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バックスタイルが☆COOL☆なスリーピースのご紹介です。


ジメジメと蒸し暑い日が多くなり、『もうそろそろ大嫌いなアイツがやってくる。。。』そう思うと今から憂鬱な気持ちになってしまう今日この頃。
アイツって?!誰?!知りたいですか?それは、、、『梅雨です。。。』

そう、きっと梅雨が好きな人は、いないんじゃないかと思うのですが、
(好きな人がいたらすみません。。。)湿度が高くじっとりとした暑さは、
体力はもちろんのこと、精神力まで奪われていく、、、プラスでコロナで
四六時中マスクですから、ダブルパンチでノックアウトされてしまいそうです。
まあ、まだ関東は現時点(5/25執筆)で梅雨入りしていないですけど。。。
今でグズグズ言っていたら、本番は耐えられませんね。(汗)

さて、そんないつもつまらない僕の独り言はここまでにして、(なら書くなよ。。。って思った方、スミマセン。)読者の皆さんは、今年の夏、どんなスタイルでファッションを楽しむ予定ですか??

なかなか外出もし辛く、洋服を新しく買う(仕立てる)事をどうしても後回しにしてしまいがちな時代ですが、こんな時代だからこそ、普段着ない洋服やスタイルにチャレンジして、来たるべき時に備えるのなんてのも、いいかもしれませんよ。

『明けない夜はない。』じゃないですが、いつかこの時代が終わりをむかえて、
また何の不安もなく思いっきりファッションが楽しめる時代が来るはずですから。
さて、そんな皆さんのファッション欲を刺激するような、スパイスの効いたオーダーをいただきましたので早速皆さんにご紹介したいと思います。

今月末まで開催中の《春のジャケット&パンツフェア》でもトライしたくなるそんなオーダーですから、読者の皆さんも是非参考にしてみてくださいね。

今回皆さんにご紹介させて頂くお客様は、本コーナーに何度も登場している、常連様、若きファッショニスタのAさんです☆

いつもAさんは、当店で様々なお仕立にチャレンジして頂き、その度に工場と私の引き出しを色々増やしてくれるのですが、(とってもありがたいです!!!)いったい今回のチャレンジはどんなものか、、、それは1通のメールから始まりました。

いつもお世話になっております。Aです。

前回も申しましたが、リネンで一着考えております。
そこでパンツのディテールで相談させてください。過去に見ていただいたかもしれませんが、添付写真の様な臀部ワンポイントの尾錠は作成可能でしょうか。

毎回無理な注文で恐縮ですが、ご検討よろしくお願いします。

これまた今回も中々チャレンジグな内容(汗)ですが、これが実現出来たら絶対カッコイイ!!! そして、絶対自分もマネしたい(笑)と、ワクワクしながら、できるかなぁ~と期待半分、諦め半分?!で工場に問い合わせることに。

さて、その答えは、、、

『型紙を作りますので、可能ですよ。でもパターン代は御願いしますね。』

と言う嬉しい答えが返ってきました!!!
幾らでも払いますよ!と私が勝手に答えてはいけませんが、(汗)きっとAさんも同じ思いのはず。
色々な事にチャレンジしてくれる心強い工場がグループにいてくれるのは、心強いものです。
通常なら断られる事も力になってくれます。(何でもはできませんが。。。)

早速Aさんにお返事をすると、

『直ぐにお店に伺います。』

とこれまた嬉しいお返事が。

と言う事で早速ご来店を頂いたAさんですが、もちろんと言ってもいいでしょうか、、、課題が一つクリアしたからといって安心できません。(笑&汗)
続いては、はい、そうですね。。。生地です。

今回は《リネンのスリーピース》をご希望とのことで、これまたツウなセレクト。 リネン生地のご用意は多少なりともあるのですが、どれもジャケットを仕立てる事をメインとして揃えてるものばかりで、いまいちコシがないと言うか、スーツとして着るのには少し心もとないものばかりで。

そこでなにかいいリネン生地はないものかと探していますと、掘り出し物のヴィンテージのリネン生地を発見!!!

それがこちら、、、

言葉は悪いかもしれませんが、よくあるペラペラのリネン生地ではなく、正直な話、こんな重いリネン生地ってあるの?!って言うほど肉厚で、生地を握ってみてもリネン特有のシワが殆ど入らないほど。

実はこの生地、ヴィンテージ生地ですしAさん分で終わりかなと思いきや、
もう1着分見つかりまして、、、私が作ろうかなと、、、実はキープしておりまして、って冗談ですよ。(汗)もし見てみたい!!!と言う方がいらっしゃいましたら
お申し付けください。泣く泣くお出しします。(涙)いなかったらいただきますからね。。。

さて、料理で言うところのメインとなる生地は決まりましたが、今回皆さんにご覧頂きたいのは、特殊な生地で作るスーツではなく、特別な仕様を《隠し味》にした、少しスパイスの効いたスーツです。

何が隠し味になっているのか?!それはおいおいご紹介する事にして、先ずは今回のスリーピースの仕様とデザインをご案内していきたいと思います。

【ジャケットデザイン】
基本デザイン 2つボタン ノッチドラペル 衿巾8.5cm
ベント サイドベンツ 長さ20cm
腰ポケット ハッキング1.0cm
袖デザイン 4つボタン キッシング 本切羽
*袖口ボタンホールは中ボタン用の穴にする。
肩デザイン パット無し マニカカミーチャ仕様
裏地 背抜きカンノン仕様 裏地《プリント裏地アマゾン 白》
*パイピング LI-2559 袖裏も同様にする

ジャケットデザインだけ見れば、案外そんなに凝ってはないように思いますよね。
あえて少し特殊かなとご紹介するならば、*印がついている仕様です。

《袖口ボタンホールは中ボタン》
袖口は通常ボタンは前ボタンに比べて小さいものを使用するので、当たり前ですが、それに合わせた小さなボタンホールになりますが、Aさんはこのボタンホールを前ボタンの大きさに合わせた大きなボタンホールを袖口のみに使用しています。

《パイピング LI-2559 オルタネートストライプ》
続いて裏地のパイピングをストライプに変更。
通常は裏地に合わせる、もしくは表地の邪魔をしない裏地をパイピングに使用するのですが、ここをストライプに変更しています。実はこのパイピングをするためには、手作業でテープを作成しなければなりません。。。とっても細かい作業なのですが、グループ工場の青森工場はここまで作り込んでくれます。ありがたやです。
通常ここまで細かい作業はやってくれないでしょう。

この2つの仕様が盛り込まれていますが、隠し味とまでは言えないのかなと。
本番はここからです。

【スラックスデザイン】
基本デザイン 2インタック タックは帯下から大きく開く
ループ無し ベルトレス仕様 Vカット
脇ポケット ストレート
ピスポケット 両玉
裾口デザイン シングル
サスペンダーボタン 付き
☆バック尾錠:特殊デザイン使用 型紙あり

今回の本題は、ここまで読んで頂けているならば、一目瞭然と言いましょうかメインディッシュはスラックスです。 もったいぶりましたが、スラックスの仕様☆の《バック尾錠》が今回のキモです。 しかもAさん、

『いまいち写真だけでは工場に伝わらないかなと思って、型紙的なものを作ってきました。使えますか?!』

なんと、バック尾錠に使う絵を描いてきてくれました!!! これには、私もビックリ。事細かに各部分の長さまで描いてある事に驚きを隠せませんでした。
流石Aさんです。ここまでするお客さまは今の所Aさんしかおりません!

その型紙がこちら、、、

凄くないですか?!
思わず、Aさん、その型紙コピーして私も頂いていいですか?!そして、出来上がったら真似していいですか?!とお願いをしてしまいました。
工場もまさか、お客さまから型紙をある意味持ち込んでくるとは想像していなかった事でしょう。

スラックスがあまりにも凝っているので、ベストはあまりインパクトは無いかもしれませんが、ここまできましたし、お腹一杯かもしれませんがご紹介します。

【ベストデザイン】
基本デザイン シングル5つボタン
尾錠 無し
ポケット 2個
背裏 *背中内側《プリント裏地アマゾン 白》
 背中外側《LI-2559 ストライプ》

ベストは意外とあっさりとした仕上がりで、食後のデザート的な位置づけと言う感じでしょうか、とってもシンプル。

唯一少し凝っているかなと思う箇所は、ベストの背裏です。
通常だとジャケットの裏地に合わせるのですが、ここは2つの裏地を組み合わせて背はシンプルに、だけど中は派手にという味付けを加えています。
実はこの仕様、出来上がりは普通かなと思っていたのですが、想像していたものよりも良いアジを出してくれていて、、、これは完成をご紹介する時にお見せします。乞うご期待!!!

相変わらずと言ってもいいものなのか、Aさんの個性とこだわりに溢れた
スーツをご案内させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
パンツの型紙まで作り込んでくると言う、驚きのオーダーですがその完成は如何に。


次回は完成版のスーツをお召し頂いたAさんに登場して頂きますので、 是非みなさん次回の『お客さまありがとう』までお待ちください。

ちなみに、早速私もAさんの真似をして作らせて頂きます。
こちらも乞うご期待です。。。


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