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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!
 〜大阪編〜 初めてのフルオーダー  
夏の便りもちらほらと聞こえ、梅雨明けもいよいよ秒読みになってきましたね。
それにしても今年はことの外 蒸し暑いようで、おまけにスタッフ一同@セールで連日クタクタの嬉しい悲鳴。
そこへ持ってきて吉井工場長を迎えてのフルオーダー受注会が重なり、テンションもイケイケのハイ状態が続いております。

さて、そんなこんなでこの夏最大の繁忙期を迎えた訳ですが、今月はせっかくなのでそのフルオーダー受注会へご応募下さったKさんをご紹介してみたいと思います。

フルオーダー受注会に関する詳細はこちらをご覧いただくとして、まずはKさんから頂いたメールからご紹介いたします。

06.06.28  件名:ご連絡  
 株式会社吉村商会 大阪Shopmaster様  

 いつもH.Pを楽しみにしております。大阪のKと申します。
さて、遅ればせながら今回の大阪店フルオーダー会に参加希望です。(貴社でのオーダーは初めてです。)
今回は秋冬物をお願いしようと思います。
仮縫いの22日、23日はいずれの時間でも訪問は可能ですが、7月8日までに御訪問して生地選びと採寸の日程調整にに苦労しております。(7月中旬までバタバタしております)
もっと早くに気付けば良かったのですが・・・その為下記のようなことは可能でしょうか?

 1. 7月20日までに生地選びと採寸 ・・・ 大阪店にて
 2. 仮縫いは8月1日15:00以降に東京店にて
 3. 品物引取り ・・・ 大阪店にて

 実は弊社東京事務所が神田須田町にあり、貴社東京店に徒歩3分位の所にあります。
8月1日に会議の為出張予定です。
2番の東京店での仮縫いが不可でしたら工場まで足を延ばします。
御連絡お待ちしております。

PS:.パンツのデザインですがウエストアジャスター付きは可能でしょうか?)

ありがとうございます!
なんとしてでも仮縫い付きでオーダーを!との思い溢るるこんなメールを頂きました。
とはいえ、難関が横たわっています。
これを解決しないことにはお受けできません。

ポイントとしてはこの2つ

7月8日までに生地選び及び採寸が可能か?
>>> Kさんのご注文は秋冬物をとのことでした。
この暑い時期に秋冬物〜?
普通のテーラーさんでは季節違いの物はちょっと難しいでしょう。。。
でも当店なら大丈夫。生地屋の部門がありますから一年中生地の在庫がありますので。
ただし、反対のシーズン(今回の話では秋冬物)の物は倉庫に眠っていますから事前に色柄等を伺っておかなければなりません。(行ってすぐ出せ!は無理でっせ。)
採寸の方は私の身体一つですからもちろん問題ナシです。

仮縫い日(7/22・23 or 8/1>東京店?)
>>> ご存じの方も多いと思いますが、先月新着情報を上げた通り大阪店では来る7/22・23に吉井工場長をお招きしてのオーダー会(仮縫い)を行います。
Kさんの場合はこれに間に合わせるか?それとも8/1に東京店で仮縫いか?の二者択一になりそうです。

実際、7/22は予約も結構入っていたので念のため吉井工場長に8/1(火)の東京店での仮縫いは可能か?
確認したところ、本来なら例年閑散期であるこの時期ですが、今年はお陰様で当店からの閑散期オーダーがかなり入っているため、ウィークデイに工場を空けられないとのことでした。

う〜ん、残念・・・こちらの可能性は難しくなりました。

それでは何としてでも7/22・23をメインに日程調整しなければならんの〜。

★☆★ 大阪SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

話は少し飛びますが・・・
大阪店では今回で2回目のフルオーダー受注会ですが、初回の時もそうでしたし、今回ご予約をいただいているのも、Kさん以外は全てイージーオーダーのリピーターの方ばかりでした。
つまり、あらかた体型のクセやお好みなど私のアタマ(?)へ インプットされた状態の方ばかりで、さらにそれらをフルオーダーで突き詰めていこうというのが仕立てパターンです。

このため、ご新規のKさんの場合、仮縫いが入るとはいえ イージーオーダーの新規採寸 → 即フルオーダーの仕上がりとなる訳ですから、最初の採寸をする私の役割は重大です。

心してやらんとな・・・

そして数日後Kさんより7/22の仮縫いに間に合わせるべく近日来店頂けるとの連絡を頂き、その直後ご来店されました。

Kさんのオーダーの内容は・・・というと...
ここ一番の勝負服。
高級感に溢れ、奇を衒わないデザインの中に遊び心を入れる
...というのがテーマで初挑戦されたフルオーダーの内容はこのような感じでした。

生地 ・・・ ゼニア トラベラー グレー地にブルーのストライプ G1217

>>>さすがにこの時期では次の秋冬物はまだ入荷は先になります。
そこで終わった秋冬物の中から、しっかりと織り込まれたこの素材をセレクト頂きました。
3つ釦中掛け

サイドベンツ

左右袖ひとつのみ糸色をブルーに変更

...と、このようにオーソドックスに一味こだわりをプラスしたデザインとなりました。
残すは23日の仮縫いを待つばかり、Kさんよろしくお願い致します。

□□□ イージオーダー 一口メモ □□□

仮縫いはフルオーダーだけのもの?

イージーオーダーでは仮縫いは一般に行っていないと思われますが、この辺どうなんでしょうか?
実際イージーオーダーでもご注文の生地で仮縫いをすることは可能ですが、やはりコストを考えるとそれを行っているお店というのは殆どありません。

では、仮縫いは全くないのでしょうか?

これはないと言えば「ない」ですが、実は「ある」とも言えることです。

皆さん、イージーオーダーのご注文の際画像のような見本服を着せられた経験はありませんか?
ちなみに画像はKさんです!
これは通称ゲージ服とか見本服とか言いますが、これがある意味イージーオーダーでの仮縫いなのです。

つまりお客様の身体に一番近いサイズの正体の見本を使い、ご試着いただくことでお客様毎の体型補正の必要性が見えてきます。
正体だからこそ身体の凸凹(なで肩・怒り肩・前肩・鳩胸etc...)が逆に分かりやすくなります。

一般にイージーオーダーではこうやって仮縫いのような作業をしてお客様の体型を把握しお仕立てに反映させます。

■ 恥ずかしながら私も初体験 ■

...と言う事でKさんには早速念入りな採寸を済ませ、7/23仮縫いでフルオーダーを体験していただく事になりましたが、実は何を隠そう私もフルオーダーは未経験デヘヘッ。。

「馬には乗ってみよ、スーツは。。。」とはあまり聞いた事のない格言ですが、食べた事のない物をおいしいですよと勧めているようで、少々後ろめたい思いをしておりました。

そこで一念発起、今回のフルオーダーで1着作る事になりました!(自慢することか!)
とは言っても、舞台裏を明かせば来阪時の吉井工場長のスケジュールが空かない事がそもそもの原因です。
大阪滞在の間はお客様の仮縫いがひっきりなしで、とても小生が割り込む時間などないのでここまで延びてしまいました。

しかしそうも言ってられないのが私の立場、なんとか吉井さんに無理を言って今回に割り込ませて貰う事になりました。

生地

毛足の長いミルド調素材、super120'S 使用 の優れものです。
先日の棚卸しで倉庫の端で見付け、その質感に惚れ込んだ国産の雄ミリオンテックスのビンテージ物。
『人間がビンテージだから生地もビンテージ』とは口の悪い藤本の弁ですが、例えビンテージでも良い物は良いんです。(力強い!)
デザイン

こちらはいつもの清水スタイルでオーソドックスにしてみました。
・2つボタン  ・センターベント  ・ノータック  
と、いずれも基本中の基本デザイン、それこそ5年はタップリと着れそうなスタイルです。

サイズ

こちらも取り立てて変えないで、従来のイージーとフルオーダーではどう違うかと人体実験してみます。
...と、今回は私自身にとってもうれし恥ずかしの初体験となり、今から仮縫い日が待ち遠しいです。

はてさて どうなりますことやら、この顛末?は次回のお楽しみに!!