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クラシカルな英国風コート

2019年2月7日更新


2018年&平成30年もあと残すところ20日程となりました。
毎年聞いてますが、皆さん、良い1年でしたか?
私、南浦は4回目の年男(犬)、さぞかし良い事があると信じて意気揚々と迎えましたが、特段良いニュースも無く、いつもの平凡な1年と言う感じでした。
ただ幸せとは欲しい物だけを手に入れることではなく、今ある物で満足することなのよ、と昔年上の彼女に言われたことを何故か2019年も早いものでもう1ヶ月が経ちました。
2月と言えば、バレンタイン♪
このHPのご覧の諸兄はさぞかし多くの本命&義理チョコを頂くことであろうとお見受け致しますが、悲しいかな、私南浦は本命どころか義理ですら、この何年も頂いたことがないという体たらく。
甘いものはあまり好まない体質とは言え、1年に1度の事、1日くらい鼻血が出るほどチョコレートを食べても直ぐには虫歯にもデブにもならないでしょうから、この場を借りて声を大にして素直な思いを伝えたいと思います。

Give Me 高級Chocolate!!!!!!!

さて今回は当店でのオーダーは初めてとなりますが、長らくクラシックなデザインで且つリーズナブルなキャメルカラーのカシミアコートを探してらっしゃったKさんのオーダーをご紹介したいと思います。
Kさんは約20年前にお買い求めになられた黒のカシミアコートを長らくお召しでいらっしゃったのですが、その時代のデザインと今の物と比べた際、ボタン位置やゴージラインの高さの違いに違和感を覚えた為、今回新たなオーダーに至った次第です。
当初は既製品をお考えでしたが、阪急メンズ館やブリオーニ、キートンetc様々なショップを見て回られたのですが、ご予算的に合わず、ではオーダーでとのことで当店をお知りになりお越しになられました。
また今回は定番の黒ではなく、品の良さと繊細なイメージを併せ持ったキャメルカラー
基本色となる黒、ネイビー、グレーのいずれかでカシミアコートをお持ちでしたら、オンオフ問わず使い回しの良いキャメルカラーは冬のコーディネートの幅を広げるのに非常に有効なアイテムです。
因みに私南浦もチェスターのキャメルカラーは持っていますが、オフで着るように来シーズンあたりラグランコート※を仕立てようかと画策中です。
ここ数シーズン、プリーツパンツやコーデュロイ等の一昔前に人気を博したアイテムが再び脚光を集め始めております。
ラグランコートもレディスでは今シーズン、街でよく見かけるようになりましたので、おそらくメンズでも来シーズンは確実にトレンドアイテムとして雑誌でプッシュしてくることでしょう。
トレンド感度の高い方は是非シーズンが本格的に立ち上がる前、要は選択肢の生地の種類が最も豊富な9月頃にはオーダーすることをお薦め致します(かなり気の早い話ですが笑)

※ラグランコートとは・・・・1815年ナポレオン率いるフランス軍をイギリス・オランダ連合軍(プロイセン軍)がベルギーのワーテルローの戦いで破った際、右腕を失った英ラグラン将軍が脱ぎ着しやすいようにと考えられたコートデザイン。
チェスターコートのような付け袖(セットインスリーブ)では無く、ラグランコートは肩と袖が一体となったデザインで、アームホールが大きく取ることが出来る為、全体的にゆったりとしたシルエットとなり、通常のセットインスリーブのコートより格段に脱ぎ着がしやすくなります。

生地

BL1317(Loro Piana Pure Cashmere)

『繊維の宝石』と称されるカシミア、その中でも最上位クラスの品質を誇るロロピアーナのピュアカシミア
百聞は一見に如かず、という言葉が最も相応しいと思わせる生地です。
画像でみてもこの光沢感ですから、現物は言わずもがなです。
シンプルな色目こそクオリティがストレートに伝わるので、長く着る一生物のアイテムは背伸びしてでも素材の良い物を選ぶのがコツです。

◇デザイン

1.基本デザイン シングルチェスター
>>>現在のチェスターコートは非常にシンプルなデザインで認識されておりますが、本来の英国正統派チェスターコートの定義は、素材はウールorカシミア、シングルでフロントが比翼仕立て、且つ上襟に黒のヴェルヴェットを使用したものとなります。
今回お題目に〝クラシカルな英国風コート″と銘打ったのは、Kさんがこの上襟部分にネイビーのヴェルヴェットを付けた仕様をご希望なさったからに他なりません。
黒とネイビーとで迷われたのですが、ベースのキャメルカラーに対し黒だときつい印象に仕上がるであろうし、ネイビーの方が全体的に品のある雰囲気になるとのことでネイビーをお選びになられました。
2.フロント 3ボタン比翼仕立て

>>>比翼仕立てとはフロントボタンを留めた際、ボタンが見えないように同じ生地で覆い隠す仕様のことを言います。
この仕様にすることによりフォーマル感が高まるのですが、本来チェスターフィールドコートは最もフォーマルなデザインとなりますので、この比翼仕立てにすることが正統ということになります。

3.襟型 ノッチドラペル
4.胸ポケット バルカ
5.袖仕様 4ボタン キッシング
6.裏地 キュプラ ブロンズカラー

以上、今回はこのような内容にて進めることとなりました。
仕上がりは2月末となりますので、今シーズンの出番は少ないかもしれませんが、正統派コートは正に一生物となりますので、年月が経つ程にその価値が増してくることかと思います。
どうぞ仕上がりを楽しみにお待ちください。


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