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ビンテージクロスで1着 |
そろそろGWの予定を立てる時期になってきましたが皆さんのご予定はいかがでしょうか?
この時期は新緑を眺めに郊外へ出るのも楽しいですね。 当店はカレンダー通りのお休みですので今年は5/3〜6までお休みを頂けそうです。 期間中はメール対応、出荷等が出来ずご迷惑をお掛けしますがどうかご容赦下さい。 さて こんな活動的になる時期ですが今月は只今開催中(4/12〜26)のビンテージクロス企画でご注文いただいた皆さんをご紹介したいと思います。 皆さん、『え゛っ!こんな生地で?!』と思うようなご注文ばかりでしたので、読者の皆さんはご自身で試すかどうかは別にして是非Webをご覧になって疑似体験してみて下さい。 それではお客さまをご紹介する前にビンテージクロス特集の紹介や商品の特徴を改めてさせて頂きますと・・・ |
■ ビンテージクロス企画の内容 ■ | |
詳細はこちらをご覧下さい。>>> ビンテージクロス特集 ビンテージクロスとは今から30年以上前に織られた素材の事を言います。 今から30年以上前というと昭和で言えば30〜40年代。 ご年齢が30歳以上の皆さんでしたら、子供の頃 お父さんが着ていたスーツ、その時代に織られた素材です。 子供の頃の父親のスーツのイメージってどうでしょうか? おぼろげながら、ゴツゴツしたガチッとしたスーツって印象がありませんか? あの感覚です。 当時は紡績技術も今ほど進んでいませんから糸も太く、ゴツゴツしています。 また生地を織る織機も昨今の高速織機ではありませんからじっくり織り込まれ、それ故高速織機では出来ないような色使いやコシのある生地作りが出来ています。 加えて生地の色柄も映画ゴッドファーザーの時代と言えば分かりやすいでしょうか、今と比べると強い色目の色柄が多く、出来上がりも打ち出しの強〜い仕上がりといった感じです。 でも一方では、当時は今ほどコスト意識が厳しくありませんから原毛をタップリ使い、非常に風合いの良い仕上がりで、加えて長期保存され熟成されたことで原毛の油分が適度に飛び、これがノスタルジックな雰囲気を醸し出します。 そんな生地を60点ほど集めたビンテージクロス特集でしたが、お店としては初めての企画で気がかりなこともあり、色々と苦労しました。 どんな事に苦労したかというと・・・ |
1.日焼けや虫喰い | |
こういった素材だとどうしても付き物なのが日焼けや虫食い。 ヴィンテージがどのような保管状態だったかにより品質は大きく変わります。 事前検査では、数点日焼けで使い物にならない物があったり、虫食いのあった物もありましたが虫食いの物もその穴を除いて1着仕立てられる物だけを集めました。※ ※:虫食い穴のある生地について 虫食い穴のある生地を使う場合、出来上がった後タマゴなんかが残っていて虫食いし易いすーつになるのでは?と懸念される人もいると思いますが、縫製する前には生地全体を一度熱を加えて縮揉しますし、お仕立て工程では熱を加える作業が多いですので、仮にタマゴがあったとしても全て死滅します。ご安心を |
2.お客様が柄を見て怖がらないか? | ||||
ビンテージクロスの色柄は映画ゴッドファーザーの時代のようなビビッドな柄が多いため、普通の人は柄を見て怖がってしまいます。 でも、生地で見るのと仕上がりではイメージが変わるのがオーダーの面白さ。 そこでご覧になるお客様にも分かりやすいよう、ビンテージクロスを使ったBefore & Afterをこんな風に展示しました。 (展示したスーツは後述のNさんにご協力いただきました。) |
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どうでしょうか? こうして出来上がりがあると怖くないですよね〜 ・・・といってお客様を説得していました。(笑 |
3.1点もの故の注意事項 | |
ビンテージでは万が一お仕立てに失敗した時など替わりの生地はありません。 1着1着が全て勝負です。 また1着毎、生地の長さが違うためオーダー内容に則した生地の分量があるかどうか毎回厳しくチェックしなくてはいけないのです。 この点、普段使っている生地は万が一お仕立てに失敗した時も残っている反物から補充すれば良いだけですので余程気が楽です。 ビンテージの裁断はいつも以上に緊張する作業です。 ...とまぁ、押しつけがましい苦労話はこれぐらいにしてそれでは早速ビンテージ企画初日にご注文いただいた10名様の中から数名お客様をご紹介しましょう。 |
■ お一人目は・・・ ■ | |
真っ先にご紹介しなくてはいけない!...のは初日の朝9:00にご来店いただいた栃木県那須郡にお住まいのSさん。
事前にこんなコメントを頂いていました。(別途ご注文のジャケットの仕上がりに対してのお返事です。) |
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並んで!だなんて、、、@セールの初日でも朝一で行列なんて無いですよ..
でも、シャレでお店の入口に椅子でも数席並べておこうかな・・・ で、そのSさんが真っ先に選んだのは...ドーメル スーパーブリオのこの商品。 〜ドーメルスーパーブリオ(DORMEUIL SUPER BRIO)とは・・・〜 ドーメル社は1842年にフランスで生まれた生地のマーチャント(商社)。 当時でももちろんゼニアやロロピアーナなどもありましたが商品の幅広さ、クオリティどれをとってもドーメルやスキャバルなどが群を抜いてNO.1で、僕らが子供の頃はドーメルの名はインポート生地の代名詞でした。 その中でもSUPER BRIOのシリーズは上級ラインに位置しており、洋服好きにはたまらない逸品(今で言えばゼニアのトロフェオのような位置づけ)でした。 もちろん現在もSUPER BRIOシリーズは現存しています。 |
■ お二人目は・・・ ■ | |
2人目にご紹介したいのは当日仮縫いがあったS社長。
S社長はHPは全く見られない方で当日仮縫いの際「今ビンテージクロス特集をやっているんですよ〜」とお話したところ、ビンテージを飾っている生地棚へおもむろに行って、一言 『この生地いいね〜、綺麗だよ。これも1着作ってよ!』 う〜ん、お金持ちは決断が早い!! で、S社長が選んだのがこの商品。 メーカーはなんと!イヴサンローランで色目は薄〜いブルーグレイにグリーンと朱色のストライプ 『えっ?サンローランが生地なんて織っていたの?』 サンローランが直接織っていたか?それともOEMのような形で製造委託していたかは今となっては調べられないのもビンテージのお約束事ですが、いずれにしてもサンローランのこんな綺麗な生地。 さすがビンテージです。 実のところ、私自身この生地が売れるとは思っていませんでしたのでちょっとビックリ! ビンテージクロスでフルオーダー、、、 仕立てるのは田中角栄元総理のスーツを仕立てた吉井工場長。(ビンテージ人間?) う〜ん、何たる贅沢でしょうか? 画像は薄暗い中、S社長のスーツを手裁断をする三久服装の職人さんです。(撮影:職人見習い遠藤君) |
■ 3人目は・・・ ■ | |
3人目は今回のビンテージクロス企画をやろうと思ったきっかけを作って下さったNさん。
Nさんは以前↓のページでご紹介したことのある方ですが、生地を探されアチコチ徘徊?。 最後に当店に辿り着いたいわばビンテージクロス(30'Sスタイル)のマニアです。 お客さまいらっしゃ〜い:イージーオーダーなのに型紙作成? お客さまありがと〜う :型紙作成イージーオーダーの出来上がり あまりの熱心さに私も心を動かされ、本当は同業に頭を下げるのは嫌だったんですが某T羅紗店にお願いして商品を借りて商品提供をしたお客様で、この時のNさんの喜び方が強く印象に残ったため、 『それならビンテージクロス特集でもやろうか!!』となり今回の企画に至ったのです。 ちなみにNさんが注文された生地はこちら。 生地はさすがマニアというか、王道のスキャバルとドーメル。 色目はビンテージに多い地中海ブルーのストライプ柄これまたお約束でモヘア入り(スキャバル)。 ドーメルの方はというと、これまたビンテージに多いベージュの無地柄。 どちらもいかにも!ヴィンテージクロスといった雰囲気を醸しだしています。 そして、オーダー内容は・・・というと、まずは生地を確保してから後々じっくり、、、とのことでまだ詳細は決まっていません。 (週末は私の身が空かないためどうやら私の時間が空くのを待ってからオーダーを決めたいそうです。) |
■ 4人目は・・・ ■ | ||
4人目のWさんもユニークな方。
親子連れでお父さんとご一緒にお越しになられたのですが、お父様のご注文を別のスタッフが受けているとき手持ちぶたさそうでしたのでお声掛けしたところ、こんなご要望を伺いました。 |
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よく見れば、傍らにパナマ帽(ボルサリーノか?)をお持ちです。 |