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〜大阪編〜 「オーセンティック」なアイビースーツ
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アッという間に1月も終わり、節分の豆まきも滞りなく過ぎますと、いよいよ立春、春を迎えます。 そうなりますと.... 当社では春夏物サンプル帳なんですが、これが只今担当の一野君はじめ各スタッフが頑張って鋭意制作中です。 スイマセンが(汗”)今暫くお待ち頂きますよう宜しくお願い致します。 また、先日秋冬の@セールも無事終了致しました。 ご利用のお客様ありがとうございました。 こちらも只今工場にて懸命に縫製中で、追って続々と仕上がって来るかと思います。 仕上がりまで今暫く、こちらも楽しみにお待ちください。 ...と言うところで、今回ご紹介するお客さまは@セールをご利用頂いたお客さまの中から、印象的なスーツをご注文頂いたEさんのスーツをご紹介したいと思います。 題して「オーセンティック」なアイビースーツ、...はてさてどこがオーセンティックなんでしょうか? |
■「オーセンティック」ってなに?■ | |||
まず語源を先にご紹介しますと、
スーツに用いられる場合は、元々あるスタイルを基本にできるだけ忠実に踏襲したスーツを総称してそう呼ばれます。 実際にはオーセンティッククラシコとか、オーセンティックトラッドという風に使用します。 そこで今回のEさんの場合はオーセンティックアイビーという訳です。 |
■アイビースタイルってなに?■ | |||||||||||||||||||||||||
具体的なディティールやポイントをご紹介しますと、以下のようになります。
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オーセンティック アイビーのサイジングの特徴は、上着丈、パンツ丈ともやや短めで、かつ上着はゆったりしたところ。 またパンツはピッタリ目といったところでしょうか。
IVYの王道の素材や色柄は、無地かピンヘッド柄の紺地かグレー地で、ベーシックに目立たないが基本です。 ジャケパンスタイルもこれならOKです。
最も大きなポイントはフロントのダーツ無しです。 腰ポケットの上にタテに入っているシームライン、それがダーツで、その役割は左右の布をつまんで織り込む、つまりそこで絞り込むところにあります。 つまりダーツを入れることによりウエストのラインにシェイプを入れ、服に立体感を加え、シルエットを強調するのです。 近年流行のクラシコイタリアなどはこのダーツでの絞りを強調した物も多く、反面アイビールックにダーツがないと言うことは、ウエストラインをあまり絞りこまず、平面的にズン胴ルックに見えるところがアイビールックの一番の見た目のポイントです。 まぁ、これは身体付きが良く合理主義者のアメリカ人がシルエットよりも着やすさを優先したために生まれたスタイルなのかも知れませんね。 ダーツ...こんな縫い目1本でスタイルが左右されるのも面白いものですね。 右の画像で黄色の点々を付けたところがダーツです。 今回ご紹介するEさんは、団塊の世代ほどには年齢は高くないのですが、VANに馴染んだ最後の世代でしょうか。 その影響か、「あのスタイルが印象に強くて」と似たようなスタイルを探される内に当社のサイトに辿り着いた訳です。 「時代の流れに左右されないオーセンティックなスタイルに何故か惹かれます」とおっしゃるのですが、「息子は残念ながら、DNAは受け継がずで」と苦笑される 親子二代でご愛用頂いているEさんです。 それではEさんから頂いたメールからご覧下さい。 |
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前日にもご来店頂き、その際私が着ていました三つ揃いのベストのボタン位置がEさんの理想に近いらしく、今回はその高さでと、ご指定頂きました。 ちなみにこれがその際着ていた三つ揃いのVゾーン画像です。 ベストの見え方は画像のように首元のネックポイントから第一ボタンの位置までを図り決めます。 私のベストのボタン位置は結構高め、つまりVゾーンが狭くなるように設定しています。 ただこちらはジャケットの釦位置とも密接に連動しますので、併せて検討される事をお勧めします。 Vゾーンを狭くするか、広くとるかは全体のスタイリングにも影響を与えますので、採寸の際にはそのあたりもご相談下さい。 |
メールにありますように、Eさんには以前も何回もお仕立て頂いていまして、その都度これがアイビールックの王道!とご紹介させて頂きたいと思っていたのですが、タイミングが合わずようやく念願叶って今回のご紹介に至りました。 近頃はウエストシェイプの流れが急激に加速しつつあり、アイビールックのようなルーズフィットスタイルは影を潜めています。 ただ、仕上り画像を見て頂ければ、あの当時は私も着ていたなあとノスタルジーをかき立てられる方も多いと思います。 アイビールックはあまりWEBにも取り上げられる事も少ないので、ここは世代の代表としてぜひ紹介したいと思いますので、皆さん楽しみにお待ちください。 <アイビールックあれこれ> アイビールック、団塊の世代前後の方には特に懐かしい響きですね。 今から40年前、VANの創設者石津謙介さんが巻き起こしたブームのひとつで、アメリカ東海岸のアイビーリーグの学生の普段のファッションを日本へ紹介しました。 カジュアルという定義が無かった時代に、ボタンダウンのストライプのシャツにコットンパンツ、足元はスニーカーと、当時のヤングにアメリカへの憧れと相まって熱狂的な支持を受けました。 ただ、本家のアイビーリーグでは所詮学生相手の安いアイテムだったのが、日本へ来ると高価なファッションと化したのもご愛敬です。 また、三ツ文字ブランドと呼ばれ、VANを筆頭にJUNやACE、TACにJESなどと次々と若者をターゲットとするブランドが生まれたのも懐かしい思い出です。 当時はメンズの世界ではファッションなどという定義にはとんと縁がなく、言葉ひとつとってもスーツは背広上下で、ジャケットは替え上着の時代でした。 文字通り日本のメンズファッションの先駆けとも言えるのが今回ご紹介したアイビールックといっても過言ではないでしょう。 |