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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 ミリタリーの誘惑
皆さんは、MILITARY ミリタリー、という言葉から何を連想しますか?

私は、軍隊、軍服、戦車、戦闘機、戦艦、機関銃、大砲、装甲車、国旗など。
そんな恐ろしいモノだけでなく、カーキ、迷彩柄、トレンチコート、ミリタリージャケット、ミリタリーシャツ、ミリタリーウォッチなど、今やファッションにとっても重要なファクターになっていますね。

某有名デザイナーなどは、来日の度に東京の古着屋を覗いては、先達の残したコレクションやミリタリーウエアやミリタリーグッズを丹念に探し求めて、自分のクリエイションにインスパイアしていました。

私も10代後半の頃には、ミリタリーにはまって、上野のアメ横や米軍基地がある福生や横須賀に軍モノを求めて友達と週末度に行った思い出が強く残っています。
中でも、アーミーシャツとM−65はよく着ていましたし、カーキ色の頭陀袋は大学へ通っていた頃も、ラグビー部の合宿で練習着や着替えの持ち運びに随分重宝したものです。

モッズコートは社会人になっても着ていましたが、いまはさすがにタンスから何時の間にか全て消え去ってしまい、「取っておけば良かった」 なんてチョッピリ残念です。

少し話が横道に逸れてしまいましたが、そろそろ本題に入りますね。
実は先日こんなメールが届いたのです。ご紹介すると...
ヨシムラ 福田様こんにちわ。
サンプル帳を請求したと申します。
サンプル帳無事届きました。ありがとうございました。

早速ですがジャケットのオーダーについてご質問させていただきます。

私がオーダーしたいジャケットは普通のものではなくてミリタリージャケットなのです。
昔、御社でKさんという方が沖縄で買ったものを型抜きオーダーした物のような、4つの蓋付アウトポケットがあるようなものなのです。
しかも、襟の形はNさんという方がオーダーしたような立折襟、
しかも、襟と肩章をレザー(フェイクレザーでも)にしたいのです。
こんなオーダーは可能なのでしょうか。
ほんとに身勝手な質問ですが、どうぞよろしくお願い致します。


このようにホームページ上に掲載しているオーダースーツのヨシムラならではのオリジナルなデザインスタイルを、お客さんが自分の服をオーダーするために参考にしてくれたり、役立ててくれたりと、この点大変嬉しく思いますしとても励みになります。

また、この問い合わせの返信を高岡ショップマスターが懇切丁寧なメールで、ジャケットの仕様について...
  1.イージーオーダー 
  2.型抜きイージーオーダー
  3.仮縫いフルオーダー
以上3通りの方法でメリット、デメリットを含めてご案内したところ、
Sさんからフルオーダーで注文することにしたので、ついては9月24日11時頃に来店したいとのメールが返ってきました。
ありがとうございます!

そして当日、Sさんが汗をかきながらやって来ました。

Sさん「こんにちは、11時に予約しているSです。」
玉岡 「いらっしゃいませ。Sさんお待ちしていました、今日はミリタリージャケットのご注文ですね。私、本日、承ります玉岡です。よろしくお願いいたします。」
Sさん「こちらこそよろしくお願いします。」

Sさんは、とても爽やかで清潔感がある好青年
実はお会いするまでは、この類のオーダーをご希望する方に多い?マニアックで拘りが強い方を想像していたのですが、お会いするなりその杞憂は吹っ飛び、和やかなムードでコミュニケーションが出来ました。
また、暑さと緊張感のためか、Sさんのとても汗かきな点が私と似ていて大変親近感を覚えたりもしました。

そうそう、肝心のオーダー内容ですが、こちらです。

□ミリタリージャケット仕様□
 生地 G4061 ヨシムラオリジナル 黒無地
【ジャケット】
 前ボタン シングル4つボタン4つ掛け カスタム仕様
 衿型
ノッチラペル
 ベント
センターベント
 胸ポケット
パッチ&フラップ付きボタン留め ボックスプリーツ付き カスタム仕様
 腰ポケット パッチ&フラップ付きボタン留め プリーツ無し カスタム仕様
 袖仕様
ターンアップカフス付・ボタン無し カスタム仕様
 前カット カッタウェイ
 裏仕様 総裏
 裏地 Z494-13 ネイビー無地
 ボタン 艶消しシルバーメタル
          ※他に肩章付き

オーダーの詳細が決定する過程で、当初衿にフェイクレザーを使った立折衿にする予定でしたが、リアルな生地をそのまま使用したスタンダードなノッチドラペルに変更することにしました。

そして次は大事な採寸と型紙制作です。
Sさんは、身長184cm、バストもヒップも100cm超という大柄な方です。
そのため、今回のご注文のようにアウトポケットなどのディテールが多いデザイン物では、各部の細かなサイズと全体のバランスに物凄く気を遣い、元になる型紙の制作では担当する中島氏と綿密な打ち合わせを行い、ブレの無いように仮縫い服の縫製にあたってもらいました。
仮縫い当日は、誠実なお人柄のSさんらしく約束の時間より少し早めに来店され待機してくれていたので、仮縫い服の着せ付けにスムーズに入ることが出来ました。

此処ではオーダー服の生命線であるサイジングを完璧に行う必要が有るので、否が応でも緊張感が高まります。案の定、私が採寸した袖の長さや着丈がSさんの大柄な体型やポケットサイズに比べて少しショートしていました。
仮縫いでこの辺の調整が出来るのは、お客さんにとっても我々にとっても凄くメリットです。

ポケットやカフスのサイズもひとつひとつ作った型紙でシミュレーションしてSさんも納得、この間一汗かいたこともあって、仮縫いが終わるとホッとした様子でした。

さぁ、これで型紙の補正とデザインの微調整を行ったら、ハンドメイド工場で本縫いと仕上げです。

Sさん、お疲れさまでした
出来上がりまでしばらくの間お待たせしますが楽しみにしていて下さい。
この度はファーストオーダー、ありがとうございました!!!