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続:単品使いの妙

2020年11月27日更新


今年は寒くなるとの予想だったので、これはコートが売れるぞ~と意気込んでいたのに 本日の大阪、まさかの最高気温26°C!(11/19現在)
ただでさえコロナで世の中が大変な時に異常気象まで重ならんでも,,,,,
11月も中旬を過ぎて夏日は流石に勘弁して欲しいです
しかしながら来週からは全国的に20°Cを下回りグッと冷え込むようですので、そのまま暑さがぶり返すことなく、順調に寒くなってほしいものです。
おそらくご自宅でお鍋をされる方も増えるでしょうから、スーパーの店頭から鍋野菜が消えたりするんでしょうね。
食べることばかりで失敬

さて、今回は前回の更新でご紹介させて頂いた

単品使いの妙

をご覧になられて、“俺も欲しい!”とわざわざ福岡から御電話でご注文頂いたWさんのジャケット&パンツをご紹介したいと思います。

詳細をご紹介する前にこちらのWさん、始めてのご注文が何と2002年!
かれこれ20年近いお付き合いで、定期的にスーツやシャツ、パンツ等のご注文を頂けるありが~いお客様です。
なかなか福岡から気軽にお越しは頂けませんが、以前にはフルオーダーの仮縫いに大阪へ来て頂いたこともあります。
いつもはクラシックなコーディネートをお好みでいらっしゃるWさんが今回は珍しく?笑、若々しいイメージのセットアップをお選びになられたので、これは皆様もご参考にして頂けるであろうと思い立ち、至った次第です。

前回も申し上げましたが、今シーズンに入ってジャケット&パンツのオーダーが劇的に増えまして(当店が推しているからでもありますが笑)、これはビジネススタイルが大きく変化したことが第一ですが、実は着回し力という点において、ジャケット&パンツスタイルは着こなし次第で1+1=2が3にも4にもなるという非常にお得感満載なファッションスタイルであると多くの方がお気づきになられたからだと思います。
現に素材や色柄さえ、極端にカジュアルな物を選ばない限り、紺ブレに代表されるようにビジネスでもプライベートでもお使い頂けるのは皆さま既にご存知でいらっしゃるでしょう。
1つ軸になるスタイル(紺ブレ+グレーパンツ)を持てば、後はジャケットに合わせて濃淡を変えたグレー系やブラウン系のパンツを買い足し、次はそれらのボトムに合うネイビー以外の色目でジャケットを仕立てれば、組み合わせの妙でほぼ1週間、ジャケット&パンツスタイルで乗り切ることが可能です。

と、ここまではジャケット&パンツスタイルの良いとこばかりをクローズアップ致しましたが、着たことが無いから何を選べば良いのか分からないコーディネートを考える必要があるので面倒くさいetcで敬遠されている方がいるのも事実。
そんな方々の為にジャケット&パンツスタイルを攻略するコツを伝授致しますと、まず前者は上述のように定番スタイルを持つということ。
その要となるのがグレーパンツネイビーパンツです。
どちらも無地系で最初はダークな色目にしておけば、ジャケット生地の選ぶ幅が広がりますし、安心感にも繋がるのでお薦めです
続いて後者、考えるのが面倒くさい、これはもう確かにそうなんですが笑、スーツに比べ着こなしの難易度が上がる分、上手くコーディネート出来れば格好良く見える!、一番のメリットはこれでしょう。
特にノーネクタイの場合、スーツだと若干だらしない感が出てしまいますが、逆にジャケット&パンツスタイルだと洒落た感じに見せることが出来るんですね。
ですからフォーマルな場では不向きですが、比較的カジュアルに過ごされたい日にはピッタリのスタイルとなります。

仕立てる上での注意点、それはズバリ2つ
サイズ感素材感です。
ジャケット&パンツスタイルを攻略する上で最も気を付けないといけないのが【スーツの上着だけ(又はパンツだけ)を着ているように見せない】ということ

サイズ感

サイズ感はスーツはスーツの、ジャパンスタイルはジャケパンスタイルの、それぞれの考え方が存在します。
デニムに代表されるカジュアルボトムと合わせることを考えると〝タイト&ショート〟にすることが重要です。
カジュアルボトムはスーツよりもタイトシルエットであることが多いでしょう?
しかも股下の長さもスーツのパンツに比べ短いはずです。
それに合わせるのにジャケットの着丈が長いと胴長に見えてしまい、野暮ったくなるのでスーツの着丈より1~2cmは短くした方がスッキリとまとまります。
横のサイズ感も同様です。
1サイズとまでは言わなくとも、ウエスト廻り等はそれに近いサイズを詰めても大丈夫でしょう。
ジャケパンスタイルの時はフロントボタンを留めずに開けて着ることも多いでしょうから、少しくらいきつめに絞った方がスタイリッシュに仕上がります。

続いては素材感

素材感

こちらもサイズ感同様、スーツの上もしくは下だけを着ているように見せないためにも、ウーステッド(薄く軽くしなやかな風合いの生地)ではなく、凹凸感がありきれい目の生地を選ぶようにしてください。
画像のような織が入った物や表情のある生地がお薦めです。

以上、ジャケット&パンツスタイルをオーダーするにあたってのコツをご紹介致しました。
それでは本題、今回Wさんより頂いたジャケット&パンツの詳細をご紹介致しましょう。

【生地】

【ジャケット】X20-4605
伊Bottoli社製 ネイビー×グリーンタータンチェック

【パンツ】
X20-3601&3604
4PLY VINTAGE ARCHIVE ネイビー&グリーン
【ジャケットデザイン】
基本デザイン シングル2B
衿型 ハイゴージ ノッチドラペル
ベント センターベント
胸ポケット バルカ
腰ポケット アウトパッチ フタ無
袖口仕様 4B重ね
裏地

胴裏:AK1600-27(カーキ)
袖裏:LI2569(ネイビーストライプ)

ボタン ナットダークブラウン
【パンツデザイン】
前タック イン2タック
裾仕様 ネイビー:シングル
グリーン:ダブル4cm巾

このようにデザイン的には至ってベーシックな内容にて承ることとなりました。
ジャケットデザインにおいてはナポリスタイルマニカカミーチャ仕立をお薦めしたいところではありましたが、あくまでWさんはお仕事でお召しになる比重の方が高いとのことで、通常のセットインスリーブでいくことと致しました。
仕上りはおそらくと申しますか、ほぼお送りになりますので、Wさんのご着用画像をご紹介することは出来ませんが、平置きの状態で御覧頂けるかと思います。
私の勘ですが、かなり渋い仕上がりになる予感がしております。
Wさん始め、皆さまどうぞ楽しみにお待ちくださいね。


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