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ジャケット&パンツのコーディネート |
11月に入り気温の低下と共に暖かい冬服が活躍するようになりましたが皆さんこの冬はどんなスタイルでお過ごしでしょうか?
最近の特徴としては、クールビズ、ウォームビズの流れや雑誌LEONなどに代表されるようにメンズファッションその物が注目されるようになりましたから皆さんONにOFFにどんな服装をするかで結構頭を悩ませているのではないでしょうか? 特にLEONなどが提唱する「ちょい悪オヤジ」は、従来でしたら子育てに奔走し住宅ローンを抱え、お洒落とは縁遠くなる世代の皆さんの変化ですから、これまで無頓着だった方には少し研究する必要が生まれてきているのかも知れませんね。 会社でカジュアルフライデーなどでジャケット&パンツ姿が許されるようになったら・・・ 休日に妻と銀座に出掛けようなんて思ったとき・・・ 皆さん、どんな格好をされますか? えっ?、ゴルフ用のセーター、パンツで代用? んんんっ、もうちょっと気を遣ってみましょう。 ・・・ということで、今月はジャケパン姿のコーディネートについてトレンドを交えながらご紹介したいと思います。 登場頂くお客様はMさん。 ご年齢は50代半ば位で、よく奥様主導の元?ご来店いただくお客様です。 (ですから、ご注文の基本路線は奥様と私でコーディネートを考えました。) それではどんなご注文だったのでしょうか? こちらをご紹介する前に、、、先にトレンドについてご説明していきましょう。 もちろん、トレンドというのはお客様のご年齢やご本人のお考え等に応じてその受け止め方は大きく変わりますが、私共は仕事上こういったトレンドには人一倍アンテナを張っていますからまずはそちらのご案内から。 |
■ トレンドはどこで生まれる? ■ | |
トレンドというのは皆さんにとっては街で目にする色柄などでそれを感じると思いますが、私共の業界では(今回はメンズ中心にお話ししますが)ミラノコレクション※1やピッティ・ウォモ※2、プルミエールヴィジョン※3などで作られます。
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そして、 |
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となる訳です。
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そして、当店はこういった見本市には残念ながら訪問できませんが、業界内情報などからいち早くトレンドを感知し、そして、この情報は概して国内のトレンドから外れることもあるため、4.の展示会などへも参加し、トレンドのきっかけ(ピッティウォモなど)が本当のトレンドになるか吟味した上で、皆さんに情報提供したり、店頭でご提案したりする訳です。 (実際、先日オンワード樫山の展示会に参加しましたがライトグレイなどトレンドカラー 一色でした!美川憲一も何故か来ていた!) |
■ それでは次のトレンドは? ■ | ||
トレンドを断定的に言うことは神様しかできませんから将来的に本稿が間違っていたとしても責任は負えませんが、今(2007年11月時点)で言われている2008年春夏、秋冬で言われていることはこんな感じです。
(正確には春夏、秋冬で明確にトレンドは分かれますが、今回は紙面の関係上ひとまとめにして、またスーツ関係に限って説明します。また多分に当社ならではの主観が入ります。) □ トレンドカラー □ 〜 引き続きライトグレイ 〜 >>> 2007年春夏に本格的に人気が出たライトグレイの色目は引き続き2008年も継続。(秋冬は少しミディアムグレイぐらいか?) 実際の販売ベースでは、従来、紺・黒・グレイが販売の中心だった色柄も紺・濃グレイ・淡グレイといった色合わせが多くなる。 〜 次の色目としてのベージュ・ブラウン 〜 >>> ライトグレイの次に来るトレンドカラーはベージュ・ブラウン。 ファッション誌などトレンドに敏感な所では2007年春夏よりグレイとベージュの中間色を『グレイジュ』と称して紹介しているように、これが次の色目になると思われる。 長らく濃色人気でしたが、濃い色に目が慣れた人達にはベージュなどの淡色が素敵に見えるのです。 □ トレンド柄(素材) □ 〜 クラシック柄回帰 〜 >>> 2007年からの傾向として英国調のクラシックな柄(例えばハウンズツース(千鳥格子)、グレンチェック)などが要注目。 〜 シャドーストライプなども堅調 〜 >>> 一方で若い人を中心に(前述と矛盾しますが)黒地に光沢感のあるシャドーストライプやシャイニー素材(光沢感のある素材。例:シルクやモヘヤ等)は引き続き人気(ただしややトレンドとしては終盤に)。 〜 しかしその先にはマリーンファッション 〜 >>> 一足先のトレンドとしてはマリーンファッション。 スーツ系にはあまり関係ありませんが、2008年はオリンピックイヤー → 常勝アメリカが注目 → アメリカントラッド人気復活、という流れで60年代のマリーンファッションが要注目となります。 そして、この流れは紺ブレへと続き、ホワイトパンツや↑トレンドカラーのベージュと組み合わせたジャケ&パン姿が注目されます。 また、紺ブレ+白パンは誰でも想像できることですが、その上級コーディネートとして白(ベージュ)ジャケット+紺パンツなどが組み合わせとして出てくるでしょう。 ...とまぁ〜、この辺をファッショントレンドの大きな流れとして意識されると良いかと思います。 |
■ Mさんのご注文は・・・ ■ | |
いやいや、前置きがいつになく長くなってしまってスミマセン、、、ようやくMさんのご注文のご紹介です。
Mさんは先に申し上げましたように奥様主導の元、ご注文の1週間前に奥様がお忍びで?ご来店され、私にご相談。 『主人もそろそろ定年を意識する年齢になったんだけど、その先のこと(つまりスーツは不要になるということ)を考えてジャケットパンツを買いたいんだけどどんなのが良い?』 「そうですね、、、ジャケットパンツでしたら着回しと多少のトレンド感を取り入れて考えてみてはいかがでしょうか? トレンドとしては・・・かくかくじかじかで、、、ベージュをベースに考えてみましょう。」 『そうねぇ、ゴルフパンツだけじゃダメだしね。私だけ買ったのがバレたら怒られちゃうし、じゃぁ、来週主人を連れてくるワ!』 (この日は奥様のご注文だけでしたがどうやら自分だけ洋服を買ってという罪滅ぼしの意もあるようでした。) 「ありがとうございます。」 〜そして1週間後、いよいよご主人がご来店。〜 ...と、いいましてもMさんの場合、奥様のセンスが良いこともあり、基本的にはご主人には「追認」頂く形で話が進みました。(←皆さんのご自宅でも意外とこんなこと多くありません?) |
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そして、お薦めしたのはこんな素材
・生地は英ドーメル社製 ・色柄はベージュ地の細かい織り柄が入った物 ・デザインは・・・ >>> 一番重要なのはスーツの上着を単品で使っていると思われないようにすること。 そこでこんな小技を利かせました。 ・衿周りはミシンステッチでカジュアル感を >>> この辺はアメリカントラッドを意識して。 ・腰ポケットはアウトポケットに >>> アウトポケットになることで「スーツの上だけ」という感覚が消えます。 ・着丈は短めに軽快感を。 >>> この辺はマリンルックの紺ブレを意識して。 ・ダボッと着るのは昔のジャケット!少しタイト目に。 >>> 今風のジャケットは昔よりタイト目です。 ...こんな感じです。 ※:画像は先日オープンした大丸東京店で撮影したもの。雰囲気が近いので参考まで掲載しました。 |
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そしてボトムは2本ご注文と言うことでしたのでON/OFFに分けて考えてみました。 オンタイムには・・・ ・素材はミディアムグレイの無地。(日本毛織製) >>> 従来ならより濃いチャコールグレイをお薦めするところをトレンドを意識してミディアムグレイに。 でも、折角のジャケパン姿ですから少しお洒落してインナーはピンク系のシャツやボタンダウン、それに茶靴&茶ベルトなどにしてコーディネートすると洒落ているのではないでしょうか? そして、念のためNGなコーディネートを紹介すると・・・黒靴&黒ベルト ベージュの柔らかい雰囲気が下半身で堅くなり過ぎます。 この辺は仕上がり時にコーディネート例として掲載してみますね。 |
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オフタイムには・・・ ・ネイビーのコットンパンツ(伊ソンドリオ社製) >>> ベージュ×ネイビーはベージュの淡さをネイビーがグッと引き締めます。 ウール地のジャケットに対し、ボトムがコットンと素材感が異なるのが少々気になるところですが、ここはオフタイム用ということで、茶系のベルトやスェードのシューズなどボトムにベージュに近い物を合わせ、またシャツを例えばオリーブグリーン〜深緑辺りのタートルネックなどで合わせたらお洒落ではないでしょうか? ・・・と、こんなご提案をしてみました。 いかがですか? ちょっと生地だけだと出来上がりのイメージが沸きにくいですか? その辺は次回仕上がり時に“お客様ありがとう”としてご紹介したいと思います。 ジャケット&パンツのコーディネートは日頃スーツだけしか着ていないと、はじめはなかなか挑戦しずらい物ですが、要点を掴むとそれ程難しくはありません。 今回はネイビーのボトムが玄人好みの合わせ方だと思いますが、休日姿をこんな風にちょっとお洒落して奥さんや娘さんからのポイントを上げてみてはいかがでしょうか? ご相談お待ち申し上げます。 SPECIAL Thanks to・・・ 今回のコーディネートでは東京店山橋君に色々と協力してもらいました。 彼は前職がセレクトショップだったということもあり、こういったコーディネート術に長けています。 小物類など色んな事に凝りすぎて散財しすぎるのが玉に瑕ですが皆さんも東京店へご来店の際は彼のアドバイスなど参考にすると良いと思います。 (持ち上げるだけでは終わらないところが私の原稿らしい、、、ウシシッ) |