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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 ダブルのジャケット
 9月も下旬となりようやく秋風が吹くようになりましたが、皆さん衣替えはお済みでしょうか?
猛暑の年は冬も厳しくなるという長期予報のようですが当たるのでしょうかね、、、

さて
8月9月と厳しい状況が続いておりましたファッション業界ですが、ようやくここに来て秋冬物を求められるお客様が増えてきました。
そうなってきますと、皆さん今年のトレンドはどんな風になるんだろう?と興味を持たれますよね?
我々業界人も、似たようなところがあり、これまでは各社「今年はこのトレンド!」と考えて製品展開してきた物が、実売期になり“トレンドになるかもしれない商品”から“本当のトレンド商品”がハッキリするようになります。
そこで、今月のお客様いらっしゃ〜いでは今年のトレンドに即してお客様をご紹介いたしたいと思います。
ご紹介するお客様は八王子にお住まいのIさん。
もうかれこれ7〜8年おつき合いのある40代前半リピーターのお客様で、お好みとしてはこんな感じのお客様です。
 Iさんのお好み
  トレンドに対して先鋭的
 (今回のご注文は先鋭的すぎて今年の中心的トレンドではありません。)
  スタイルは思いっきりタイト好み
  スーツのみならずシューズもシャツも大好き
さて
そんなIさんがどんなオーダーをされたか?ということなのですが、それを考えるときには今シーズンのトレンドをしっかり把握していなければなりませんね。

読者の皆さんは今シーズン(2010年秋冬)のトレンドは何だと思いますか?
先月も少し書きましたが、大きく今シーズンのファッショントレンドは次のような感じです。
●大きな流れはスーツからジャケパン(ジャケット単品ユースが増える)
・・・これは世界的傾向です。

●昨年に引き続きグレイが人気
・・・グレイ、強いですよね〜。もうかれこれ3年目です。

●素材的にはフラノ等弱起毛した素材感
・・・こちらは天候次第。厳冬になるなら絶対フラノは外せないでしょう!

●柄は、無地は安定人気の他、千鳥格子、グレンチェックなど英国伝統柄が注目

●挿し色は、グリーンネイビーパープルなど
・・・業界的にはグリーンを押したい所ですが本格人気は厳しそう、、、無難なところではパープルがGood
・・・といったところですが、そこでトレンドに敏感なIさんが今回選んだ生地がこちら...

■ Iさんチョイスの生地 >>>伊REDA社のグレンチェック ■
>>> こちらはサンプル外の取扱商品ですが、よくあるグレンチェック柄の上に水色のオーバーペーンが配された爽やかな印象の生地
どちらかというと、、、40代ではなく20代の方好みの色柄です。

でも、こういった生地はボトム単品で持っても紺ブレなどとの相性は良いですし、ボタンダウンのシャツにセーターを着て休日着こなしてもGood。
結構使い勝手が良いのが特徴ですが、この生地に関しては水色のオーバーペーンが少々強いので、コーディネートを考えると素人は躊躇ってしまう...そんな色合いですね。
だからこそIさんらしいのですが、、、

ちなみに、合わせ易さで言えば画像の片隅にある色違いの朱色のオーバーペーン入り。
赤系はブラウン毛糸の相性が良いので、茶靴茶のベルトなど秋冬印象の素材とはバッチグーです。

■ Iさんチョイスのデザイン >>>ダブルブレスト6×2JKT ■
>>> 生地が決まったIさんが、今回ジャケットデザインとして選んだのがダブルブレスト6×2。

えっ? ダブルでジャケット単品
そう思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、ファッションというのは絶えず意外性を追求するもの。
これまでは『えっ?そんなのアリ』と思った物が、いつの間にか「意外とアレ良いわね!」となり次第にそれがトレンドになっていきます。

それ故、Iさんのようにトレンドに敏感な方はこういった物を選んでいきます。

ダブルブレストと言えば、、、どうでしょうか?かれこれ20年前に流行ってからは大きくはトレンドとして認められてきていません。
20年前というとちょうど、バブルの頃
やや肩がオーバーサイズ気味のダブルを若かりし頃の吉川晃司が着ていたのが懐かしいですね、、、
ふ〜っ、少しトリップしてしまいそうになりましたが、あの頃ダブルが流行って以来ですから、ホント意外なチョイスです。
しかも、それがジャケット単品ですからね。
ご注文をお受けした私としても楽しみな1着です。

それではIさんのデザイン詳細をご紹介したいと思います。

■ Iさんからのオーダー詳細 ■
 生地 G4098(伊REDA社製SUPER100'S)
 基本デザイン 
ダブルブレスト6×2
 腰ポケット フタ付き
 裏仕立て 総裏
>>> ジャケットの軽快感を生かしお台場は付けずに普通の総裏にしました。
 裏地 キュプラ裏地ネイビー

ポイント1ショート丈ダブルジャケット
・・・ ダブルは一般的に上着丈が長めですが、今回はショート丈
  この辺がバブル期との違いです♪

ポイント2:明るめネイビーの裏地
・・・ 裏地はオーバーペーンの水色に合わせる形で明るめネイビーにしました。
グレイの生地とですとネイビーによって内側がグッと引き締まります。

ポイント3タイトなサイジング
・・・ ダブルの仕立ては一般的にゆとり量は多めですが、Iさんは思いっきりタイトに!
内ポケットに物を入れないという条件で従来対比胴回り1周-3.0cm!
こんなところにも昔のダブルとの違いをアピールしていますね。

ポイント4型紙修正
・・・ 実はIさん以前当店でシングルブレストのスーツでフルオーダーをしておりました。
ですからその時の型紙を使えば良いのですが、、、↑型紙はあくまでシングルブレスト。
そこでちょっと手間が掛かったのですが、前身頃だけダブルの型紙を作り直しました。(+3,150円)
中島さん!ありがとう!

...と、こんなところがIさんのご注文なのですが、これだといつもよりお客様コーナーが短い?
ということで、Iさんの他のご注文を紹介しましょう。

■ シャツのご注文も頂きました! ■
 9月から本格稼働した当店のシャツオーダー。
お陰様で毎日ご注文頂けるようになり、その様子はギャラリーの方に掲載しております。
シャツサイト:ギャラリーのページ

で、Iさんのお選びになられたのは、、、
英トーマスメイソンのドビー織(SH710-5)

小さな市松模様のような柄が生地の表面に立体感を出して、いかにも高級そう!という素材感の生地です。
こちらをデュエボットーニスタイルの一枚襟ワンピース仕様
(ワンピース仕様はWebでは紹介しておりませんが、大丈夫です!)

Iさんにとって何が当店のオーダーで良いかというと、
それは・・・スーツで把握した体型補正

当店では、スーツで鍛えた体型補正のノウハウがありますから、Iさんのオーダーではこんな補正ができます。
  反身強胸厚体なで肩強

Iさんの場合、幸い左右の差はそれ程ないのですが、シャツのオーダーに当たっては念には念を入れてこんな所まで測りました。
 アームホール上腕下腕背幅胸幅etc

トーマスメイソンでオーダーシャツ、それを流行のダブルブレストジャケットに合わせたら、、、
う〜ん、考えるだけで楽しみになりますね。

...と、そろそろエンディングかな?と思われるところですが、実ままだオーダーは続きます。

■ パティーヌシューズもご注文頂きました ■
 事情があって7月で販売終了したパティーヌシューズ。
実は、試着用の見本靴が大量に余っておりました×××

これは見本で使用しましたので少なからず履き皺が付いておりますので、正価で売る訳にもいかず倉庫に暫く置いていたのですが、、、
このままでは、どうしようもない!

...と考え、それなら赤字覚悟で1足15,000円で現物販売してしまおう!ということになって先日から店頭に置いておりました。

で、そのことをIさんにお話しすると、
Iさんの触手がにょきにょき、、、
在庫を見てみると、、、あるじゃないですか!! Iさんにピッタリの6-1/2が!

試し履き用のものとはいえ新品同然の物が15,000円ならありがたい!ということでお買いあげ頂くことになりました。
いや〜、このままパティーヌシューズを置いていてもただの飾りにしかならなかった物が売れました。 ありがたや。ありがたや。。。
(もちろん、押し売りはしていませんよ。念のため)

そんなこんなでIさんもあれやこれや盛り沢山となったご注文でした。

それでは次回、ジャケット&シャツ&シューズのコーディネートなどしてみましょうか?
次回もお楽しみに〜