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オーダースーツのヨシムラ
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 15年ぶりのダブルスーツ!
皆さん、こんにちは、大阪店オーダー担当の南浦です。
9月に入り、朝晩だけでなく日中も徐々に過ごしやすくなってきましたね。
季節の移ろいを肌で感じるようになると、今年の秋冬はどんな一着を仕立てようかな?とアタマの中でアレコレとイメージを膨らませている方もいらっしゃるではないでしょうか♪(←実はコレが一番楽しい!)

私もシーズンに必ず一着はトレンドを意識したものを仕立てるようにしておりまして、ちなみに昨年の秋冬は英国生地を使用した華紺スリーピースをオーダーしました。
さて、今年はどうしようかな?...と7月の早い内から色々と思案しておりましたが、やはり今シーズンは春夏のトレンドであったアメリカントラッドからブリティッシュトラッドへシフトするという事から『グレンチェック』の注目度が高いので、今回はその『グレンチェック』を使用した私のオーダーを皆さんにご紹介したいと思います。

今回、私がオススメする(オーダーする)『グレンチェック』ですが、仕事もファッションも成熟期に入った30代、40代の方には上品で貫禄を出せる柄としてステップアップするには正に打って付けと言えるでしょう!
一見、難しそうに思われるかもしれませんが...ドレスアップもドレスダウンも自由自在、故に着回しが抜群に良いので今シーズンのワードローブの主軸となること間違い無しです。

素材が決まれば次はシルエットですが、今回これは悩みに悩みました。
と言うのも、クローゼットの中のワードローブは2つボタンや3つボタンのシングルスーツやジャケットばかり。
アタマの先からつま先までファッション業界にどっぷりと浸かっている私としては同じものばかり着る訳にはまいりません!
そこで今回は社会人デビューの時以来? 15年ぶりにダブルスーツに挑戦することにしました!

それでは細部にわたって今回の私のこだわりポイントをご紹介したいと思います。

生地は...
>>> Loro Piana Super 120's ミディアムグレー×ベージュのオーバーペーン グレンチェック(G1137)

『グレンチェック』と一言で申しましても、ベースとなるカラーやピッチ(格子の間隔)、素材(ウーステッドorフランネル)によって見た目の印象が大きく変わります。
基本は白×黒ですが、ベースカラーがベージュブラウン系、更にオーバーペーンのように差し色が加わっていたりするとカジュアル感が強まります。
また、格子の間隔も7〜8cm程度が最もオーセンティックでビジネス向きとなりますが、間隔が広がり大柄になればなるほど同様にカジュアルな印象となります。
素材は説明するまでもなく、ウーステッドはビジネス向き、フランネルはカジュアル向きとなります。

そして...今回の私のコンセプトは“上品で貫禄があり且つ若々しい印象の着回しの利くグレンチェックスーツ(←長いなぁ)ですので、生地はあくまでビジネス向きのオーセンティックなものをチョイスしました。
それがコレ→

今シーズンのラインナップの中でこの生地以外ではベースカラーがブラウン系であったり、ブルーオーバーペーンが入っていたりと若干カジュアルな印象が強いものが多く、今回は必然的にこの生地へ辿りつきました。

ご興味をお持ちになられた方は東京・大阪両店舗で直接ご覧頂くか、下記フォームよりサンプル帳をご請求下さい。

 デザインは... 
>>>“ダブルブレステッド”6B×2つ掛けビルドアップショルダー

私が社会人デビューした頃、スーツと言えばダブルがほとんどでシングルスーツなど皆無といって良いほどでした。
当時のダブルは4B×1つ掛けが主流でしたが、昔と比べると今のダブルはシルエットディテールサイジングなどそれぞれ全く異なります。

通常、ダブルの場合、着丈は標準値(総丈の1/2)より若干長く、バスト寸法やお腹周りのサイズももシングルよりゆとり量を多く取る為、見た目の印象が重くなりがちなのですが、
ダブルといえどやはりトレンドはタイトシルエットですので、着丈は標準値より1cmから2cm短くし、バスト及びお腹周りはシングル同様、最小限のゆとり量を与えることにより、極力重苦しいイメージを払拭します。

やや高めのボタン位置及びゴージライン、また約1cm高く設定した胸ポケット位置、ショルダーラインは英国調の仕立てには欠かせなくなったビルドアップショルダーとこれらを組み合わせると、より貫禄あるブリティッシュトラッドな雰囲気に纏まります。

ここでダブルを視覚的によりタイトに見せる裏技を一つ、
通常、フロントの左右ボタンの間隔は約11cmですが、これを約2cm、縦のボタン間隔を約1cm狭くする事によりウエストの絞りを強調することが可能に。
ちょうど画像のような雰囲気にするとイメージが随分変わります。

そして・・・
パンツシルエットも当然細めのノータックで裾仕様はダブルの折り返し巾は4.5cmで。
ご身長にもよりますが細めのシルエットには折り返しの巾を太めに取ったダブルが良く合います。
以前まではシングルが圧倒的でしたが、最近ではほぼ50:50の割合でダブルをお選びになられる方が増えてきました。
ただし、股下の長さは折り返し巾の分だけ重みが増す為、シングルと同様の股下だと靴の甲の上でのクッション量が多くなります。
こうなると逆に脚が短く見えてしまいますので、シングルよりは若干短めにするのがお約束です。
画像を見比べると右側の方が左側に比べてかなりスッキリしているのが分かるでしょ?
・・・と今回はこの様な仕様にまとめてみました。
果たして15年ぶりのダブルスーツ、今風にデフォルメされて格好良く仕上がるか?

次回、恒例?の私オススメの着回しコーディネートと合わせて詳しくご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに!
執筆:南浦(大阪店)