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ボンドスーツは楽しい！ |
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先日公開された007シリーズの新作「慰めの報酬（Quantum of Solace）」、読者の皆さんはご覧になられましたか？
かくいう私吉村は007シリーズはショーンコネリー、ロジャームーアを含めて、全て観ている大の007ファン。 それが高じてという訳ではありませんが、２作前のダイアナザーデイではラジオのＪ-Waveから「ボンドスーツはどう仕立てる？」とインタビューされたぐらいですから... そうそう当時は伊ブリオーニがボンドスーツを担当していて、それを調べるために銀座のブリオーニへ行ったっけ。  さて そんな話はさておき、こういう話題の新作があると気軽に(?)ご相談が来るのが当社の良いところ。 今月はボンドスーツを作りたい！というご新規のＵさんがお客様です。 初めはこんなメールから始まります。 |
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09.01.24 件名：スーツのご相談です。
Ｕさん、ご相談有難うございました。 確か、来週から公開なんですよね、、、私も早く観に行かなくは！ 今回は頂いたメールの通り米国人のトムフォードが衣装を担当していて､､､これまで前２作が伊ブリオーニでしたから、どの辺が変わったのか？私も興味アリアリで、プロとしてしっかり観てチェックしたいと思います。 （だから経費で落として、とは言えませんが､､､） それにしてもクラシコイタリアの重鎮ブリオーニがジェームスボンドの衣装担当から降ろされて、今度は米国のトムフォードか〜。 トレンドがクラシコイタリアからアメリカントラッドへ移りつつある情勢がこんな所にも出ているんですね。 （作者注：トムフォードは米国人ですが純粋なアメトラとは違います。補足まで） さてさて トムフォードというと当サイトでも最近こんなお客様がトムフォードイメージでご紹介いたしましたね。 お客様ありがと〜う： トムフォード？30'S？ ボンドスーツは別のイメージで出来ていますがトムフォードのイメージとしてはワイドな襟幅とタイトシルエット。 特にワイドな襟幅は昨今のナローラペルブームとは一線を画していて大変興味深いところです。 さて そんなボンドスーツのご相談ですが、早速私からこんなメールでお返事いたしました。 |
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Ｕさん
･･･と、まぁ、私もボンドスーツは事前にチェックしていましたから前回との比較や体型的な面から日本人だと胸の力強さを表現するのが難しいだとかetcこの辺をご案内いたしました。 すると、早速Ｕさんからこんなお返事があり、ご来店いただくことになりました。 |
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| こうして、＠セールでバタバタしている中、1/28にＵさんがご来店されました。 まぁ、今回は元ネタMEN'S EX２月号もあるし、その画像もそこそこ鮮明、ディテールの説明書きもあるからまぁ、大丈夫だろう ､､､と軽く思っていたのですが、Ｕさんの接客をしていると２人である大きな問題にぶつかってしまいました。
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 筆者注：画像は左側がMEN'S EXのボンドスーツ、右は映画パンフレットの画像。 明らかにＶゾーンの深さなどが違います。 |
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そんなこんなでＵさんと私で雑誌とパンフレットを交互に広げながらよくよく調べてみると、まだまだこんな相違点が出てきます。
相違点その１ 生地の違い >>> MEN'S EXでは生地は濃紺地に目立たないマイクロヘリンボーン柄と言っているのに･･･ 実物はどうみても全くのプレーンな無地。 しかも色目ももう少し明るい（この辺は撮影の関係からかも知れませんが､､､） 相違点その２ 襟 幅 >>> 雑誌では比較的襟幅の広い、トムフォード的なイメージの襟だったんですが、映画を見るとどうみてもナローラペル。 この辺はダニエルクレイグが小顔ですからそのアレンジかも知れませんが、それにしても違う... 相違点その３ パンフレットの中でも違う... >>> パンフレットにはスーツ姿が結構映っていましたのでその中で比較してみると､､､ パンフレットには２つボタンと説明書きがある一方、写真を見ると襟の上にはっきりと３つボタンの第１ボタンホールが見える。 映画は撮影用に同じスーツを何着か作るとは聞いていましたが、基本のデザインまで変えることってあるんですね。 いや〜、ジェームスボンドを研究するのは面白いです。 思わず、仕事を忘れてＵさんと指摘し合いました。 私なんかは、パンフレットに生地はモヘヤトニックと書いてあるけれど見た目は違う？とか色々言っちゃって、とても面白かったです。 閑話休題。 こんな感じで大盛り上がりした我々でしたが、最終的にはＵさんのご注文はこんな風に決まりました。 |
| □ ご注文内容 □ | |
 生地：G1028（長大毛織製濃紺マイクロヘリンボーン柄）>>> 生地のイメージだけはMEN'S EX版のマイクロヘリンボーン柄に合わせました。 お値段お手頃43,000円です。（ちなみに＠セールで38,000円!!） デザイン：シングル３つボタン中掛け >>> 襟の立ち上がり方がMEN'S EXとパンフレットで違うということですったもんだありましたが最終的には007モデルのスーツを求めるのではなく、パンフレットに映っている実際の映画で使われたボンドスーツのイメージを求めることにしました。 シンプルなデザインながらもスッキリスマートに 肩はややコンケープドショルダー風に。 ゴージラインはかなり高めに+2.0cm。 ウエストはギリギリまで絞り込み、袖幅なども気持ち細くして脇の隙間が見えるように... 更には袖先をほんのりフレアーにして女泣かせのジェームスボンドっぽく？ ディテールは・・・ ・チェンジポケット付き（この辺が英国調） ・パンツはノータックで持ち出し付き ・ベルトループは付けず、脇のサイドアジャスターのみ（あぁ､､ストイック） ・本バス芯を使いプレスを甘くして、胸の厚みを表現（目指せボンドスーツ!!） その他パンフレットには出ていない所ですが、Ｕさんと２人で勝手に想像しながら決めたのは 裏地 ･･･ スパイは渋く黒！ ピスポケット･･･お尻のポケットはスッキリとするため左はなし。 スパイには袋物は多い方が良いかという意見もありますが などなど、Ｕさんのみならず私も楽しみながらご注文を伺いました。 さてさて どんなスーツに仕上がるんでしょうか？ 男なら一度は憧れるジェームスボンドの世界。皆さんも是非！ 私の場合はまずはジム通いからです××× 次号出来上がりをお楽しみに!! |