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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 一番遠くのお客さま
7月に入りようやく梅雨めいた日が多くなりましたが皆さんお住まいの所はいかがですか?

インターネットで全国規模でご注文をお受けしておりますと、梅雨の明けた沖縄や梅雨が来ない>北海道の方からもメールでやり取りすることがありますが、今回は梅雨とはまるでご縁のない所にお住まいの方からご注文を頂きましたので、そのお客様をご紹介したいと思います。

梅雨がないって・・・?
そりゃ、北海道だろう。(簡単だ・・・)

いえいえ、そんな近くではございません
当サイトでは以前ドイツにお住まいのYさんを紹介したことがありますが、その時はYさんが最遠地でしたが、今は違います。(ちなみにYさんはその後無事に年季奉公を終えご帰国されました。)

ヒントは、、、そうですね、これから真冬に向かうところにお住まいかな?
そうです、、、南半球です。

ヒントその2はダイヤモンド? ケープタウン? 喜望峰

そうなんです!
ただ今当店のお客様で一番遠いお客様は何とアフリカ大陸の最南端 南アフリカにお住まいのSさんです!(南アフリカについては外務省のこちらをご参照

そこで今回は、かの地で頑張るSさんのご注文をご紹介します。
Sさんは大手商社マンとして3年ほど前から南アで頑張ってらっしゃる方でちょうど赴任前にご注文頂いていましたから、ご注文の採寸面では問題ない方でした。

やり取りはちょうど3ヶ月前こんなメールを頂くことから始まります。

07.03.30 件名:Re:お問い合せ有り難うございました。
吉村さん
南アフリカの事業会社に駐在中のSです。
春夏物のゼニアの生地の写真を送付頂けますでしょうか?
濃紺にストライプの春夏スーツを作りたいと思っています。
8月上旬に一時帰国予定ゆえ、それに間に合うように注文したいと考えています。(南ア在住 S)

東京SHOPMASTERより一言 ・ ・・

Sさん、暫く振りでした。
件名から見ると、丁度1年前に私が出したメールにレスを付ける形で頂いたようで、ありがとうございます。(*^_^*)(メールよく残っていましたね...)

早速、Sさんに春夏生地をオススメすべく生地サンプルをお送りしたいのですが・・・
いかんせん、無料貸出のサンプル帳は原則国内限りですので...Sさんのような方には留守宅経由でお送りするか、お好みを伺い画像を貼付してご判断頂くしかありません。

でも、画像で送るのも取り扱い生地が多すぎて、全ての生地画像をデジタルで管理していないだけにその都度スキャンやデジカメの作業をすのも結構大変。(取扱商品が多すぎるんです...)
...とはいえ、海外にお住まいのお客様は地元テーラーで仕立てるには風俗・習慣意志疎通の面からなかなか思い通りに出来ず、オーダーを躊躇することが多いと聞いておりますから、孤軍奮闘するジャパニーズビジネスマンを応援する為にもここは私達が一肌脱がねばなりませんね。

そこでこんなメールと画像でご案内いたしました。

07.03.31夜 件名:画像貼付します。
Sさん
 こんにちは、オーダースーツのヨシムラ(吉村)です。
日本では3月初旬というのに春の陽気で、花粉症の人にとっては辛い日々が続きますが南アの方はいかがでしょうか?
暫くご無沙汰しておりました。

昨夜はゼニアの生地についてお問い合せを有り難うございました。
今日はご来店の多い土曜日ということもあり日中PCをする間がなくお返事がすっかり遅くなってしまいましたが今シーズン取り扱うゼニアの生地画像を撮りましたので添付いたします。
それぞれシリーズ、品番が分かるようにファイル名をしましたのでご参照下さい。

例えば、「tro-g6170-g71-73」というファイル名はゼニアのトロピカルのシリーズで画像上からG6170、G6171、G6173 という意です。
そして生地の詳細をコメントしますと次の通りです。

G6170
トロピカルのシリーズはゼニアの中でも夏向けに織った素材で、サラッとした感触が特徴です。
その中でG6170はベージュをベースに水色とライムグリーンのストライプです。
G6171
黒地にハッキリしたストライプを配した柄です。
G6172 色違いの紺地にハッキリストライプです。下地はやや明るめの紺です。


G6174
画像が3つありますが、サンプル外商品のため品番を付けていません。
ウインドペーン柄で、上からネイビー、ブラウン、ベージュです。


G6176
トロピカル。濃紺地にブルーとグレイの二重ストライプ。
ストライプの感覚はそれぞれが10ミリ位ですので事実上5ミリ間隔のストライプです。
G6177 ベージュ時に薄いブルーと薄ベージュの2重ストライプ。
それぞれの色は約15ミリ間隔ぐらいです。
G6178 こちらは濃グレイ地に同様のストライプ
G6179 濃紺地に2.5センチ間隔位のストライプが2種入っていますので13ミリぐらいのストライプ間隔に見えます。


G6180
SHANGと書いたファイルの画像はシルクを10%混紡した光沢感のあるシリーズを言います。
シルクが入っているためとてもドレッシーなのが特徴ですがトロピカルと比べるとやや生地がしっかりしているためトロピカルよりは熱いと思います。
そして6180はベージュ時に7ミリ間隔位のストライプ
G6191 こちらもベージュ〜ブラウンの間ぐらいの色目の下地にストライプ
ストライプの間隔は25ミリ位が2種ですから半分の13ミリぐらいです。
G6192 こちらはSOLTEXの濃紺無地
G6193 こちらは色違いの黒無地


G6186
HERITAGEのシリーズはザックリと織った通気性の良いシリーズややノスタルジックな雰囲気です。
その中でG6186はやや明るめのネイビーに25ミリ間隔位のストライプです。プ
G6187 G6201の色違いやや明るめのブルー地にオレンジのストライプ一般受けはしませんがおしゃれな人には好まれる色です。
G6188 グレイ地に13ミリぐらい間隔のストライプ一番シンプルな柄です。
G6189 6188の色違いの濃紺、こちらもシンプルで流行に左右されない柄です。?
G6190 こちらはHERITAGEのファイル名は付いていますが実はSOLTEXのシリーズです。ブルーグレイ地に25ミリ間隔位のストライプが2種入っています。


G9201
唯一9000番台の商品ですが、こちらはその下のG6191の色違い。グリーン地にオレンジのストライプです。
シリーズはSOLTEXというトロピカル以上にサラッとした触感が売りの盛夏向け商品です。
G6187 こちらは20ミリ間隔位のストライプが2種で、実質10ミリ間隔位のストライプ。とてもベーシックな雰囲気です。
G6188 グレイ地に13ミリぐらい間隔のストライプ一番シンプルな柄です。
G6189 6188の色違いの濃紺、こちらもシンプルで流行に左右されない柄です。?
G6190 こちらはHERITAGEのファイル名は付いていますが実はSOLTEXのシリーズです。ブルーグレイ地に25ミリ間隔位のストライプが2種入っています。


以上です。
画像を小さくしたため分かりにくいかも知れませんがどうぞ宜しくお願いいたします。

オーダースーツのヨシムラ  東京SHOPMASTER 吉 村 雅 隆

東京SHOPMASTERより一言 ・ ・・

ふ〜っ、、、
デジカメは便利とは言いつつも、これだけの数となると結構厄介です。
光の当たり方加減では随分生地の色目は変わりますからね...

でも、南アフリカまでサンプルを送れないのはお店の都合だし、何より不便さを押して当店へご相談いただいたSさんの気持ちに応えなくてはいけませんからね。

そしてSさんからは8月の一時帰国の際にPick Upできれば大丈夫とのことで、暫くじっくり検討いただくことになりました。

〜〜〜 それから3ヶ月 〜〜〜
待つこと3ヶ月ようやく6月下旬になりSさんからこんなメールが舞い込みました。

07.06.25 件名:Re:画像貼付します。
吉村さん
3月に送付頂いたゼニアの生地の写真を拝見し、トロピカルG6179にてスーツを1着注文致したく。
ボタンは2ボタンで、裏地はキュプラでお願いします。
キュプラの色についてはお勧めの色をいくつか写真と共に送付頂きたく。
デザイン面で他に何かアドバイスがあればお願いします。
7月末に2週間ほど帰国するのでその際に自宅よりピックアップし南アフリカに持ち帰るつもりです。(南アフリカ共和国 S) )

ふ〜っ、待つこと3ヶ月、ようやくお返事が・・・
私もそろそろ催促しようかな?と思っていたところでした。

よしよし、Sさん生地を決められたか・・・画像の中の一番下の物ですね。
濃紺地に鮮やかなブルーの2重ストライプ。
仕上がりはシャープな感じになりますよ。

次は裏地か・・・

う〜ん、サンプル帳がないとホント不便ですね...(他店では一体どうしてるんだろう?)

そこで、またまた画像付きでメールをお送りしました。
裏地は特に光の当たり方加減で光沢感や微妙な色目が玉虫色に変わりますからフラッシュを焚いたり、フラッシュなしにしたりと色々試行錯誤しなくてはいけません。

07.06.25 件名:ご無沙汰しておりました。
Sさん
こんにちは、オーダースーツのヨシムラ(吉村)です。
日本では今年は空梅雨なのかなかなか雨の降らない梅雨となっておりますがそちらの方はいかがでしょうか?
季節もすっかり変わってしまいましたね。

先程はご連絡を有り難うございました。
生地の方はゼニアのG6179(濃紺地に2色のブルーストライプ柄)とのことありがとうございます。

デザイン的には今回は2つボタンとのことですのでそれでは少し今風のゴージラインを高めにした衿巾の気持ち細いスッキリしたデザインが良いかと思いますがいかがでしょうか?

出来上がりの参考画像としてはこんな感じです。

ただし、Sさんは胸回りがありますので、実際にはもう少し衿巾を太くして前回のご注文3つボタン位の衿巾にしたいと思います。
(通常3Bから2Bになり、Vゾーンが広がると衿巾は太くしますがそれをしないで従来通りの衿巾ぐらいをオススメしています。)

また裏地の方は似合う色を、、、とのこと、かしこまりました。
画像を貼付いたしましたので参照下さい。
前回のようにファイル名毎にご案内しますと次の通りです。

左が以前冬物のゼニアで使ったことのあるブルー(Z494-4)です。
一方、右はこれよりも少し水色がかった薄手の
Z530-ブルーです。
こちらの方は多少透けますので、芯地やポケットの袋地などが少し透けて見えてしまうかも知れません。ただし涼しさは一番です。

左はシルバーグレイ(Z494-5)、ちょっと変わっていますがシルバーグレイはフォーマル感のある色目ですので大抵の色に合います。
右は、再掲になりますが(Z494-4)lining-1の左側の裏地と同じです。

この2つは従来の裏地より少し耐久性があるというか、肉があるキュプラです。
左はZ530-F09(ブルー)色目はZ494-4より少し明るいです。

一方、右はZ530-F08(グリーン)です。
一寸変わった色をお求めでしたらこちらも良いかも知れません。

以上がオススメの裏地ですがいかがでしょうか?
ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

オーダースーツのヨシムラ  東京SHOPMASTER 吉 村 雅 隆

その後Sさんからご提案した衿巾を気持ち細めた今風の2つボタンスーツで、裏地はやや明るめのブルーで、とご指示を頂き、ご注文完了となりました。

そして、これとは別件でSさんと世間話(メール)をしていて、その中で『何か南アフリカの画像を頂けませんか?』とおねだりしたところ、本稿トップの岬の画像と、こんな画像を頂きました。
ここでちょっと裏地の色目に戻ってみましょう。Sさんご注文の裏地、画像の左側の明るいブルー
どことなく、南アフリカ海の色に似てますね...
Sさんがこの裏地を選んだ訳も分かったような気がします。

この光景に見劣りしないスーツをお仕立てしたいと思うと共に、遙か遠いアフリカの地で頑張るSさんをスーツという形で心から応援したくなった吉村でした。

Sさん、8月の一時帰国でお会いできることを楽しみにしております!!