HOME>いらっしゃ〜い!!>旬な色の組み合わせ?
オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 旬な色の組み合わせ?
皆さん、お久ぶりです!大阪店オーダー担当:南浦です。

(→買ったばかりのデジ一で撮影しました!デジ一、最高です!)


時が経つのは早いもので、もう一年の1/4が過ぎました。
この時期の風物詩と言いますと、当然、桜!ですよね。
しかし、忘れてはならないのが、街中に溢れる初々しい新入社員達です。

真新しい濃紺のスーツを身に纏い(着せられてる?)、一番下のボタンまで留めて大勢で街中を闊歩する姿は、十数年前の自分とオーバーラップし、“俺もこんな感じだったのか〜、懐かしいな”と感慨深く見入ってしまいます。

・・・、しかし、私の場合、社会人デビューはバブルの余韻消え冷めやらぬ1993年、濃紺は濃紺でもイタリアブランド“VERRI”(ヴェリー)の4×1のダブルスーツ!(当時はこのスタイルがスタンダード)
・・・とても生意気な新入社員でした。


“VERRI”(ヴェリー)とは...
当時、イタリアブランド隆盛の時代、G・アルマーニ・G・ヴェルサーチ・G・フェレのいわゆる3Gが代表的ですが、このVERRIはその影に隠れつつ、クオリティーでは決してひけを取らない玄人好みのブランドです。(テキスタイルブランドで言うと“グアベロ”のようなポジションです)
映画“ゴッドファーザー3”の中でキャスト達が着用しているスーツは全てこのブランドで、当時、結構話題になりました。

さて、
私の身の上話はこの辺で、そろそろ本題へ入りましょう。

今回は、大阪府内某所(←大豪邸が建ち並ぶ超高級住宅街!の端の方?)にお住いのMさんの今年のトレンドカラーを使ったジャケットとパンツのご注文を皆様にご紹介したいと思います。

その前にこのMさん、私と年齢が一つ違いということで、お客様ですがお友達感覚で非常に親しくさせて頂いております。
見た目は非常にソフトな感じで、お話しされてもとってもソフトな方で一児の良きお父さんです。
(私はまだ独身、未婚です...正に一つ違いで大違い!)

オーダーに対しては強いこだわりをお持ちで、過去のご注文は殆どがジャケットとパンツのセットアップ
初オーダーで紺ブレ+ミディアムグレー×ブルーストライプのパンツとを組み合わせるセンスに正直、“おっ、やるな”と感じました。
それからはパンツとジャケットを交互に怒濤のオーダーラッシュ!(Mさん、いつもありがとうございます!)

今シーズンも早い段階からサンプル帳のご予約を頂き、今回はどんなセットアップを考えてはるのかな〜?(←関西風)とご来店をお待ちしていると春夏サンプルの発送から2,3日後、直ぐにお見えになられました。
私: Mさん、こんにちは!
Mさん: みなみさん、今回もよろしく!
私: で早速、今シーズンはどんな感じで?
Mさん: 実は、パンツの生地は決まっているんですが、ジャケットに紺系以外で何色を合わそうか、迷ってるんですよ。
私: ふむふむ、パンツ地はどれを選んだんですか?
Mさん: これに一目惚れしたんですよ!
おっ、トレンドカラーであるベージュピンドット柄を選ぶとは、Mさん、やりますね。
この色目だと紺ブレとの相性も良いし、薄ピンクシャツニットタイなどでコーディネートすると、少しデフォルメした“プレッピー”といった感じでしょうか?
とても上品で爽やかな雰囲気に纏まりますね。
また、Mさんは学生時代ずっと野球をされていたので、日焼けした肌に逞しい肉体の持ち主であり、このようなアースカラーはとても良くお似合いになられます。

ただ、この色目のパンツに紺以外で何色のジャケットを合わせるか?、確かに悩みますよね〜、私でも悩みます。
ましてや私の場合、元々、色白なのでベージュカーキといったアースカラーはあまり似合わないのでなおさらです。

更にMさんから、
“去年作ったチャコールグレーのパンツ達にも合わせられる色が良いんですけど”
...とのご要望が・・・
え〜っ、そんな色無いよ〜、などとは口が裂けても言えません!
はてさて、どうしようと呑気に構えてられませんので、ここぞとばかりに怒濤の提案ラッシュの開始です。

最近、ポツポツと雑誌等で打ち出され始めた“インクブルー”(強く青みがかった紺)のストライプやグレンチェックを勧めるも、Mさんの食指は動かず、店頭の生地を出しては合わせの繰り返しの中からようやく良いのが見つかりました!(←結構疲れました)

その生地とはコレ↓

今シーズンのトレンドカラーの中でもマストなライトグレーです。
これならチャコールグレーとも合わせられますが、ベージュとは合わないんじゃないの、とお思いの方も多いでしょう。
確かに万人には似合いません。

ですが、Mさんのように色黒でがっしりとしたお身体の方がブルーのシャツ(ビジネス向きではありませんが、ダンガリーがベスト!)に濃紺無地やベージュ系のネクタイで合わせると、どうですか、皆さん想像してみて下さい、不思議とバランス良く纏まるような感じがしませんか?

Mさんも頭の中でイメージ出来たようで、“これで行きましょう!”と快いお返事が頂けました。

生地が決まれば、残すはデザイン、こちらはMさん定番の3つボタンの中掛けですが、ここで一つ気を付けなければならない事があります。

それはジャケットの生地は薄く、軽く、しなやかな梳毛(ウーステッド)のウール地ですので、スーツの上だけを着ていると周りから思われない事が重要です。

それには例えば、ポケットをアウト型にしたり、メタルボタンを使ったりといった方法がありますが、ややカジュアル過ぎる感がありますので、今回はステッチを0.5mm巾の総ピックステッチでお入れすることになりました。
また、着丈は当然短め肩パットもナチュラルなドロップショルダーを表現する為に一番薄いタイプを使用しました。
・・・と、このような感じでオーダーがまとまりました。
上下異なる生地の組み合わせは中々、イメージし難いですが、どのような雰囲気で仕上がるのか?次回、“お客様いらっしゃい”でご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに。

★★★ Something extra ★★★
“アメリカントラッド”が注目を集めている今シーズン、品のある着こなしをベースにややカジュアルダウンした“プレッピー”というキーワードが誌面を賑わせていますね。

ファッションの楽しみ方にはトレンド追随型とその逆を行く反逆型とがありますが、B型で天秤座、生まれもってあまのじゃくの私は完全に後者です。
ですが、たまにはトレンドを追いかけるのも悪くないな?何て思い(←この辺があまのじゃく!)、今回、Mさんのご注文と併せて自分用に“プレッピー”テイストのジャケットとパンツをオーダーしました!

まず、生地ですが、ジャケットはブリティッシュを代表する高級テキスタイルブランド“テーラー&ロッジ”のモヘア60%という高混紡の敢えての黒無地(紺無地だと平凡ですもんね)、パンツは当社のラインナップに初登場の“ソメロス”のコットンライクラの白無地(見えづらいですが画像下の生地です。)を選びました。


ライクラとは・・・ストレッチ性のある繊維の名称で、日本ではポリウレタン、海外ではスパンデックスやエラスタン(エラスティック)と表記されることが多いです。


デザインについては、オーセンティックな“プレッピー”スタイルでは何の面白みも無いので、私はこれにモードテイストを加え、少しエッジを効かせてみました。
詳しい内容は?と言うと...内緒です...

次回、紹介します...お楽しみに...

あと、ファッション誌を読んでいる時にふと気付いたのですが、この“プレッピー”“マリンテイスト”を特集している記事の中で、何か物足りない。
しばらく考えこんでいると...わかりました!!
あるエッセンスが抜けているのです!
何だと思います...?
これがあれば、グッとカッコ良くなるのに...

正解は...???(簡単ですよ)
これも次回ということで...あしからず!!