|
|
男のコート<ポロコート風> |
今年は昨年同様、個人的に何かと変化(CHANGE)の多い年でしたが、皆様の周りは如何だったでしょうか。(12月末執筆現在)
振り返ってみると不況という暗い影が紳士服業界を包み込み続け、特に百貨店は前年比マイナス2桁が当たり前となり、状況は益々悪くなるばかりでした。 当社も、前年を割る月も若干有りましたが、多くのお客様からご注文頂きまして、何とか年を越す事が出来ます。 ご贔屓頂きましたお客様に心より御礼申し上げます。 |
|
有り難う御座いました。
|
|
さて、平成21年最後の更新は、懐寒い昨今ではありますが、着る物は暖かい方が良いのでは!という事で、とあるコートの話です。 きっかけは、1通のメールから... |
|
||
早速、お返事をと思いURLをチェックすると、ファッション界では有名なブログのひとつであるサルトリアリストでした。 ファッション好きなら知らない人はいないハズのこのブログ。 業界の著名人が、度々出ることでも有名です。 ひょっとすると業界人ではと、画像を探して見てみると、フロントデザインは、メンズEXやオーシャンズでコラムを掲載していらっしゃるメンズファッション界の重鎮、マエストロ赤峰幸生氏でした。 メンズファッション界を引っ張ってきた赤峰氏、流石に貫禄が有ります。 個人的にも、実際にお会いした事があるのですが、気さくでありつつもモノ作りに厳しい目を持つ紳士な方でした。 次にバックデザインの画像を探してみると、世界的に有名なロンドンハウス(現ルビナッチ)のマリアーノ・ルビナッチ氏の跡取り、ルカ・ルビナッチ氏。 サルトリアリストでも常連に入るのではないでしょうか。 父親譲りのテーラードスタイルを押さえつつ、遊び心あるコーディネートが特徴ですね。 実は、今回Kさん以外のお客様にも同じようなスタイルで、ご相談が多く寄せられました。 オーソドックスなコートではない為、既製服で見付けるのは難しいというKさんの話にも頷けます。 ついては、ご返信を差し上げるべく、メールいたしました。 |
||
|
||
(※1)アルスターとは、衿巾が広くゴージが深く内側に入っている独特の衿の事を言い、スタイルはダブルブレストで共地のバックベルトが付いた丈長のコートをアルスターコートと言います。 アルスターの語源は、北アイルランドのアルスター地方で織られた生地を用いて仕立てられてことが発祥と言われております。 (※2)ポロコートとは、キャメル地(フタコブラクダの毛織物)やキャメル色の生地を用いたダブルブレストのコートを言い、ポロ競技の観戦用に屋外で着る為に作られ世に広まりました。 主な特徴としては、アルスターコートと近いのですが、ポロコートの方がフレームド・パッチフラップと呼ばれる、ややカジュアル感のある腰ポケットがデザインされております。 |
■□■ ディテール ■□■ | |||
こちらの画像は、Kさんと同じようなデザインを希望されたお客様Nさんの見本服姿です。
フレームドパッチフラップポケットやターンナップカフス、後ろのインバーテッドプリーツが生地のドレープ感を生み出し、男の背中を演出します。 恐らく洋服好きの方なら、出自が分かるコートですね。
Nさんのコートは、基本的にKさんと同じですが、アルスター衿をシングルピーク衿に変えたデザインのコートです。 こちらもオーダーならではの仕立てと言えるのではないでしょうか。 |
■□■ 生地 ■□■ | |
あとは、生地ですが先述いたしました通り、ポロコートであればキャメル=フタコブラクダの毛が王道ではありますが、生憎店頭在庫は1点だけしか有りません。。。
理由は、キャメル独特の明るい色の為、反物で仕入れるには些か勇気が要るからです。(お蔵入りが怖い....) 画像の上から2番目がキャメル生地で、他の生地はピュアカシミヤ、カシミア混、アンゴラ混等々です。 キャメル色と言ってもバリエーションに富んでおり、お好みが分かれるところです。 勿論、キャメルに拘る必要はなく、濃紺であったり、ヘリンボーン柄でもオーダーらしい雰囲気は変わらないと思います。 Kさんにお気に召して頂ける生地があると良いのですが・・・ |
■□■ 越年 ■□■ | |
何れにしても、今年はここまでのご紹介です。
Kさんのオーダーはあるのか??? その他のお客様の仕上がりは??? 次回の更新を乞うご期待! それでは、2010年が皆様にとって良い年でありますように祈っております。 |