|
|
学習院卒業生必見? |
12月になり、にわかに冷え込む日が多くなってきましたが皆さんお元気でしょうか?
師走になって仕事も忙しく、はたまたプライベートも忙しく疲れが溜まる時期ですが、あともうちょっとで楽しい年末年始休暇ですからそれまで頑張りましょうね。 さて オーダースーツのヨシムラでもそろそろ年内の仕事が見えてきましたが、今月は越年が確定した大物のお客様を紹介したいと思います。 タイトルをご覧いただくと『 学習院卒業生必見? 』とありますが、さてさてどんなご注文なんでしょうか? はたして学習院卒業生でない人にメリットあるのかしら? 事の発端は先日ファーストオーダーをお納めしたばかりの吉川さんのこんなご相談から始まります。 |
|
本当は吉川さん、ファーストオーダーの方をこのコーナーに出したかったんです。 1着目はイージーオーダーの枠組みをフル稼働して仕立てた会心の作品だったんですが、ちょうど出来上がりのフィッティングが忙しい土曜日の時間帯に当たってしまい着用画像を撮影できずお蔵入りにしてしまったものでした。 でも、お納めしてすぐのご相談、1着目をお気に召して頂けたからこそですが、こういったご相談はご注文をお受けした側にとっては何とも嬉しいコメントですね。 そして本文中で登場したこの『学習院の制服』、どんなデザインの制服かというと、こんな感じです。 坊主頭の私が着るととても様になっているのが辛い、、、(-_-;) |
|
いわゆる詰め襟んですが、一般に多い金ボタンではなくフロントはホック止め。
ここまでは駒場東邦などもそうですが、ちょっと変わっているのが各所に使われているモール使いと縫製面では背中の作りです。 モールは襟周り、ポケット周り、フロントから裾周りまで及んで、 背中の切り返しは肩胛骨を通るように左右にカーブさせながら入れて、、、 これは燕尾服などで使う手法と一緒ですが、非常にエレガントな作りになっています。 さすが皇族の多い学習院!麻生総理!!といった感じです。 さてさて、こんなイレギュラーなご相談に対し、どう応えるのでしょうか? 1着目で吉川さんのファッション感覚を私も掴めていますので比較的ご案内しやすかったのですがこんな感じにお答えしました。 |
|
お返事の方は色々考えました。 出来ればコストのかからないイージーオーダーの方でお作りしたいのですが、、、 技術的なことより何よりパターンが普通のスーツとは全く違うため今回はやむなくハンドメイドの工場にすがることにしました。 吉川さん!ちょっとお値段が上がりますが、オペラ鑑賞のため衣装ですからここは何とか奮発してください(お願いしま〜す) で、そうこうしている内に早速お返事がありご来店いただくことになりました。 そして、、、ご注文内容でうかがった吉川さんのこだわりはこんな感じでした、、、(↓無茶苦茶大変ですよ!!) |
■ ご注文内容 ■ | ||
1.基本デザイン
>>> 学生服風詰め襟(マオカラー?)+肩はコンケープドショルダー
でも、マオカラーのマオは毛沢東から着ていますから実はフォーマルなんですよ それを、コンケープドショルダーで、ですからね、、、う〜ん、凝りすぎ コンケープドショルダーというのは肩先にかけて緩やかに盛り上がったこんなデザインを言います。 2.フロントはホック止め >>> 私が学生の時は金ボタンだったんですけれど・・・学習院ではホック止め、しかもそれが交互に留めるようになっています。 3.モール使い >>> 実物の学習院の制服をご覧下さい。 フロント〜裾、袖先、各ポケット周りetc制服なのに改めて見るとかなり凝ってますね、、、 4.背中の切り返し >>> ここも大きなポイントですね。吉川さんここは譲れない線だそうです。 ...とここまでは学習院制服の踏襲ですが、ここから先が吉川さんオリジナル仕様 5.襟は拝絹 >>> 思い出してください。吉川さんが最初にご依頼になった言葉 どこでこれを着用するかというと、、、そうオペラ鑑賞。 オペラ鑑賞といえばブラックタイ(タキシード) タキシードといえば襟は拝絹(襟を光沢感の強いシルクやサテン系の生地で作ること) ・・・ということでマオカラーの襟はなんとシルクで作ることに!! 6.シルエットは >>> グラマラスなウエスト絞り 学習院制服はやはり制服ですのでゆとりが大きかったのですが、これを舞台衣装のようにピタピタに仕立てて欲しいとのことでした。 7.袖先は >>> 一方、どこまでウエストを絞ってしまうと今度は袖も絞らないとバランスが悪い!...ということで袖もグッと絞りつつ、それを強調させるため袖先をセミフレアーに。 8.パンツは >>> パンツもグラマラスシルエット ギリギリ座れれば良し!とのことで座り心地は無視しても良いからタイトに!!というご要望 いや〜っっっ、凄いですね。これをナルシストと言わず何という?(吉川さんゴメンナサイ) でも、これをフルオーダーとはいえ、仮縫い・本縫いに反映させるのは至難の業ですよ、、、 だって、仮縫いでは普通ここまでギリギリには仕上げませんからね... |
■ 仮縫いはこんな感じに・・・■ | |||
|
|||
|
|||
3.パンツの方は? >>> パンツもギリギリまでタイトにということで、仮縫いでここまでタイトに。 どうですか?見た目は美しいのですがこれでは実用上難あり? ということで座って確認して貰いました。(普通はここまでしません!) |
|||
|
|||
4.その他 モールは? >>> モール等は仮縫いではここまでは対処しきれませんので、その場で生地等をお選びいただくだけに留まりました。 色々ありましたが私のご用意したモールではダメで、最終的には吉川さんがよそで購入した物を使うことになりました。 ふ〜っ、、、凄いオーダーでしょ... ここまでやったらオペラハウスで雰囲気に負けない? いやはや、今年はウィーンのオペラ用とかベルリン映画祭用(←こちらもただ今ご注文中!)とか色々華やかなご注文が多いです。 納品はぜ〜んぶ、越年してしまうのが辛いところですが、1着1着大切にお仕立したいと思います。 それでは出来上がり、楽しみにしていて下さい。 多分、想像を絶する仕上がりと思いますヨ... |
|||
〜 補 足 〜 通常本コーナーではお客様の実名・お顔は直接出さないようにしておりますが、 今回はお客様にお断りした上で、実名を出させていただきました。ご了承下さい。 |