|
 |
|
ダブルベストは、いかがですか？ |
| そろそろ10月を迎えようとしており、ようやく朝晩と過ごしやすくなりましたね。 この季節は、これまでの湿気の多さも無くなり、独特の澄んだ空気をおいしく感じる今日この頃ですが、皆さんはいかがでしょうか？ 暑い暑いと言っていた日が少し懐かしくも感じてしまいます。  さて、そんな秋になり、気温も下がってきたことから、秋冬物のオーダーが加速して参りました。 今年の新作生地達も工場へ旅立って、立派な姿に仕上がってくる秋冬スーツ達も徐々に増えてお客様の元へ旅立っていっております。 今回は仕上がりではなく、いつもご愛顧頂いているＷさんより、少し変わったベストのご注文を頂きましたので、早速ご紹介させていただきます。 Ｗさん、いつもありがとうございます☆ 経緯は、もともと９月頭にご来店頂きスーツのご注文を頂いた際、ベストのご相談をいただきました。 色々方法を探してみたのですが、最終的にイージーオーダーではデザイン・ディティール出来ないということになり、最終的にフルオーダーでのご注文を頂くことになりました。 当社の場合、コストパフォーマンスの良いイージーオーダーで可能な限り手段を探りご希望に添えるよう頑張っているのですが、最後の砦がフルオーダー工場です。 ただ単にフルオーダー・ハンドメイドだから何でもできる。 と、言うわけではなくどれだけお客様のご希望するものと作成する側である工場の間を私達販売者側が取り持つか。 ここも非常に重要になって参ります。 その点も含め、詳細をご案内させていただきますので、是非参考にしてください。 それでは、下記ハンドメイドベストのご紹介です。 |
 |
|||||||||||||||||||
上記が今回ご注文頂いたベストのデザインです。 ダブル（Ｗ）のベストは、私も注目しており、雑誌やコレクションにも度々登場しているのを見かけます。 以前映画で「華麗なるギャツビー」の衣裳もダブルベストが沢山出ていましたね。 そこで、 何故イージーオーダーでは作成出来なかったかと申しますと、ボタンの数が一番のポイントでした。 ボタンなんて増やせば良いだけじゃないの？と思われがちですが、イージーオーダーの場合、ある範囲を超えるデザイン補正はシステム上できないからです。 当社では、一番多くても６×３個掛けですが、それにボタンを４つ加えるとなるとＶゾーンも修正の粋を越え、お手上げ状態でした。 そこで、その際に案内していたハンドメイドで仕立ててみては？...という提案です。 今回のポイントは、もしそのデザインが気に入っているのであれば、フルオーダーで一度作成して、その型紙を使用して縫製できるイージーオーダー工場へ出してみては？ということです。 こういうご注文は、当社でも度々受けており、決して多くはありませんが、一度ハンドメイドでマスターパターンを作り、その後型紙使用イージーオーダーのご注文を継続的に頂いている方もいらっしゃいます。 マスターパターンへの投資と考えれば、有効かもしれませんね。 そして、こちらがお預かりしたＷベストです。 |
|||||||||||||||||||
 |
|||||||||||||||||||
かなりヴィンテージ？な代物のようでしたが、実際生地もピンピンしており、昔の生地は頑丈だなぁと感心してしまいました。 そういえば、ちょうど今季取り扱っている当社オリジナルヴィンテージ素材のようだなぁなんて、 話は逸れましたが、画像のベスト（お借りした見本服）にピンを打っているのをご確認いただけますか？ 何でも、お持ちいただいたベストを更に自分の好みにされたいということで、色々変更点を伺いました。 こちらは、ご注文時に具体的に変更点をまとめたところ。  （字が汚くて、すみません...注文時はポイントポイントで書いていますので...）■ 拘りのポイント ■ 【ボタン位置】 既にフロント１０×５個掛けということで、狭いＶゾーンでしたが、更に！ 現存のボタン位置よりも５センチ程上に上げたいとのこと。 ここまできたらハンドメイドならではの自由性が発揮ですね♪ ただ、この辺りは見本服という具体的な寸法・形があるからこその部分かもしれません。 Ｗさん、見本服をお持ちいただいて本当にありがとうございます！ 【衿幅】 近年では、上着の襟幅が狭くなるに伴い、ベストの衿も狭くなっております。 今回お持ちいただいたベストの衿幅はなんと、９センチ！！！ 私が上着を仕立てる際、太めに指示するときの寸法と同じ衿幅です。 そこを今回は標準に戻し７センチにてピンを打ち、確認していただきました。 【ボタン間隔】 通常ダブルベストの場合、第一ボタンから下に行くにつれ、ボタン間隔が細くなっていきます。 しかし、見本服のそれとは違った全てのボタン間隔を同じ幅にすることをご希望されていました。 この辺りは実際にこれまで色んな物を着てきた経験則と感性として人それぞれあるのかもしれませんね。 【ゴージライン】 ボタン位置を高めにすることにより、Ｖゾーンも上に上がるため、ゴージラインが重要なポイントになってきます。 そこで、比較的低いゴージラインを今回は少しだけ上げて、全体的なバランスに均等性を持たせることにいたしました。 いかがでしたか？ イージーオーダーでは、対応が難しい場合の一つの方法としてハンドメイド工場によるマスターパターン作成という方法をご紹介させていただきました。 仮縫いには、是非とも参加させて頂きたいと思っておりますが、またご紹介させて頂きますので、楽しみにしていて下さい。 最近風邪が流行っているようで、気温の差も激しくなってきております。 特に朝晩の冷え込みはこれから一層強くなって参りますので、寝冷えや風邪には十分お気をつけ下さい。 食欲の秋、読書の秋、運動の秋、、、 健康に頑張りましょう！ Ｗさん、お忙しい中ありがとうございました。 仮縫いでお待ちしております☆ |
|||||||||||||||||||