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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!
 華燭の典に向けて 
12月になると街はクリスマスムード一色になりますが、皆さんの周りはいかがでしょうか?
今年は都内は何年かぶりに表参道のライトアップが復活するそうですが、これからの時期、外は寒くても暖かい格好をして街を散策するのも楽しいものですね。

さて、そんな人恋しい師走にご登場いただくお客様は、恋人達の季節を通り抜け、次なるは結婚(結納)へ向かって邁進中のOさん(女性)とSさん(男性)のお二人です。

えっ? 何故そこまでお客さまのプライベートから入っていくの?

...とお思いかも知れませんが、実は今回はOさんからSさんへ結納返しの品物としてスーツの贈り物をされたいというご相談から始まったからでした。

さて、どんなご相談だったのでしょうか?

06.10.06 件名:生地サンプル請求
1.サンプル種類 = 紳士秋冬物 紳士春夏物
2.お名前 = O(女性)   3〜5は個人情報のため省略
6.連絡事項 = 結納返しの品としてスーツを検討しておりましたところ、たまたま御社のHPに出会いました。
御社のスーツは熟練の職人さんによる縫製とのことで、贈る側としてその点がとても気になっていたので、非常に安心感を持ちました。
注文させていただく際は仮縫い付きフルオーダーでお願いすることになると思いますので、その際はまた宜しくお願い致します。
7オーダー方法 = 直接採寸希望

☆★☆ 東京SHOPMASTERより一言・・・ ☆★☆

Oさんは結納返しの品としてスーツをご検討されているとのこと、偶然当店を見つけられたとかで有り難い限りです。
しかし、それにしてもインターネットによって色んな事が便利になりましたね。
試しに「結納返し」「スーツ」でYahooを検索してみましたが何店舗か出てきました。

そして、お仕立ての方はフルオーダーですか、本格的ですね。ありがとうございます。
きっと当社のページと三久服装(フルオーダー縫製工場)の両サイトをご覧になられたのでしょう。
それではこちらも私が接客に出て、工場長に仮縫いをしてもらうしかないです!!。

そしてサンプルが到着すると早々に幾つかのご質問を頂きました。
詳細は紙面の関係から割愛しますが、こちらをご案内したり当方からスケジュールのことなどを伺っている中でOさんの並々ならぬ思いを実感いたしました。

それはこんな所からも読みとれました。

06.10.06 件名:ご返信有り難うございます。
オーダースーツのヨシムラ様
お世話になります。Oです。
昨日は早速の返信を有難うございました。
フルオーダーのオプションの件ですが、ご回答で安心致しました。

また、納期についてのお気遣いも有難うございます。
時間的には2ヶ月程余裕がございますので問題ありません。

今回は特別な記念の品なので、とにもかくにも職人の皆様方にじっくり時間をかけて丁寧に作っていただくことが一番重要だと考えております。

サンプル帳ですが、昨日不在通知が入っておりましたので一両日中には受取ることができるかと思います。
それでは、今後ともよろしくお願い致します。

☆★☆ 東京SHOPMASTERより一言・・・ ☆★☆

う〜ん、結納(結納返し)は女性にとっても大切なイベントですからね。
こちらも失礼があってはいけません。
そこで次は ご注文→採寸となるのですが、ここはこちらも万全の体制を...ということで、ご注文はご来店のお客様が多い土曜日(10/14)でしたが、きちんと時間合わせをしてご来店いただくことにいたしました。

そして決まりました詳細は次の通りです。
■ ご注文の概要 ■

生地 伊ゼニア社製トラベラー
>>> ご注文はサンプル外の特別商品となりましたが色柄としては黒地に茶のストライプ
黒地に茶のストライプがとてもお洒落な逸品です。
私個人としては、ベーシックな濃紺無地やグレイ無地などをオススメしたのですが、恋する2人の意見がまとまるととても太刀打ちできませんでした。

基本デザイン 3つボタン中掛け(ハイゴージA)
>>> スーツの表情となる基本デザインは長い期間着れることを前提に、飽きの来ない、トレンドに流されないようなデザインをオススメしました。
その結果は、中掛け3つボタンでゴージ位置はトレンド最先端というよりはやや抑え目にして、数年後ハイゴージトレンドが過ぎ去った後でも着れるような雰囲気にしました。

フルオーダー仕様
>>> 先にご案内の通りですがハンドメイド フルオーダー仕様と言うことで次のオプション全てをお付けしました。
個別型紙作成  仮縫い付き  お台場仕上げ 本切羽 キュプラ裏地 バルカポケット 巻き伏せ衿  手付けのボタンホール etc
     (あと何がありましたっけ?とにかく何でもありです。)

スペアパンツ付き
>>> スペアの方は1着目が仕上がった後お仕立てすると言うことで今回は生地だけ確保することになりました。

そして、無事ご注文と採寸を済ませ仮縫いの準備を進めているとOさんからまたメールが...
06.10.15 件名:先日はお世話様でした。
オーダースーツのヨシムラ  吉村 様
こんばんは。Oです。

先日は大変お世話になりました。
当日は吉村社長直々にご対応いただき、彼共々大変恐縮致しました。
お蔭様で気に入った生地が見つかり、出来上がりが益々楽しみになりました。

そこで、当日一つご確認するのを忘れてしまったので、メールにてご確認させていただきたいのですが、前身頃と後ろ身頃がつながる両肩のところですが、生地がストライプですので、そのストライプの線が前後ぴったりつながるようにしていただきたいのですが、それは可能でしょうか。
生地がストライプですので、前後で線がまちまちにならないようにしたいと考えます。

細かいことを言って申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

☆★☆ 東京SHOPMASTERより一言・・・ ☆★☆

う〜ん、Oさん ますます気合いが入っていますね。
どうやら当社のサイト隅から隅までご覧になられているようです。

でも、下線部はちょっと誤解があるようでしたので念のためこんな風にお返事いたしました。
06.10.16 件名:ご注文有り難うございました。
Oさん
おはようございます。オーダースーツのヨシムラ(吉村@大阪)です。
全国的に秋晴れの好天が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
私の方は今朝から大阪店へ来ておりますが大阪も気持ちよい秋晴れです。

さて
土曜日はお忙しい中お二人揃ってご来店いただき有り難うございました。
また結納返しの品という大役を仰せつかり、重ねてお礼申し上げます。
ご注文の方も無事?仲良く?決まり私共としましてもホッと一安心しております。

さて、お問い合せ頂きました件ですが、

> 前身頃と後ろ身頃がつながる両肩のところですが、
> 生地がストライプですので、そのストライプの線が
> 前後ぴったりつながるようにしていただきたいのですが、それは可能でしょうか。
> 生地がストライプですので、
> 前後で線がまちまちにならないようにしたいと考えます。


...とのことですが、これは技術的に優れていればいるほど実は無理なことでして、お約束することはできません。

と、申しますのは、人間の肩は一般的に若干前方へ出ています。
専門的にこれを私達は「前肩」と言っておりますが、オーダースーツではお客様の前肩状態によってそれぞれ肩線の角度を微妙に調整していきます。
また、生地は縦横それぞれの糸が交差することで出来ていますがその交差をプレスによって微妙にずらしていきます

(添付画像ご参照:画像は仮縫い時の肩線の画像ですが、後ろ身頃にタルミがあります。
実際の本縫いでは、このたるみを活かし肩を前方へ出すように肩線を作っていきます。仕上がり画像と比較してみてください。)


一般にこのことを「いせこみ」と言いますが、これがキチンとしていればいるほど、肩線上でストライプがばっちり合うということはありえない事になります。
(一般の方は調べたことは無いと思いますが、いせこむことで一般には前身頃側のストライプの幅は狭く、後ろ身頃の方が広くなります。)

とは申せ、Oさんのご指摘の点はお客様としては気になるところですから私共としては、バランスを見つつ、一番目立つところで柄を合わせるようにしております。

これでご理解いただけますでしょうか?
以上の点は仮縫いの時工場長から直接聞かれると納得するものもあろうと思いますので仮縫い時にまた説明させてください。

仮縫いは10/28 16時からですね。
私も同席しますので楽しみにしております。
当日はお手数ですが、普段お仕事で使われているYシャツ、ベルト、革靴をご持参ください。(股上・股下や袖丈などお好みの部分を微調整するためです)

以上 長くなりましたがご案内いたしました。

大切なお品物ですので色々とご不安もあろうかと思いますがお気になることはどうぞ何なりとお申し付け下さい。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

オーダースーツのヨシムラ
東京SHOPMASTER 吉村雅隆(只今大阪出張中!)
☆★☆ 東京SHOPMASTERより一言・・・ ☆★☆

本当は柄合わせは仮縫い後の本縫いの時の話ですから仮縫い前の現段階ではあまり関係ないのですが、Oさんも大切な贈り物のことで気が気でないご様子でしたので出張先からこんな風にご案内いたしました。

そして次は一大イベント!仮縫いです!

ここまではどちらかというとOさんが主役でしたがここからはSさん(ご主人になる方)が主役そして私共の方も主役は私から吉井工場長へ主役が移ります。

仮縫いはこんな感じに行われました。横で見ているOさんも真剣です。


実際の仮縫いの時のことをご紹介しますと・・・
正直申し上げるとSさんはあまりこれまでスーツについて関心を持たれない方でした。
どちらかというとスーツは作業着的に考えられていた方でした。

そこで、『このままではOさんからのお気持ちが100%伝わらない』と思い、
工場長からも、既製服とイージーオーダー、イージーオーダーとフルオーダー、それぞれの違いやSさんの体型的な特徴、それに対する対処方法(補正方法)などを積極的にご説明して、こんな風にピンを打ち、仮縫いは1時間掛けてたっぷり行いました。

どんなに美味しい料理でもきちんと説明があるのとないのとではありがた味が違いますからね。
ワインもうんちくがあるとより美味しくなりますよね。

さてさて、
こんな感じに行われた仮縫いは無事終了し、仕上がりまであともう僅かです。
どんな仕上がりになるのでしょうか?
またこんな簡単に結納返しのスーツが仕上がって良い物なのでしょうか?(当店らしく何かオチやサプライズは??)

次回の仕上がり紹介どうぞ楽しみにしていて下さい。