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今春は爽やかに、そして上品に ... |
今年は暖冬だと言われながらも、ここに来て一気に春めいた陽差しとなってまいりましたね。
皆さん、いかがお過ごしですか? 大阪店Shopmasterの南浦です。(←チョットまだ恥ずかしいです) 新大阪店がオープンして2ヶ月、準備段階を含めると約3ヶ月半、無我夢中で突っ走ってまいりました。 以前の大阪店の時と仕事の内容は変わっていないのですが、やはり所変われば、勝手も変わりますし、先日の@セールで多くのお客様から頂いたご注文をこなすので精一杯でしたが、やっと少し落ち着いてきましたので、今回久々に原稿復帰です!(お待たせしました!) さて、皆さんは今春、どんなスーツをお考えですか? グレーはここ数シーズン、ブームが続いたお陰で一通り揃ったし、黒、ちょっと暑苦しいかな?なんてお思いの方に今シーズン一番のオススメが“華紺”(はなこん)です! 紺というと黒に近い濃紺無地が一着だけ、なんて方も多いのではないでしょうか? 確かに濃紺無地は準フォーマルとしてもお使い頂けますので、非常に便利な一着ではありますが、それだけを着回していくのは少々面白みに欠けると言うか、ワードローブに華やかさを加えたいですよね。 今回、私がオススメする“華紺”、その明るさ故の爽やかで上品なイメージがこれからの季節にピッタリ!ですが、その明るさが素材の善し悪しを見る人達にハッキリと分からせてしまいます。 従って、上質な素材を選べば、例えプレーンな無地であってもリクルートスーツのような野暮ったさを感じさせることはありません。 そこで今回はそんな“華紺”の生地を使用したKさんのご注文をご紹介したいと思います。 まずはこのKさん、20代半ばで某大手企業にお勤め(当店と目と鼻の先です)、無類のスーツ生地好き!そして大阪店のお客様のなかでダントツの長身!(何と190センチオーバー)です。 今もなお伸び続けていると言うのですから一体どこまで成長されるのでしょうか?(←Kさん、冗談です) 最近では秋冬物でゼニアのトロフェオカシミヤのグレーやロロピアーナのベージュ×パープルのグレンチェックでジャケットのご注文を頂くなど生地をチョイスする上でかなりのコダワリをお持ちの方です。 |
“華紺”と一言で申しましても、色のトーンや柄、素材感の違いで見た目の印象や着こなし方が変わってまいります。 | |
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色のトーンが明るくなれば、華やかなイメージは強くなりますが、シャツやネクタイなどのコーディネートは難しくなります。
逆にトーンがダークになれば、着こなしやすくはなりますが、暗く、地味な印象になってしまいますし、ベースカラーが明るさがあるが故にストライプなどは大柄に見えてしまいがちです。 素材感も“華紺”の持つ清涼感や上品なイメージを強調させるために平織のトロピカルやシャリ感のあるモヘア混素材をお選びになると良いでしょう。 素材本来の光沢感が生地の上質感と明るさを強調してくれます。 今シーズンのコレクションの中でKさんがお選びになった“華紺”の生地がコチラ→ 今や数あるファブリックブランドの中でトレンドセッター的な存在である“Scabal”です。 こちらの生地はメリノウール100%でありながら、強撚を加えておりますので、モヘア混さながらのシャリ感と光沢感があり、今回のコンセプトには正に打って付けの生地と言えるでしょう。 生地が決まれば、続いてはデザイン、こちらも“華紺”の持つ色の軽やかさを生かすために着心地の軽さを仕立てに生かせた方が爽やかな印象のスーツになります。 カッチリとしたショルダーラインのブリティッシュスタイルよりかは、薄目の肩パッドを使用した柔らかな印象のクラシコイタリアスタイルが生地との相性は良いですし、見た目にリラックス感も加わります。 それでは今回のご注文内容について詳しくご案内いたしましょう♪ ●生地・・・“Scabal”(スキャバル) G3106 ●基本デザイン・・・シングル2つボタン ●ゴージライン・・・ハイゴージB(通常より1.5センチ高く) ●衿デザイン・・・ナローラペル(8センチ)ストレートカット ナローラペルというと6cm位もありますがKさんはご身長があるので8cmでもナローになってしまいます。 ●前タック・・・ノータック ●裾仕様・・・ダブル(折り返し巾4.5センチ) >折り返し幅もご身長のある方は折り返し幅多めです。最近は4.5cmが増えています。 ※備考・・・アームホール小さく、アームは細く、タレ綿はつぶしてナチュラルなショルダーライン と、仕様はこの様な感じでまとまりましたが、このKさんの場合、サイジングにおいて最も注意すべき点が着丈の長さです。 通常、着丈は総丈(首の付け根からかかとまでの距離)の1/2が一つの目安となりますが、最近は全体的にタイトで足長に見えるシルエットが主流ですので、この1/2の標準値より1センチ〜2センチ程短くするとバランス良く仕上がります。 しかしこのKさん、ご身長が190センチ以上、総丈に至っては163センチ、股下は何と85センチ!(羨ましい...)もございますので、この計算式に当てはめると例え標準値より数センチ短くしても着丈が長すぎる為、バランスが悪くなる上に脚が短く見えてしまいます。 こういう場合はジャケットとパンツを全く別物として考え、着丈はヒップが丁度隠れる位でサイジングを行います。 Kさんの総丈は163センチ、その1/2だと81.5センチ、そこから2センチ短くしても79.5センチですが、Kさんの着丈は更に3.5センチ短い76センチが最もバランス良く見えるサイズとなります。 これは全ての方に当てはまる訳ではありませんが、Kさんの様にご身長の高い方には気を付けなければならない点です。 また、着丈を短くすると、視覚的にパンツの見える面積が大きくなり、いわゆる脚長効果が得られます。 “背を高く見せたい”“脚を長くスッキリとしたシルエットのスーツが欲しい”などとお考えの方、次回、Kさんのご試着姿をご覧頂きつつ、詳しくご案内したいと思いますので、どうぞお楽しみに。 |
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執筆:南浦(大阪店)
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