2015年10月16日更新

お客様、いらっしゃ〜い!!: 名探偵ポワロコート。

 随分気温も下がり、ファッションが楽しい季節になりましたね!
小学生の6年間制服を着て登校していたのですが、下は一年を通して半ズボン...
6年間冬につらい思いをしてしまったこともあってか、今となっては夏お洒落を楽しめるハーフパンツに、今でも手が出せないままでいる東京店高岡です。 (私の実家周辺は田舎になればなるほど、小学生は制服が多かったのです...)
しかしながら今やスーツやシャツのオーダーを承っている私としては、シャツ・ジャケットを小さいながら着用していた事に運命すら感じてしまっております。(笑)

  さて、今回は、少し変わった「ネタ」(?)をご紹介させていただきます!

皆さん、「名探偵ポワロ」ってご存じですか?

 
恥ずかしながら、私は今回ご注文いただいたKさんから伺うまでその存在に気付いておりませんでしたが、海外ではとっても有名なシリーズだとか。
イギリスの私立探偵で元ベルギー警察。
ぴんっとはねた口ひげに、全体的にまる〜いフォルムが一度見たら忘れない程のキャラクターです。
着ているスリーピースやコートがとても雰囲気があり、DVDを借りようと思っています。 (連勤中に付き、いまだ時間がとれておりません。涙 10/27執筆)
ポワロの画像をこの場でご紹介したいのですが... 大人の事情で出来そうにありません、すみません...

 「コツッコツッコツッ」とステッキを片手に颯爽とスリーピースを纏い、馴染んだ手巻き蝶ネクタイを締め、ハットをもう片方の手で脱ぎながら「こんにちは。」とお越し頂くKさん(ページトップ画像)。
そんな、昔からご愛顧いただいているダンディなKさんは、私が入社した頃から可愛がってもらっており、色々とスーツやスタイルでも勉強させていただいたのですが、「BAR」にもとっても詳しいKさん。
話を伺うと色々なBAR事情に精通されているらしく、あの「島地さん」とも良くお話されるとか。
そんなKさんが「名探偵ポワロ」の衣裳をテーマにオーダー頂いていた理由は... Kさんに伺ってみたところ、一言。
Kさん:「体型が近いからです。なかなかいないんですよねぇ手本になるような人が。」 とのこと。
確かに、モデルさんなどは細くて、身長も高くて...「カッコイイ!」と思っても自分の体型を見てみると、「。。。」となることも多いですよね。
「自分の体型+自分の好きなスタイル」というお手本を探すのはなかなか難しいもの。

ただ、映画(当社実績では007のボンドスーツ(新作公開に向け最近ご注文が更に増えました!))やドラマ(当社実績ではハゲタカスーツやMOZUスーツ)を参考に良い見本を探すのもとても楽しいモノ。
是非皆さんも、「こういうのかっこいいなぁ」から、ご自身のご体型に近い人物がマッチした映画やドラマ、音楽など探してみてください。 (私はマイフェアレディのヒギンス教授ですが、体型は違うと思います。。。)

  さて、脱線してしまいましたが、今回ご注文頂いたのは「ロングコート」。
膝下20cmくらいの「スネ」中央部辺りまでの丈が欲しいということでした。
その長さ、なんと130センチのロングコート。
近年はショート丈が流行だったのですが、ここ最近少しまた長くなってきているようです。
大体膝上丈位が最近の旬です。
そんな、少し長くなってきているコート丈と言っても今回ご注文いただいた膝下20cmはなかなか最近見ないのですが、名探偵ポワロは颯爽と着こなしています。 (再:画像をお見せしたいのですが...すみません。)

二人でWEB画像を何枚も見返して決めたデザインが下記内容です。
<生地> G4089   葛利毛織社 SUPER140'S フランネル。

 ウール100%ながら、極細原毛であるSUPER140'Sの原毛を沢山使用してフランネル素材にしたこのシリーズは、肌触りの滑らかさ+ぬめり感のある光沢感+ションヘル織機による適度なタテ・ヨコのテンションにより圧倒的な人気を誇ります。
通常スーツやジャケット、パンツ等お仕立て頂くのですが、Kさんは厚地のコートは持っているから、少し薄目の生地が良いという要望にうまくフィットしました。
■ロングチェスターフィールドコート■
・フロント 比翼フロント/3B
・衿 ピークドラペル(ワイドラペル)
・胸ポケット 無し(工場に相談中)
・脇ポケット フタツキ
・ベント センターベント釦無し
・肩 コンケープドショルダー
・備考 フラワーホール左右付き
以上が、色んなポワロの画像を見て、Kさんのお気に入りポイントや、私からの仕立て目線を加えて決めたデザインです。

一つ、センターベント釦付きか、センターベント釦無しか、について、私が画像を見て改めて確認する旨伝え、その日は終了しました。
家に帰って、画像や動画を2日ほど漁っていたのですが...ぎりっぎりの所で背中のシーンはあるのですが、肝心の下部ベント部分の詳細が無い!!!
どうしようどうしようと、何度も見ていると、ほんのちょっとチラッとはだけているシーンがあり、釦はついていない(と思う)場面をみて、早速Kさんへ連絡。

私:「Kさん!!急に電話すみません!ぼ、ぼたん、付いてなさそうです!多分...」
と、いうことで最終的に「センターベント釦無し」にて進めることにいたしました。
気に入ってくれるといいなぁ。
Kさん、楽しみにしていて下さい!
ポワロコート第一陣、出撃中です。

〜最後に〜
Kさんとオーダーの打ち合わせが終わり、毎回定番のように伺っている質問があります。
それは、「これからどこのBARですか?」という質問です。
いつもはオーセンティックなバーの場所を目指されているのですが、今回伺ってみたところ...

Kさん:「ゴスロリ・パーティーです。」
ゴスロリとは...ゴシック・アンド・ロリータ通称(ゴスロリ)で、ひらひらしたレースやフリルといった少女的デザインを多用したドレスに、十字架などの呪術的なモチーフをあしらえるファッション。

私:「Kさん、守備範囲広すぎます!」

 ...ということで、とっても印象的な一日になりました。