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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

シャーロックホームズ
一月も後半となり、正月の雰囲気もどこへやらという感じですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
寒さも本格的に、街中はコートにマフラーの装いが多く着回しも楽しい今日この頃ですね。
今期秋冬で気になったスタイルはブラウン×グレーのカラーバランスとコートの着こなし方に注目したシーズンでした。

さて、そんな中、今回はフルオーダーでのご注文で当社でも何度もお仕立て頂いているIさんのご紹介です。
今までもエッジの効いた素材でベストやスリーピースをお仕立て頂いており、その仕上がりにはスタッフ皆も楽しみにしている事も多く、今回初めてご紹介させていただきます。

日常の業務に追われている時、このような手紙とDVDが送られてきました。
お〜っとスタッフ間でも”達筆”の一言。
なんでも一枚60円もする紙のようで、枠組み等は判画のように作成したようです。
現代では、メールでのやりとりが多くこのような手紙をいただくと余計に暖かみを感じてしまいます。
さて、手紙の中にはこのシャーロックホームズのDVDと見本の資料を見て、このようなデザインにして欲しいとのご要望が書いてありました。

〜シャーロックホームズとは〜
アーサー・コナン・ドイルの作品で、1887年から1927年にかけて、シャーロック・ホームズと、友人のジョン・H・ワトスンの織り成す冒険小説の要素を含む推理小説だそうです。
イギリスの月刊小説誌「ストランド・マガジン」に依頼され、短編を連載したところ大変な人気となったようで、私の世代は、「名探偵コナン」に出てくる主人公がとっさにコナンドイルの書物をみて、「コナン」と名付けた印象の方がしっくりきます。
なになに、、、

ワトソン君が失神する直前の場面を参考に!?!?

:「玉岡さん、何分頃にワトソン君失神するんですかね?」
玉岡氏:「え!?見たことないから、わかんないよ」
:「聞いてないんですか?てことは、やっぱり?」
玉岡氏:「もちろん!見るしかない!」

ということで、会社のパソコンで見ようとしたところ、音が出ない(知識不足で出せない?)状況で玉岡氏と誰がホームズで、誰がワトソンなのかすら読めない状況が続いておりました。

玉岡氏におまかせしていると、、、何やら急に騒ぎ出す玉岡氏。
「誰か倒れた!」ということで、ようやく失神の場面に出くわすことができました。

ホッと一安心するも、その場面を永遠と巻き戻し→見る巻き戻し→見ると二人で繰り返して同じ場面を見ていると、見かねた生地部門の川戸氏が登場。
さくさくっと画像をプリントアウト。
パソコンをもっと勉強しなければ、、、と思いながらも、そうこうしている内に、デザインの全容がようやくハッキリしました。
こういう風に映画や資料を見てデザインが思い浮かぶようになるなんて、オーダーをやっていて良かったな〜と内心浸ってしまいます。

さて、デザインがようやく分かって参りましたのでここでスーツの仕様のご紹介です。
このデザインはイージーオーダーでは対応ができない為、フルオーダーでのご注文となりました。
<フロントデザイン>
  • シングル4つ釦
  • 襟:ノッチドラペル
  • フロントカット:レギュラー
  • 胸ポケット:無し
  • 脇ポケット:アウトフタツキ
  • ベルト:フロントショルダーからウエストベルトまで
  • チェンジポケット:左
  • 袖口:タブ付き
<バックデザイン>
  • センタープリーツ/インBOX
  • ウエストベルト
  • センターフックベント
  • サイドインパーテッドベンツ
また、共地でベストもご注文頂いたので、ベストのデザインはこちら。
<ベスト>
  • シングル6つ釦
  • 尾錠付き
  • 背中共地
  • 胸ポケット左右付き

上記が今回オーダーの仕様です。
ここまで辿り着くまで約半日。
なんだか愛着が湧いてきますね。

そこで、型紙を起こすべく当社腕利きのフィッター中島氏に型紙作成を依頼。
ものの数十分で完成しましたが、頭を抱えていた様で終わった後、 「こりゃまたすごいね」と苦笑いで一言。
こんなにさくっと真新しいデザインの型紙をつくれるなんて、今まで培った経験と当社のこれまでのお客さんの特殊なデザインに対応してきた中島氏ならでは、と心底関心してしまいました。

いかがでしょうか。

現在仮縫いを行う状況ですが、仕様変更がありそうな、フロントベルトやポケット位置等は、シーチングというテスト用の生地を一部使用してからの仮縫いとなります。 イージーオーダーでは、補正できないところまで、この仮縫いを通して補正されるので、まさにオンリーワンのスーツに仕上がります。
体型さえ変わらなければの話ですが、、、 フルオーダーの特徴は、平面の生地をアイロンワークで人体に沿った曲線を描いて仕立てられますが、この仮縫い時に補正を入れるフィッターの役割も非常に重要です。
このような拘ったデザインにされる方は勿論ですが、本質でもある自分の身体に合ったスーツの最終終着地はまさにフルオーダーと言えますので拘り派、本質派いずれも是非ご検討ください!

仮縫い、そして仕上がり、そして、ワトソン君はどうなるのでしょうか!
「お客様ありがと〜う」に登場するまで楽しみにしていてください。

....仕上がりが待てない?
そんな方には、同時にご注文をいただいてた、イージーオーダー版ジャケットが完成しておりますのでこちらをご覧下さい。



〜特別編 Iさんイージーオーダーのご注文 〜
今回のフルオーダーでのご注文とベースは変わらないものの、イージーオーダーで出来ないところは、イージーオーダーの範囲内でオリジナルアレンジを加えてのご注文でした。
<イージーオーダー・ジャケット>
  • シングル4つ釦
  • 襟:タブ付きノッチドラペル
  • フロントカット:レギュラー
  • 胸ポケット:アウトフタツキポケット
  • 腰ポケット:アウトフタツキポケット
  • ベンツ:サイドベンツ
  • バックウエストベルト
  • 革ボタン

上記のデザインでご注文をいただきました。

<シングル4つ釦>

現在、2つ釦や3つ釦中掛けといった比較的Vゾーンが広めなデザインが多いのですが、その流れの中で、4つ釦を採用するとどこかクラシカルな印象に仕上がりますね。
<アウトポケット>

胸、脇ともにアウトポケットフタツキということで、仕上がりはとてもカントリー調になり、オーダーならではのポイントです。
フルオーダーでのご注文はハリスツイードでしたが、このような生地でも雰囲気が漂ってきますね。
なかなか店頭にある生地では想像が出来にくいかもしれませんが、この辺りは挑戦してみる価値あり!ではないでしょうか。
<釦>

ハリスなどのツイードによく使用される革釦ですが、このようなホームスパンにも相性抜群です。ひと味違ったデザインをこのような小物でアレンジすると、そのこだわりや、趣向が感じ取られるのではないでしょうか。
いつもは、裏方のようなあまり表にでないのが釦の役目ですが、このようなジャケットに異素材をもってくることにより表舞台にたつ釦の姿は、勇敢ささえ感じさせてくれます。

イージーオーダーでは、このような仕上がりになりましたが、特にこだわりの強いデザインについては、フルオーダーで対応していくケースも多いのですが、イージーオーダーでもここまで、好みを実現することは可能です

比較的低予算でこういうデザインで作りたいんだけど、、、という方もあきらめずご相談下さい!