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トリミングジャケット 只今お仕立て中 |
立春を過ぎると暦の上では春になりますが皆さんの周りではいかがでしょうか?
月が替わり3月になればもっと春めいてくるのでしょうがこの冬は暖冬だったのか?厳冬だったのか良くわからない冬でしたね。 とはいえ、我々ファッションの世界ではもう季節は春です。 銀座のデパートも青山のショーウインドウも、もちろん当店の店頭ももう既に春の装いになっています。 そこで、今月は春夏に注目されるであろうトリミングジャケットをご紹介したいと思います。 『トリミングジャケット』といってもメンズではあまり馴染みがありませんので簡単に紹介しますとこんなデザインの物を言います。 |
〜 トリミングジャケットとは? 〜
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トリミング(=縁取り)を施したジャケットという意味ですが、同じような縁取りとしてパイピングという手法がありますので、パイピングを施したジャケットと呼ぶケースもあります。
この種のジャケットは数年前からヴェルサーチなどのデザイナー系のブランドで展開されていましたが昨年辺りからポールスミスが採りあげ注目され、加えて2008年春夏のトレンドであるアメリカントラッドの中のプレッピースタイル※復活(ショート丈の紺ブレ+短パンなどが代表例)と相まってトリミングジャケットが注目されています。 また最近注目の米国デザイナーのトムブラウンなどもトリミングを多用しています。 ※:プレッピースタイル 簡単に言うと欧米のお金持ちお坊ちゃんスタイル。 昔のアイビーなどは元々は米国のアイビーリーグに通う良家の子弟が着るスタイルが起源で、こういった人達のスタイル。 25年ほど前VANジャケットなどが流行りましたが、こういったイメージです。 さて、 こんなトリミングジャケットのご要望、どんなお客様からご依頼を受けたかというと、初めて当店でご注文されるIさんからでした。 ご相談はこんなメールから始まります。 |
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いつかこんなご要望が来るのではないか?と思っていたんですよね、、、 1.と3.は従来から出来ましたので問題ないのですが、2番目のトリミングはイージーオーダーの従来ラインではなかなか仕立てて貰えず困っていました。 でも、ここで何もしないのは当店ではありません! 実は、昨年の内から手だては打っていまして、困った時の吉井工場長!ではありませんがハンドメイド工場の方へこんなトリミングジャケットはどうか?... と打診していまして、 既に昨年某百貨店様からのご注文でこんな豪華なトリミングジャケット(コート)を仕立てておりました。 ※:某有名ブランド様からのご注文のため百貨店の手前、画像をそのまま使えず、色を反転して掲載しています。何か怖い画像になっていますが御容赦下さい! いかがですか? 技術的にはこちらで十分ですからデザイン的にこれを少しアレンジすれば良さそうですね。 ・・・ということで早速それぞれの説明と共にファッション誌からスキャンした画像を貼付してお返事しました。 |
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いやいや、細かな説明を文章でするのはなかなか難しいですね、、、 でも貼付画像も付けたからご理解いただけたかな? ・・・と思っていると、またまたメールを頂きました。(しかも同じ日にですヨ!ありがたいことです) |
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ふ〜っ、右画像のような雰囲気なら大丈夫そう、か。まずは一安心です。 それにしても次のご相談(コート)まで同時進行なんて。。。有り難い限りです。 でも、コートはさておき、まずは目の前のトリミングジャケットに集中です! そして、Iさんのご相談はメールでのやり取りを終え、今度は最終打ち合わせのため、いよいよご来店です。 しかもご来店は@セールのど真ん中、しかも忙しい週末! 他のお客様でお店が溢れかえっいる時だったらどうしよう・・・とも思いましたがこの点ではIさんにご協力いただき午前中早い時間にお越し頂き助かりました。 ご来店前ではイージーオーダーにするか?フルオーダーになるか?も未定でしたが、いざご来店され色々とお話をすると、Iさんもスーツ好きなのでしょうね。 フルオーダーで仮縫いを入れてお仕立てすることにいたしました。 でも、ご注文が決まってもまだまだ問題がありまして。。。 それは、・ |
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トリミングの縁取りをどんな素材でやるか?ということ...
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これまで縫製工場での縫えるか縫えないか?の技術面ばかり話をしていましたが、いざご注文となると、こういったトリミングの材料が見当たりません。 ベルサーチなどであるようなテカテカした光沢のあるサテンの生地でしたら当店にも沢山ありますが、Iさんはグログランというテープの一種でこういった素材はないか? とのご要望でした。(補足:正確にはグログランテープではありません) でも、このテープ、本来は洋服生地ではなく梱包用の資材テープに近い物で私共の仕入ルートでは見つけられません。 う〜ん、う〜ん、、、 またまたSHOPMASTERの苦悩が始まりますが、そこは昨今のインターネット社会。 Web検索をして何とか台東区の浅草橋にそれらしきお店を発見。 ちなみに、そのお店のHPはこちら。リボンのテラキさん 可愛いHPですね。楽天にも別途WebShopがあるようですし、なかなか手広くやっているようです。 そこで善は急げ!ということで早速お店に行くことに・・・ セール期間中にこの時間を作るのはホントしんどかった××× で、行ってみるとこんなお店! なんやコテコテの卸売のお店じゃないの!! う〜ん、サイトが可愛らしかっただけに、ちょっとビックリ! でも、自分のお店も人に言えたほどの内装じゃないし...人のことは言えません。 そして、テラキさんのスタッフに色々教わることしばし。 ご親切にも見本のテープを少し切って頂いて来ました。 そのサンプルテープがこちら! お店に戻ってからIさんのご注文の生地と重ねて並べてみました。
ご注文になった生地のコメントを書きませんでしたが、生地の色目はダークグレイに目立たないウインドペーン。 その上に、チョコ茶のトリミングを希望とのことでした。 なんか、良い感じです。 こうして、Iさんのご注文は只今フルオーダー閑散期(1)に合わせて仮縫い中です。 仮縫いも、トリミングの他にも、襟型やチェンジポケットの位置などデザイン的に決めなくては行けないことがテンコ盛りですから、フィッターや工場長もちょっと難儀しそうです。 では次回は、Iさんの一味違った仮縫いの状況などご紹介いたしたいと思います。 どうぞお楽しみに!! |