オーダースーツのヨシムラ >> お客様いらっしゃ~い >> 50's テディージャケット
2018年8月10日更新
8月も中旬に入り丁度明日からお盆休みに入られる方も多いのではないでしょうか?
実家に帰省される方や、連休を利用して旅行される方、家でゴロゴロとのんびりされる方様々ですが、この記事を読んでいる読者の皆さんはどうお過ごしになるのでしょうか。
社会人にとっての『夏休み』を楽しく充実したものにしていきたいですね♪
ちなみに私はというと、真夏の暑い中避暑地に行くわけでもなく、より暑い実家の名古屋に帰省しまぁ〜す(汗)
東京と比べるとその暑さたるや、、、凄まじいですよ(汗)(汗)(汗)
是非皆さんもこの暑さを体験しに名古屋に来てくださいね。(観光大使か!ってね。)
さて、日本中この真夏の暑さからは逃れられないでしょうが、そんな暑い夏に熱い心(スピリット)を持ったお客様S様がご来店くださったのでご紹介したいと思います☆
S様がご来店されたのは暑い日の夕方でした。(暑いと言いすぎですね、、、)
お店の自動ドアが開き、いらっしゃいませ!を遮るように開口一発目に、
『あのね!エドワードジャケット作ってほしいんだけど!!』
と勢いよくご登場したS様。『えぇ?!エドワード?!』っとあまりの勢いに少したじろいでしまった私ですが、S様は止まりません(笑)。
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さて、何よりもこのコーナー『お客様いらっしゃ〜い』をご覧いただいてご来店いただいたことは非常に嬉しい限りです。
ですが、ご希望いただいたジャケットはなかなか特殊なものでした(汗)
見せていただいたジャケットの写真が他社のサイトに上がっていたものですから写真の掲載ができませんのでここは一つ絵でご紹介したいと思います。
見事な絵ですが、実は私は描いてなくて、、、、この絵は今ヨシムラで研修中の過去にデザイナーをしていたスタッフ舗田(しきた)氏に描いてもらいました。ありがとう!
自分で描けよと突っ込まれそうですが、私が描かないのは、ものすごく下手で伝わらないからです。(涙)
そして、ここでちょっと補足をしたいなと。
なんどか話に出てくる『エドワード7世』と『テッズ(テディーボーイ)』とは何ぞやと思う方もいるかと思いますので軽く説明をしますね。
1901年~1910年のイギリス国王で、世界で最も服を持っている男という称号を得た事もあり、元祖ファッションリーダーの礎を築いたお方。
フロックコートは、『プリンス・アルバート・フロック』という別称も残されていたり、ベストの一番下のボタンを外すスタイルを確立したり、スラックスにクリース(折り目)を入れることを考案してみたりとあらゆるメンズファッションをリードしてきました。
そんなエドワード7世の愛称は『テディー』と呼ばれ、そして彼のファッションスタイルは『エドワーディアン』と言い庶民にも広く浸透していった。
*S様が見た過去の記事はこちらから→『蘇るヴィンテージデザイン』
直訳すると『不良少年』という意味でよく使われる。
テッズとは、1950年代初期、ロンドンのストリートで生まれた戦後初のサブカルチャーグループで、社会への反抗分子として街をゴロついていた労働者階級の不良少年たちが『テディーボーイ』です。
テディーとは、先ほどご紹介した英国国王エドワード7世の愛称で、テッズたちは、エドワード7世のファッションスタイル「エドワーディアン・ルック」を、自分たち流にアレンジしたことからテディーボーイと呼ばれる。
髪型はリーゼントが鉄則で、エッジの効いたダンディースタイル!
かの有名なビートルズも最初はテッズスタイルでリーゼントだったなんて皆さん知ってましたか?!
実はつながっていたんですね♪『テッズ』がエドワード7世からきているものなんて勉強になりました。
話を元に戻しますが、S様の写真を見ながら思ったことがありまして、
これもしかしてフルオーダーでご希望なのかなと考えていると、S様から間髪入れず『フルオーダーでお願いしたいな!』と予想通りのお言葉をいただきました。(汗)
しかしながら、当店では非常に残念ですがフルオーダーはもうお受けすることが出来ない。。。イージーオーダーでできる限りの対応をご提案させて頂きました。
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イージーオーダーでできる限りの再現をすることになり、今回はお仕立てを進めていくことになりました。
そして今回の『50'sテッズ』の雰囲気のある生地を探して行くのですが、
それにピッタリの生地が『ヴィンテージショップYOSHIMURA』で見つかりました☆
それでは、テディーボーイの雰囲気を醸し出す抜群の生地と仕様をご紹介したいと思います。
エドワード7世といえばイギリスの国王だった方。
そこに絡めて、生地が『DUNHILL』なんてところもニクイね!!というところですが、モヘアのシルバーの艶に控えめなグリーンが非常に雰囲気のある生地です。格子の色もエンジというのもポイント☆
一緒に写っている赤のタグも今回の『テッズ』ぽくってエッジが効いて当時の匂いを感じます♪(ジャケットには付きませんが、セットにすると雰囲気が増しますので撮ってみました。)
それでは、今回のキモになるであろう、デザイン(仕様)を続けてご紹介していきたいと思います。
基本デザイン | シングル3ツボタン ボタン位置指定くっつきデザイン |
衿型 | ピークトラペル 上衿切替し 拝絹仕 |
ベント | センターベント |
前カット | 角 |
腰ポケット | レギュラー チェンジポケット付 フラップはすべて拝絹で |
胸ポケット | 箱ポケット 拝絹仕様 |
袖ボタン | 3ツ 表地と同生地でくるみボタン |
裏地 | アニマル(ヒョウ柄)ピンク LI2533 裏を使用 |
基本デザイン | シングル6ツボタン ピークトラペル付き |
胸ポケット | 4ツ |
ボタン | 表地と同生地でくるみボタン |
背裏 | アニマル(ヒョウ柄)ピンク LI2533 表地を使用 |
*今回使用した裏地はこちらからご覧いただけます→『キュプラ裏地』
文章だけではなかなかお伝えしきれないかもしれませんが、おおよそ初めに絵でご紹介した形に近づけることが出来たかなと思います。
ポイントはいつも『!マーク』や文字を太くしたりしてご案内していますが、ほぼ全てが特殊な感じなので(笑&汗)今回は全てが注目ポイントかなと思います。
今回はデザイン面でできなかったこと、袖の切替しは通常通りの3つボタンのデザインになりましたが、ジャケットの顔である前ボタンは、位置やボタン間等は相談しながら位置を決めボタン間までしっかりと指定し雰囲気を表現できたかなと思います。 中々着丈とのバランスも少し苦労しましたが完成後のお楽しみですね♪ |
さて、採寸を終えて、今回のオーダーについてS様の熱い思いを語っていただき、なんとも濃密なお時間でした。
今回のジャケットに先駆けて、テディ-ボーイに必須の『ジョージコックス』のラバーソールも買われたそうです♪(カッコイイ!!)
S様からいろいろなカルチャーや服のこと、ブランドで言うと、『クリームソーダ-』(懐かしい!私も好きでした!!!)なんかまだもちろん健在なんですが、熱いお話を聞けて私が逆に満足させてもらいました!
S様ありがとうございます!!!
最後にS様から、
『いろんなオーダー屋さんを見に行ったけど、だいたいこんな感じでっ見せると無理です。って断られちゃうんだ。
今回は受けてくれて非常にうれしいです。出来上がりが楽しみだね♪』
ありがたいお言葉をいただき嬉しくも思いますが、逆にプレッシャーも感じます。。。(汗)ですがその倍気合も入ります!!!
さて、今回の『エドワーディアンジャケット』がどんな風に再現できるのか、次回の更新まで是非楽しみにお待ちください☆