2019年9月20日更新
先ずは今回登場して頂くKさんとの馴れ初め?ですが、、、 馴れ初めと言っても、ゲイ風な関係ではありませんからご心配なく(笑)。 Kさんには、それはそれはキュートでチャーミングな奥様がいつもそばについているんですよ(僕、隠れファンです)。 話を戻すと、そもそもKさんがヨシムラへ初めてやって来たのは、注文履歴を確認すると平成26年11月とあるので、約5年前でした。その間、こんなに沢山のオーダーを頂いていたなんて、、、本当にありがとうございます。
一見順調そうに見えるオーダー歴ですが、、、 振り返ってよくよく眼を通してみると、あれあれ?初めてのオーダーからつっかえているじゃないですか(スミマセン)。 実のところ、初めてのオーダーが一番の難関で、先ずは100点満点で70点合格を目指すのですが、この点数さえ初めての出会いだと個々に相違する主観や価値観をひとつにしてクリアして行くのは、中々難易度が高いのです。このハードルを乗り越えて2回目、3回目と回を重ねるごとに精度が高くなり満足度が増して行くのもオーダーの醍醐味です。 しかし、Kさんのファーストオーダーはなんと合格点に達せず破談になりかけたところ(トホホ)、2代目ショップマスターの高岡前店長(初代は社長、3代目は佐野現店長)がフォローに入り、難関を見事クリアして現在に至っています。 そもそもKさんは、仮縫い付きハンドメイドで仕立てたのが最初のオーダーでした。それが仮縫いをしても満足のいく出来上がりにならなかったようで、ゴージの高さ、ラペルのライン、スリムなシルエット等、沢山の点でイメージや希望と異なって出来上がってしまったようです。 要はしっかり聞き取りが出来て無かったためにご迷惑をお掛けしたのですが、オーダースーツの接客は、ドクターの問診のごとく色々な角度からヒアリングをして患者の痛みの真の原因を探るように、お客様の真の希望を色々な角度から聞き出して、縫製工場へ繋いで完成させる仕事です。 Kさんの場合も、前担当者の高岡君が、試行錯誤や失敗を重ねた結果、希望のスーツの元になる型紙を仕上げていたのですが、僕が担当を引き継いだ時には、ご存知のように、職人の高齢化等の理由でハンドメイド工場がクローズしてしまい、その型紙も使えなくなっていました。 義理堅いKさんは、それでもマシンメイド工場の仕立てをそれはそれは慎重に、初めはパンツ単品、次はジャケット単品と順を追ってクリアしてからスーツのオーダーに行きついた次第でした。
そんなこんなでここ1年間でも毎月のようにお越しになってはご自身のオーダーや奥様のオーダーに加え、ご友人も紹介してくれるという有難さの結果、昨年3月に発効したリニューアル記念クーポンの四隅が見事埋まりました!ブラボー!
そこで今回のオーダーですが、クーポン券の四隅を全て制覇してくれた偉業に感謝の気持ちを込めてプレゼントした、ヨシムラオリジナル企画のリニューアル記念特別生地によるスリーピースと相成ったわけです。 ブレーンなネイビー、グレー、ブラックと 3色企画したリニューアル記念特別生地は、 スーパー140’Sのウールとカシミヤ20%をブレンドした原料を元に、国内最高峰の製織技術を持つ葛利毛織さんとコラボレーションしてションヘル織機から生み出された【時代を超えて愛され王道を行く生地】です。 その3色の中から、Kさんがチョイスしたのは、グレーでした。 さてさて、どのような仕様になったでしょうか?
ベストの背は、通常外側も内側と同じ裏地で縫製されるので、派手な裏地を選んだ場合、上着を脱いだ時に他人の眼が気になることがあります。その場合の対応策に、外側はベーシックな裏地をつけて内側と別々にすることも承っています。
以上になりますが、今までのオーダーを活かした拘り満載です。
さぁ、出来上がりは4週間後、さて、どんなエレガントダンディスーツが上がって来るでしょうか? それでは皆さん、楽しみにしていて下さい!