|
|
質問させていただきます
|
今年の冬は暖冬で、1月中頃からちらほら梅の花が咲き始めましたが皆さんいかがお過ごしですか? 梅の花のほんのりした香りは、春の訪れを感じさせますね。 さて、そんな春も間近となった2月のお客様コーナーでは、1月にご注文された栃木県は那須にお住まいのSさんをご紹介したいと思います。 Sさんはとても丁寧な方でメールではいつも恐縮しておりますが、さてさてどんなご注文だったでしょうか? それではSさんから頂いたメールから始まり始まり.... |
|
Sさん、初めまして! 丁寧なメールをありがとうございます。 Sさんは40歳とのことですが、30代後半からのご年齢というのは身体の新陳代謝は鈍くなるし、仕事では管理業務が多くなりついつい運動不足になりが=太りやすい世代ですが、あまり体型が変わるとスーツの方も大変ですね。。。(私も人のこと言えないけれど、、、) ここ1〜2年ファッションのトレンドが従来の100%イタリア物から70%イタリア物 30%英国物に人気のバランスが変わってきて英国人気が復活気味です。 そうなると英国的伝統柄グレンチェックなどは注目されますよね... でも、トレンドがこうなる!とはなかなか予測が難しいもの。 実は英国ブランドでグレンチェックが品切れてしまい、やむなくこんなお返事をいたしました。 |
|
は〜っ、生地屋としてすぐドンピシャの物をご提供できないのは少々辛いところです。
でも、正直に↑のようにお伝えしました。 すると...早速Sさんからもこんなお返事が・・・。 |
|
Sさん、グレンチェックといってみたものの、、、最近流行ではない、とちょっと自信をなくしかけているのでしょうか? グレンチェック柄は別名プリンスオブウエールズとも言われ、本来はあまり流行に左右される物ではありません。 むしろ昨今紺ブレが流行ってますと、そのボトムとしてグレンチェックはとても合わせ易いですし便利な柄ですよ〜。 そして |
||
『40歳になったのでビシッとしたスーツを着たい』
|
||
ですって?!、良いですね、このフレーズ!40歳近くになればそこそこ部下も付くようになりますからそのお気持ち良く分かります!!是非良いスーツを作りましょう!! そこでまたこんなお返事を。 |
|
よし。これで事前準備はOKだな。 でも、ご来店の際には英国銘柄という切り口で行くか?それともグレンチェックという柄を切り口にするか意外と微妙かも知れませんね。 では、どちらでも対応できるよう両方の準備をしておこう! グレンチェックは、ロロピアーナしかないけれど、 英国銘柄ならTaylor&Lodgeを筆頭に、DUNHILL、SCABAL、John Foster、Arthur Harrisonなどなど う〜ん、英国ブランドのタグをこうして並べると当社の英国銘柄も随分増えたな... それにしても、英国ブランドってどうしてタグが黒ばかりなんだろ?こういったところもイタリア物と比べると色気がないですね。 |
||
さて こうして事前準備も済ませ、1/13(土)にSさんはお越しになられました。 イタリア物のグレンチェックか? 英国銘柄か? さてどちら?...と色々ご相談させていただき最終的にはこんなご注文になりました。 |
■ ご注文の内容は・・・ ■ | |||
◇ 生地は・・・ ◇ 英>テーラーロッジ製 黒地に赤とグレイのオルタネイトストライプ柄 >>> 予想通りSさんはグレンチェックと英国銘柄でお悩みになられた結果、、カチッとした仕上がりの英国銘柄に軍配が上がりました。 英国ブランドの中でも特にテーラーロッジはしっかり糸を打ち込んであり、仕上がりは最初は堅さが残るものの、着慣れていく内に革靴のように身体にぴったりフィットしていくところが最大の長所といった銘柄です。 |
|||
|
|||
◇ デザインは・・・ ◇ ゴージ位置高めの2つボタンスーツ、3ピース(ベスト付) >>> ゴージ位置をやや高くした2つボタンスーツ。 3つボタンから2つボタンにVゾーンが下がることで、3ピースとして合わせるとベストの見え具合が変わってきます。 Sさんはベストがドンと見えるようなシルエットがお好みと言うことでベストのVゾーンを少し上げたデザインにしました。 また、上着の方も腰ポケットにハッキングを掛け、英国調を強調し、本バス毛芯こそ使いませんでしたがやや堅めの毛芯を使いカチッとならぬ、ガチッと仕上げるようご依頼いただきました。 ◇ 体型補正 ◇ なで肩・前肩・ゴージカット等々 >>> ご体型的なところは、Sさんはご身長もありますし、太った痩せたの話をご相談段階で伺っていましたが、実際お会いするとなかなかスーツが似合う胸板の厚いタイプのご体型でいくつか体型補正は入れましたが、特別問題はありませんでした。 |
ご注文内容(仕様書)に直すと意外なまでにもシンプルなご注文ですが、さてさて仕上がりはどんな風になるのでしょうか?
カチッとした英国調の生地というのにスポットライトを当てた今回のご注文、こちらも仕上がりが楽しみです。 次回仕上がりをどうぞお楽しみに・・・ |
□ おまけの話・・・ □ | |||||||
ご注文の際、色々とSさんとお話ししていたのですが、その中で一つビックリしたことが!! それは、現在栃木の某有名企業にお勤めのSさんですが、ご実家が何と!生地屋さんだったこと。 |
|||||||
『えっ、当社とご同業ですか〜!?!』
|
|||||||
聞けばSさんのご実家は日暮里にあり、婦人服地を取り扱っている生地屋さんだそうです。 ご存じの方は少ないと思いますので少し補足しますと、東京の生地屋(問屋)はこんな分布になっています。 〜 東京の主な繊維問屋街 〜
つまり当社は神田エリアですが、Sさんのご実家は日暮里エリアなのです。 とはいえ、当社も婦人物の生地も数多く扱っていますから、ある部分ではコンペティターかも知れませんね。 でも、Sさんはお継ぎになられないとのことで、それはそれで残念ですが、いずれにしても生地屋ならではの会話が弾みとても楽しい接客でした。 う〜ん、仕上がりは家業が生地屋のSさんだけに見る目はシビアそうです。 ...ということで、それではまた! |