2020年5月8日更新
緊急事態宣言下で自宅待機を余儀なくされていらっしゃる方はストレスが溜まり、大変な思いをされているかと存じます。 出口が見えれば耐えようもありますが、この状況が果たしていつまで続くのか、いつ元通りの生活に戻るのか、今皆さんが先行きに不安を感じていらっしゃるかと思います。 かく言う私もそのように感じている一人ではありますが、とにかく今出来ることは自分が罹患しないこと、人にうつさないこと、一人一人少しづつの積み重ねが元通りに戻る一番の近道であるかと思いますので、皆が力を合わせてこの難局を乗り越えたいものですね。当大阪店では殺菌用の次亜塩素酸水を入り口にご用意しておりますので、どうぞ皆さま安心してご来店ください。
さて、今回ご紹介させて頂くのは、この大変な状況下ではありますが、来月にお嬢様のご結婚式を控えれていらっしゃるH様よりモーニングコートのオーダーを頂戴致しましたので、そちらをご紹介したいと思います。
まず当店へお越しになられた経緯につきましては、当初レンタルをお考えでいらっしゃいましたが費用が高額であるのと、ご子息様もいらっしゃるのでもう一度着る機会があるということで、それならばオーダーで作ろうとお考えになられたとのことです。 ただモーニングコートというとフルオーダー、を思い浮かべる方が多いかと思いますが、当店ではなんとイージーオーダーでモーニングコートがお仕立て出来るのです。 私もこの業界に入りもうすぐ20年のキャリアとなりますが、イージーオーダーでモーニングコートを縫える工場は当グループ会社のオリジナルテクノロジー以外に聞いた事がありません。 少し自慢が入りましたが笑、百貨店も軒並み休業しているこのタイミングで当店のHPを探し当てご来店頂きました。
今回のご注文内容をご紹介する前にモーニングコートについてご説明致しますと、今回は新婦様のお父様ということで新郎新婦に次ぐ主催者となります。 その場合、格式を問わず準礼装のお召し物はディレクターズスーツになります。 これはどうのような物かと申しますと、通常のデザインのブラックジャケットにグレーのストライプ柄のパンツ(コールパンツ)、シルバーグレーのベストを合わせたコーディネートです。(午後6時迄)
その上級、正礼装に当たるのが今回H様からご注文頂いたモーニングコートです。 これは入学式や卒業式などの学校式典で校長先生が、内閣総理大臣が宮中行事において着用する物と言えばお分かり頂きやすいかと思います。 そのデザインの特徴は裾が前身頃から後身頃に掛けて大きくラウンドにカットされており、衿はピークドラペル、ウエスト部分で切り替えがなされており、後身頃には長いフックベンツが入ります。
蛇足ですがこのモーニングコート、いわゆる燕尾服とはデザインも、着る目的及び場所、時間帯も全く異なります。 燕尾服は夜の正礼装で、指揮者やオーケストラの演奏家、ノーベル賞の授賞式で着用するスーツとなり、こちらはフルオーダーでしか縫うことが出来ません。 それも熟練職人でしか扱うことの出来ない、非常に高度な技術を必要としますので、現在では日本中でも少数の職人しか残っておりません。
それでは今回H様よりご注文頂きましたモーニングコートの詳細をご紹介してまいりたいと思います。
※ベストを慶弔兼用にする場合、ジャケット地と同じ物を使用して慶事にはアタッチメントのように白襟を取り付け、弔事では外して使用します。 今回H様は慶事でのみモーニングコートをお使いになられるとのことですので、この白襟タイプのベストでは無く、慶事専用のシルバーグレーの生地をお薦め致しました。
以上、取り急ぎ今回H様よりご注文頂きましたモーニングコートのオーダーをご紹介させて頂きました。 式が6月末のご予定とのことでいらっしゃいますが、その頃にはこのコロナも落ち着いていることを願ってやみません。 また次回は仕上がり具合と合わせてモーニングコートに必要な小物を合わせてご紹介したいと思います。