2015年9月25日更新

お客様、いらっしゃ〜い!!: 渾身の一着(20代後半ver)

 そろそろ10月になろうとしておりますが、随分秋めいて参りましたね。
街中でも上着を着ている男性が増えて参りましたが、皆さんはいかがでしょうか?
私もようやく気持ちよく上着を着られる時期になり快適に過ごしています。 が、しかし… 早速私風邪をひいてしまいまして、皆に「大丈夫!?」と心配されるものですから熱を計ってみると38.7℃。
10代の時は38℃代までは問題なく過ごせていた記憶があるだけに、体力の衰えを感じている東京店SHOPMASTER高岡です。

  さて、今回ご紹介するスーツは、20代後半という若い世代のSさんのスーツ。
もともとの出会いはお父様のSさんよりご紹介頂き、初めて会った日から約3年程経ちます。
当時は、新卒として不安や期待に胸躍らせる時期だったのを覚えていますが、その後とても過酷な職場(海外での長期間船上勤務)で仕事をされ、体力も気力も削がれる状況でも帰国頂いた際は、店頭にお越しくださり色々と話を伺っておりました。
その後転職され、転職後は非常に前向きに仕事に打ち込んでおられるようで、有り余るバイタリティさえ表情で伺えます。

  そんなSさんが、新たに新作秋冬物が入ったということで秋冬物のご注文で8月末にお越し頂きました。
Sさんが当社でお仕立て頂いたスーツは秋冬物、春夏物と各々2着ずつ。
これまでのご注文では旬な色柄を好まれる傾向にあり、チェック柄やハッキリした線の入ったストライプ、フランネル等の生地をセレクトされていたSさん。
そんなSさんに個人的にオススメしたいなぁなんていう生地がございました。
それはお洒落心満載なSさんに対して、敢えて汎用性の高いベーシック寄りなスーツ。 少し様子をうかがいながらオススメした生地がこちら↓↓↓



G4083(ウール57%、シルク43%)   WOOL&SILK ネイビーヘリンボーン
新作2015年秋冬サンプル帳 P.18 

Sさん「おっ!!! いい感じですね!」
と、興味を持たれたご様子。
その理由は、落ち着いた色味・柄ではあるものの、シルク混の独特の光沢感と色味の深さだったようです。
「ですよね??早速肩にかけてみましょう!」
ということで、2点ほどオススメした生地の中から上記生地に決定しました。

実は私自身の本当の狙いは、 30代を目前にして、これから様々な“機会”が増え始める時期ですから、それらに対応できるスーツ。
例えば 仕事では重要な会議や、プレゼンテーション、営業...仕事から少し離れたところでは、結婚式や結婚式の二次会、パーティ、ちょっとしたレストラン等...これらを全て網羅できるスーツがあるととっても便利ですよね?
そんなある種、保守的なスーツを目的とした私に対して、Sさんのチャレンジングなお洒落心に反応したのは、タテ糸とヨコ糸にコントラストを付けることにより深みのある色合いと、独特の光沢感。
もちろん葛利毛織社=ションヘル織機は健在で生地もふくらみのある印象に織り上がっております。

さて、今まで色々なデザインに試されてきたSさんですが、どのようなデザインに仕上げたのでしょうか?

ご紹介させていただきます。

【ジャケット】
・基本デザイン シングル3×1(中掛け)
・ベント サイドベンツ
・腰ポケット ナナメハッキング±1.5 チェンジポケット付き
・胸ポケット バルカポケット
・見返し 一枚台場
・袖釦 本切羽/釦キッシング
・フロントステッチ コバピックステッチ
・釦 艶無し鼈甲
・裏地 LI-2508

>>>おやおや!?
なんだか見慣れない裏地が出て参りました…

そうなんです。
実は!先日よりブログやWEBでもご紹介させていただいておりました「キュプラ裏地」の新作が約100種類、裏表使えるものの裏側も入れると約150種類に増やしました! 詳細はこちら >>

【パンツ】
・タック ノータック
・脇ポケット タテ
・ピスポケット 左右フタツキポケット
・裾口 ダブル4.5センチ
【ベスト】
・フロント S6×6
・胸ポケット 左付き
・尾錠 有り
・備考 胸ポケット
 上記デザインは、全体的にクラシカルな英国風スーツ。
目上の人にも受け入れられやすいスタイルで、若い方にオススメしたいデザインです。(もちろん年輩の方にももちろんオススメです。)
シルエットも5ミリ単位で胴回りや着丈など微調整されてきたSさん、題名のように「渾身の一着」が出来上がるように期待しています!

出来上がりは
その関係から少し出来上がりのご紹介までお時間を頂くかもしれませんが、是非参考にしていただければ幸いです。