お客様、いらっしゃ〜い!!: 鉄道に魅せられて
「僕 大きくなったら、○○になるんだ!」
子供の頃、大人になったら、宇宙飛行士なるんだ... バスの運転手になるんだ。おまわりさんになるんだ...
消防士になるんだ... レーサーになるんだなどなど...よくも無邪気に宣言して、転職(笑)したものです。
その職歴?のひとつに、
電車の運転手もありましたが、いつの間にやら、みんな雲散霧消して、今や洋服好きが高じて、すっかりオーダー馬鹿になりました。
少し話が横道にそれましたが、ここから本題に入りますね。
実は先日、私が生地サンプルを送ったお客様からこんなメールが届いたのです。
ご紹介すると、、、
オーダースーツのヨシムラ 玉岡様
お世話になります。
生地サンプル帳が無事到着しまして、一通りに中身を拝見しました。
ただ残念ながら欲しい生地がサンプル帳にありませんでしたので、貴店に訪問して製作の打ち合わせをしたいと考えております。
今回は一から作るのではなく、手持ちしている麻のスラックスをそのまま同じ物を作りたいのです。
(その手持ちのスラックスはサイズが合わないので、私の体型を測ってサイズにあうように作る必要がありますが…。)
詳しいお話は、貴店に訪問した時にお話ししたいのですが、下記の日時でご都合頂けますか?よろしくお願いします。
とまぁ、こんな型通りのメールを頂いたときは、レディメイドで自分のサイズに合った麻素材のスラックスが見つからないからオーダーしたいんだなぁ?と思っていたのですが、、、
ご来店当日、Uさんから直接話を伺ってみると、手持ちしている麻のスラックスと言うのは、鉄道マニアが通称
「カレチ」と称しているJR民営化前の
「国鉄」の制服スラックスだったのです。
鉄道マニアのUさん、なんでもインターネットでやっと見つけたカレチを、サイズも無視して購入してみたものの、着ることが出来ないと悶々としていた時に、「オーダースーツのヨシムラ」で取り上げたWeb上の
カレチに関する記事を見つけてメールをくれたそうです。
この時は、講談社さんから依頼があって、レディメイドでMLサイズ各5着の計10着を
限定生産したもので、今日まで国鉄制服レプリカはKさんがオーダーした鉄道省制服昭和9年物などが有りましたが、ズバリ、カレチのオーダーはUさんが第一号でした。
当初、スラックスだけのご希望でしたが、生地が決まった段階で、やっぱりジャケットも体型に合ったものを作りたいということになり、結局ジャケット&スラックスのオーダーとなりました。
作りについては、始めは型紙から行うフルオーダーを検討していたのですが、青森工場ならUさんのご希望にほぼ近いものが作れると思い、今回はエコノミーなイージーオーダーでどこまで出来るか?
チャレンジです!
素材は、レディスコレクションから選んだコットン、リネン、テトロンの3素材がブレンドされたストレッチキャンバスに落ち着きました。決め手は、なんだったと思います?
答えは、「色」です。
オリジナルに近いナチュラルなオフベージュの発色に、Uさん、納得です。
さてさて、仕様はどのようになったでしょうか?
次は大事な採寸と補正です。
Uさんの好みのサイズ感を聞きつつ、サンプルのフォルムをしっかり確認しながら、メジャーを当てて行きます。
仕上げは、フルオーダーだったら仮縫いに当たるゲージ服(サイズ・フォルム見本服)を着てもらって、パンツ、ジャケットの順にフィッティングです。
以上で、Uさんの制服注文受け付けは無事終了です。
一か月後の仕上がりまで暫くの間お待たせしますが、楽しみにしていて下さいね。
オーダーありがとうございました。