてもスムーズに進みます。

オーダーシートを送ったからといってそれでオーダーが変更できなくなるという訳ではありませんし、特にシーズン晩期は生地を確保するという意味でも先にオーダーシートをお送り頂くと便利ですね。
リピーターのKさんはこの辺よくご存じですね

そして、Kさんご自身のオーダー内容はというと...
これまたちょっとこだわりの強い方で、私もでWebからのオーダー内容の入力をオススメしておきながら、その枠を軽く飛び出してしまう内容。

どんなところがWebオーダーシートから飛び出すかというとこんな所です。
皆さんにはあまり真似して貰いたくないところもありますが、この辺が今回のオーダーのポイントにもなるところですので積極的にご紹介します。

ご注文のポイント
1. 基本デザイン
>>> Webではシングルの4つボタンには段返りがありませんが、4BではVゾーンが狭くなると言うことから4つボタンの段返り(実質3BのVゾーンの高さ)も可能です。
人気の高いデザインならWebのフォームを変えるのですが、あまり項目が多すぎても読者の皆さんが混乱されるかと思い、記入項目を作っていません。
このようにWebは意図的に不完全にしていますから何か不明のことがあれば気軽にご相談下さい。

2. フラワーホールのアレンジ
>>> 通常フラワーホール(襟穴)は現代では社章などを付ける位しか実質的な意味合いがなくなってしまいましたが、昔はそれこそ名前の通り花を差すための物だったり、戦時中は実用志向を優先してボタンホールとして実際に使うことを想定した物でした。

このため、昨今は標準のフラワーホールは袖ボタンと同じサイズですがボタンを留める必要がないということからボタンホールのふくらみ(ティアドロップの部分)のない形が一般的です。
これに対しKさんは、昔の軍服のようにボタン留めが出来るように・・・というのがご希望なんですね。

画像はティアドロップ(涙)くぼみがないフラワーホールとティアドロップ型の袖ボタンの比較です。

3. ステッチの糸色変更
>>> この辺は従来からもよくWebでご紹介していますが、当店の仕様ではステッチの糸色変更が無料で可能です。
そして、この場合は次の2種類がありますのでご注意下さい。

フロントのステッチ
こちらはスーツの表側の襟周りから裾までとポケット周りのステッチで、標準はコバに入れるAMFステッチです。
ただ、こちらはスーツの前面で一番目立つ部分のため、普通は表地の色に合わせて目立たないようにするのが一般的ですから、希望される方は別途お申し出頂かなくてはいけません。

ポイントステッチ
フロントのステッチに対し、スーツの裏側(見返し部分)の表地と裏地の間を這うステッチをポイントステッチといいます。
こちらも無料で糸色を決めることができますが、一般的にはお任せ頂ければアクセントを出しつつ、それこそスーツのポイントになるようなカラーでステッチをお入れします。


・・・で、Kさんの場合は、このフロントステッチとポイントステッチの両方をストライプの色に近い水色にして、更には全ボタンホールもまた水色にしたいというオーダーなんです。
想像してみていかがですか?お洒落ですけど、結構勇気のいる仕上がりになりそうですね。

こうして、その後 数通のメールでデザイン的なご相談があった後、Kさんはようやく@セール終盤にお越しになりました。

ここまで事前にご相談を頂けると、ご来店時のご相談はポイントが限られていますからかなり余裕を持ってご対応できます。

そして、Kさんのご来店時に追加になったポイントは...というと、次の点でした。
1. 再採寸
>>> こればかりは実際に測ってみないと何とも...Kさん ちょっとお太りになったようですね。 (^_^;)

2. 裏 地
>>> 裏地はオーダーシートでお決めになる方が殆どですが、Kさん位ステッチ等糸色にまでこだわる方にとっては表地と裏地のカラーリングはかなりデリケートな問題。
特に今回は、ストライプの色に合わせると言ってもその色が珍しい水色ですから、そんなドンピシャな裏地カラーがあるか微妙ですからKさんも大きい反物で直接確認されたかったようです。

3.美脚パンツ風シルエット
>>> こちらは以前もWebでご紹介した美脚パンツ
ポイントは股上を浅くして、股上のヒップ側を少し前に対して高くしたり、膝(ヒザ)位置を高くして絞りを強くするところ。
  詳細はこちらをご覧下さい。>>メンズの美脚パンツとは・・・


□■□ ここで登場!! リニューアルされたキュプラ裏地のご紹介 □■□
こちらは大阪店の企画でしたので私の口から紹介するのはちょっと彼らに申し訳ないのですが、いつまでたってもWeb原稿を作らないため私からご紹介します。

生地サンプルをご請求頂いたり、ご注文時に皆さんにご覧いただいているキュプラ裏地ですが実は昨年11月にリニューアルしています!!
画像の下が古いサンプルで上が新しいサンプルです。
変更内容はというと...
これまでの無地15色+柄物12色 から
>>>>>新色を追加し無地17色+柄物14色へ...

実際には廃盤色も殆どのカラーで在庫を持っていますので従来より随分パワーアップしたことになります。
どこが大きく変わったかというと・・・
<1> 無地はブルー系を強化
これまではメタリックなブルーだけでしたがそれに水色やターコイズブルーを加えました。
特に20代の方やレディース需要を狙っての追加色です。
これから夏場に掛けて人気が出そうですね。
併せて赤も追加 >>> う〜ん、これはレディースと関西圏需要のためカナ?
(^_^;)
<2>柄物は若者向けストライプの追加
この辺は正直、セレクトショップに負けないために追加ラインナップとした物です。
既製服の世界は敏感ですからね...
今回追加した白地にピンクや黒地にピンク、同じく黒地にブルーのストライプはSHIPSやBEAMSにも負けていないつもりです。
<3> フルオーダー向け柄物裏地
フルオーダーでは飽きの来ない保守的な色目が求められる傾向があるため、超コンサバ(保守的)な柄物裏地を追加しました。
袖裏だけで使うのがベストでしょうか。(見頃だとちょっと変?)

いかがですか?
それぞれ目的を持った今回のリニューアル、追加色はなかなかイイ感じではないでしょうか?
是非皆さんも、サンプル帳を手にする際はご覧下さいね。

ちなみに、この企画をしたのは >>> 大阪店一野君
普段は生地の仕入をしたりとなかなかお客様の前に出ることが多くないので、折角ですから改めてご紹介!!
ご苦労様でした。


さて、閑話休題、話を元に戻しまして・・・

そしてKさんのご注文では裏地の色で悩むKさんへご提案として、こんなご提案をしました。

・表地が...ミディアムグレー(水色のストライプ)
・ステッチは...ストライプに近いのブルー
・ボタンホールは...ストライプに近いブルー

というご希望でしたからご提案は....    
裏地
>>> リニューアルした裏地水色の裏地(Z525-1F)
色目もストライプにバッチリ出丁度良いです!
でも、これだけではちょっと若すぎるイメージなので(Kさんは30過ぎ)

袖裏・脇当て・内ポケット玉縁
>>> こちらを濃色のストライプ柄で引き締める

・・・というような事をご提案し、Kさんもこれを採りあげて下さいました。

こうすることで、水色一辺倒だったスーツの裏側に黒を使ったシャープさが引き立ってきます。
そして、これをそっくりKさんがお採り上げ下さったのですが、

さてさて ボタンホールに、ステッチに、裏地にそれぞれ普通は使わない水色をふんだんに取り入れたKさんのこだわりスーツ。
2つの最新キュプラ裏地を使いながらのお仕立てです。
果たしてどんな感じになるのでしょうか?

次回 仕上がりが楽しみですね。それでは また!