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夏の宝石:キッドモヘア Dormeuil Super Brio

2019年4月25日更新


今年は天皇退位と新天皇即位に伴いゴールデンウィークが長いところだと10連休なるとのこと
そんなに休んでどこ行くねん?が第一声でしたが、当社も例に漏れず30日、1日、2日はお休みを頂戴し、大阪店は29日~7日までの9連休!
そんなに連続して休んだのは、今から16年前に過労で倒れて2週間入院した以来(笑)
せっかくですから人並みに遠出でもしようと後半に福岡へ行ってまいります。
さては博多どんたくやな!?と思われたアナタ、違います、波佐見陶器市ととり皮(←分かる人には分かる笑)です
超の付く有名店から個人店まで様々ありますが、私は権兵衛派です。
しかも大名では無く香椎です。
立ち退きで駅高架下の新しい店舗になりましたが、個人的には移転前の小汚いいや味のある権兵衛が好きでした、ってどうでもいい話ですね(笑)
海外or国内へご旅行される方も多いかと思いますが、どうぞ皆さん、気を付けていっていらしてくださいね。

さて今回は2018SSよりオープン致しました“ヴィンテージショップYOSHIMURA”に毎シーズンご注文を頂戴しているOさんのオーダーをご紹介したいと思います。
因みにこれまでの履歴はと申しますと、昨年の春夏は生地のロールスロイス“FINTEX OF LONDON”(フィンテックス)のグレーの杉綾織でスリーピースを、秋冬では“HARRISONS”(ハリソンズ)のヴィンテージメルトンでダブルチェスターを、御仕立させて頂いた筋金入りのヴィンテージマニア(笑)です。
今回はHPでもご紹介しておりましたMOXONIA(モクソニア)を狙い打ちで来られたのですが、あいにく東京へ嫁いでしまったのをお伝えしたところ、ならば掘り出し物をと物色されて見つけられたのが、TONIK(トニック)、 SPORTEX(スポーテックス)と並び、DORMEUIL(ドーメル)の名を世界に知らしめたSUPER BRIO(スーパーブリオ)のグレーピンストライプの生地でした。

正直こんなベーシックな生地がよく残っていたな、というのが第一印象ですが、それを見つけたOさんの引きの強さにも驚きです。
このスーパブリオ、同じキッドモヘアを使用したトニックと何が違うかと申しますと、トニックは経(タテ)糸に2PLY※ウール糸を、緯(ヨコ)糸に3PLY※モヘア糸を使用した平織物で、複数の糸を撚り合わせて織り込むので重さが増し、目付390gの仕上がりとなっております。
ただこのトニックのボリュームは日本の夏では暑(厚)過ぎですが、7,8月の真夏と1,2月の真冬を除けば通年着ることの出来る真の合物と言えるでしょう。
(因みにトニックの名の由来は完成時にジントニックで祝杯を上げたからであります)

※2PLY・3PLYとは・・・軽く柔らかな風合いのイタリア製生地は1本の糸(単糸、1PLY)で織られることが主ですが、英国製の生地は耐久性を上げる為、2本の糸を1本に撚り合わせた双糸(2PLY)で織られることが多いです。
この双糸にもう1本撚りを掛けた糸をプラスした物が3PLY。
当然、1PLY、2PLYよりも使用する糸の量が多くなるので、重量感のある生地になってしまうのが難点ではありますが、シワになりにくく、型崩れしにくいので、立体的なシルエットのスーツをお求めの際に適した生地となります。

反面、スーパーブリオはトニックより細番手の糸を使用し、軽量化を図られたシリーズで(目付250g)、日本やアフリカ諸国等、厳しい暑さとなる国々で人気を博しました。
実際に触り比べると、その触感は同じモヘアを使用していても全くの別物、キッドモヘアを60%も使用しているにも関わらず、ハリコシの中にしなやかさが同居している、といった表現がしっくりきます。
これには理由がありまして、それは現在流通しているモヘア糸とは異なるからです。
現在のモヘア糸は高速紡績機を使用したリング紡績モヘアが使われていますが、オリジナルのスーパーブリオでは、トニック同様フライヤー紡績モヘア糸が使用されています。
ちなみに、フライヤー紡績の特徴は非効率な超低速で撚るため、撚りが均一に入り、むっくりとした、滑らかで張りのある糸に撚り上げられることです。
因みにそのフライヤー紡績モヘアは現在のリング紡績モヘアと比べると、10倍の時間が掛かるそうです。
それだけ手間暇を掛けて織られているので、得も言われぬ風合いがあるのは言わずもがなですね。
ただこの感覚を画像や文章で上手くお伝え出来ないのがもどかしい,,,,
あいにくスーパーブリオは1点のみですが、同じキッドモヘアを60%以上使用している生地やトニック調の生地は他のブランドで多くご用意しておりますので、是非一度店頭で触り比べてみてください。

それでは今回のOさんのオーダー内容を詳しくご紹介したいと思います。

ジャケット

基本デザイン シングル2B ロープドショルダー
ベント サイドベンツ
袖仕様 本切羽3B
>>> 袖ボタンの数がフロントボタン数+1が基本です。
腰ポケット チェンジポケット付
胸ポケット ウエルトポケット
>>> バルカはイタリアスタイルに用いられるポケットです。
裏地

ネイビーペイズリー
>>> 南浦が着用分に使おうと思って仕入れた英国製ペイズリー裏地をお見せしたところ、Oさんから、“私もこれで!”とのリクエストがありましたので、当然喜んでお譲り致しました(笑)
素材はヴィスコースで、キュプラと比べると滑りは劣りますが、見た目の風合いはこちらの方が数段上です。
ただ滑りが悪いので袖裏はキュプラを使用します。

織ネーム

OLD STYLE
>>> ヴィンテージクロスにはヴィンテージ織ネームを。
上が現行バージョン、下がオールドスタイルです。
精密さはもちろん現行の方が上ですが、やはり昔の物方が味がありますね。
当然Oさんからのリクエストは後者で。

パンツ

タック 1タック テーパードシルエット
裾仕様 ダブル5cm巾
>>> カブラ巾はパンツのシルエットと身長によって変わります。
例えば170cmと190cmの方でしたら、同じ4cmのカブラ巾の見え方は全く異なりますし、テーパードとストレートシルエットでも同様です。
Oさんの身長はほぼ私と同じ177cm、テーパードシルエットを好む私はいつも4.5cmですので、5cm巾は結構なインパクトになりますね。
ベルトループ
>>> 前回はループ無しの脇尾錠付でしたが、今回はオーソドックスにループ付に変更。

以上、今回はこのような内容にて進めることとなりました。
前回のフィンテックスよりご満足頂けるようにしっかりと御仕立したいと思いますので、Oさん、皆さん、どうぞ仕上がりをお楽しみに、ではでは