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幻の英国スーツ
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梅雨入りも間近に控えジメジメとした天候が続きますね。 それに加えて連日、真夏並の暑い天候が続き身体に堪えますがこれから秋までがビジネスマンにとっては非常に憂鬱な季節です。 そんな憂鬱な気分を払拭するためにもせめて着る物ぐらいはバシッと決めたいものです。 さて、 今回は今まで愛用してきたブランドが日本で展開されなくなったということで同じような物を何とか当社で仕立てることが出来ないかいうご相談を頂きましたのでその方をご紹介したいと思います。 ご相談いただいたTさんは当社HPをご覧頂き当社なら何とかなるのでは?とお考えになられた様でサンプル帳をご請求いただいたのですがその際に連絡事項覧で。 |
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...とのコメントを頂いたのが最初のご相談でした。 HACKETTというと正統的な英国らしいブランドですね。 そう言えば最近名前を聞かないなと思ってはいましたが、その辺の事情に詳しい司茂氏に話を聞くと日本でHACKETTの代理店をしていた会社が代理店の契約更新をしなかったとのことで扱う会社が無くなり日本では購入出来なくなってしまったとのことでした。 もちろん、HACKETT自体は存続しており英国では購入出来るのですがその様な理由で日本で購入出来なくなった為、当社にご連絡いただいたという訳です。 もう手に入らないとなれば欲しくなるのが人間です。 好きな物なら尚更です。 そこで当社の門を叩かれたのであればお断りする訳にはいかないということでその際にメールを担当しましたショップマスターより次の様にお返事いたしました。 |
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そして、それから数日後Tさんには忙しい中ご来店いただいたのですが、当日はもちろんHACKETTをご着用、その上HACKETTの別のスーツをご持参頂くという、HACKETTずくめでお越し頂きました。 それでは、ここでHACKETTの画像を交えながら仕様の特徴をご紹介しましょう。 ジャケットはシンプルなデザインですが私個人的にはパンツに特徴が多く見られると思います |
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実はお借りしたHACKETTのスーツを不覚にもカメラに収めるのを失念してしまった為、司茂氏にお願いして愛用のHACKETT2着を持ってきて貰いました。司茂さん、助かりました!! |
・低いゴージライン >>>当社でいうハイゴージA位の角度ですね。 ガッチリとした体型の方には特にお似合いになるゴージです。 |
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・標準のボタン位置 >>>現在のトレンドから見ても昔のスーツとは思えない自然なボタン位置ですね。 それだけに飽きの来ないデザインです。 こちらもガッチリした方にはばっちりのデザインです。 最近はボタン位置も標準値に落ちつきつつありますから要チェックです。 |
・センターベント >>>HACKETTの特徴としてセンターベントが挙げられます。 こちらもファンにはこだわりのポイントですね。 ・AMFステッチなし >>>英国ということでよりフォーマルに近い仕様ですね。 |
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・インタック >>>こちらもHACKETTの特徴なのですがよりドレス度の高いインタックを採用しています。 |
・ベルトループ無し、左右尾錠付 >>>これも大きな特徴です。 ループ無しで左右に尾錠付ですがすっきりとして格好良いですね。 また、帯内側にはサスペンダー釦が付いています。 |
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・ピスポケット:左は無し >>>ピスポケットは右のみで片玉仕様です。 左は無いのですがすっきりしていてヒップのラインが綺麗に出ますね。 |
・持ち出し使用前カン止め >>>フロントは持ち出しのカン止め仕様です。 あくまでもシンプルさにこだわった仕様ですね。 ・ボタンフロント >>>今回、司茂氏のスーツはファスナーだったのですがボタンフロントもHACKETTの特徴だそうです。 Tさんにお借りした物もボタンフロントでした。 因みに司茂氏の所有するHACKETTもこれ以外はボタンフライだそうです。 以上をHACKETTの仕様の特徴としてご紹介させていただきましたがいずれの仕様も当社で可能なものばかりでしたので正直、ホッとしました。 シルエットの特徴は英国のブランドらしく肩幅をしっかり取り、かつ肩パッドもしっかりした物が入っています。 ウエストラインにメリハリを利かせながらも適度にゆとりを入れたスタイルです。 司茂氏曰くこのシルエットが英国ファンにはたまらないのだそうです。 それゆえにファンも多いのでしょうね。 生地は色々とご検討いただいた結果、当社オリジナルの G6042 濃紺無地に決定しました。 先日サービス企画でも登場したこの生地はコストパフォーマンスに優れ非常に扱いやすい生地です。 オーダー初挑戦にはもってこいの生地ですね。 |
あとは採寸ですが、ある程度近い物を作るだけでしたらお借りしたスーツのサイズを測りそのままお仕立てすれば良いのですが、 折角のオーダーメイドですし、わざわざご来店頂きましたのでそれではスーツ屋としてのプライドが許しません。 また元々は吊しの商品ということもあり、細かく見ていけばご体型に合っていない部分もあるため、お借りしたスーツからそのまま型抜きをするのは止めました。 そして、ご体型的にはTさんはガッチリ型で、英国のスーツが似合う体型ではありますが、 普段から自転車などで鍛えている為か、通常より胸の筋肉が発達しているため、その辺を加味して採寸いたしました。 反面、ポケット位置などはTさんのこだわりの部分でもありますので工場にお預かりしたスーツを送り同じ位置に配置するよう指示いたしました。 さて、どの様に仕上がってくるのでしょうか? それは次回のお楽しみとして今回Tさんにご注文頂いた内容を再度おさらいしてみます。 |
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以上に決定しました。 入手が難しくなったHACKETTを模したスーツ、仕上がりが楽しみですね。 Tさん、どうぞ楽しみにお待ち下さい!! それでは今回はこの辺りで失礼いたします。 次回をお楽しみに〜!! |
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(執筆:山橋)
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