2021年10月8日更新
この時期、一雨&台風が過ぎる度に涼しくなっていくはずなのに、今日(10/2)の大阪の気温は30°C! 私の中でリネンシャツと素足でローファーは9月末まで、というmy ruleが存在するのですが(どうでもいいですが)、それを撤回したくなるほどの暑さです。 お盆の長雨で暑さが和らぎ、コロナからの回復とリンクしてこの秋冬は頑張るぞ!と気合を入れていた矢先なんで心折られた感じが半端ないです。 しかし緊急事態宣言が明けての週末で絶好の天候ですから、普通ならどこかに行楽にいきたくなりますよね。 昨日(10/1)の晩なんかはこれまでの鬱憤を晴らすかの如く、北新地は人で溢れており、行きかう人達は皆非常に楽しそうでした。 なんかコロナ前の日常のような感じで妙に懐かしく感じながら一人寂しく帰路につきました笑 幾つかの製薬会社でコロナ治療薬の開発が進んでいるようですので、それが実現すれば一気に元に戻る加速度が増しそうですね。 1日でも早くその日が来てほしいものですね。
さて、今回は大阪店のBigCustomerであるTさんからご紹介頂いたTさん(ふざけている訳ではありません)のオーダーをご紹介したいと思います。 詳しい内容をご紹介する前に今回ご注文を頂いたTさんは実は超が付くほどの有名なグラフィックデザイナーで、これまた超が付くほどの有名セレクトショップのBとかRとかNとかのお仕事を手掛けていらっしゃいます。 ご紹介頂いたTさんからは、元々アイビーファッションが大好きで、洋服の知識も豊富な方と伺っていたので、どんな注文が来るのか、ビビりながらお待ちしていたら案の定でした笑 それは以前にセレクトショップNのお仕事をされた際に無理を言ってオーダーされたジャケットとパンツを基にして出来る限り忠実に再現して欲しいとのこと。
"やっぱり、そうか,,,,,,,"
クリエイト系のお仕事をなさっている方はビジネスマンのようなドレスコードが無い上にこだわりが半端ないので、仕事としては楽しいのですが、その分プレッシャーも半端ありません。
ご来店当日、Tさんが"これを基にお願い"とお持ち込みになられた見本服がコチラ
これぞアイビースタイル!と言えるシルエットですね。 タイトなショルダー、Aラインシルエット、テーパードパンツetc、一見簡単そうに見えますが、色々と難題が潜んでいます。 ご注文頂いたTさんにはこの見本服を基に出来る事と出来ない事をご説明致しましたので、順を追ってご紹介したいと思います。
見本服はシングル2Bで釦間を広く取っておりますが、これはTさんより通常の3Bに変更して欲しいとのこと。 Vゾーンの深さからするとむしろ3Bの方がバランスが良くなるので、これは問題無し◎
見本服のサイズを忠実に再現するのは難しくありませんが、Tさんの実寸に合わせてこのシルエットを表現するのは少々難有りとなります。 サイジングには少しアタマをひねる必要がありますが、まあ私のスキルを駆使すれば問題ないでしょう笑、ということで〇
基本的には問題ありませんが、胸ポケットのみ口巾が下辺に対して少し狭くなっている、いわゆるツボ型ポケットとなっています。 これは絵柄で各寸法を指示し、最悪この部分のみ型紙を作成すればOKということなので、これも〇
本切羽は問題無しとして、チノパンのように生地を三つ折りしてミシンでたたく仕様が???でしたが、工場からは"問題無いですよ"との嬉しい返答がありました、ということでこの仕様も〇
これは解説不要ですね、全く問題無しとのことで◎
クラシコ仕様の中に肩線を後ろに振るセットバックショルダーという仕様があり、これは通常の肩線より約2cm程度後ろに振っておりますが、この見本服の様に肩甲骨辺りにまで肩線を振り、そのラインを袖線と繋ぐのは専用の型紙を作成する必要があり、イージーオーダーの範疇を超えているということで、この仕様については×
こちらも問題無しということで◎
2プリーツ、裾ダブル4.5cm巾、ピスポケット片玉仕様etc、パンツの仕様については特徴ある物は無いので◎ 要となるのはシルエットですね。 見本通りとのことですのでさほど難しくは無いですが、Tさんからリクエストが1点 Tさんは少しお腹が出てらっしゃるので、前股上を2cm程浅くしてほしいとのことでした。 どういうことかと言いますと、股上というのはパンツの平置きにした状態で脇の縫い線に沿って股の付け根からベルトの上辺までの直線距離の長さとなります。 お腹が出てらっしゃる方はその中心線より前の部分を削ることによりお腹の収まりが良くなるのです。 簡単に言えば、前から後ろに掛けての傾斜角度がきつくなるということです。 余談ですが、平尻(お尻の形が平べったい)の方は股の付け根から尾てい骨の距離が平たい分、短くなるので後ろ股上を短くすることによりパンツの後ろ側のシルエットがキレイになります。 そういえば、と気になっていた方はご遠慮無く採寸時にご相談くださいね。
それでは今回のTさんのオーダー、生地を含めた詳細をご紹介したいと思います。
生地はフランネル一択で決めていたTさん まずヘヴィーウエイトのFOX BROTHERS(フォックス・ブラザーズ)をご提案したところ、レイヤード(重ね着)と着用期間(出来るだけ長く着たい)の点からライトウエイトの物が良い、ということで葛利毛織のSuper140'フランネルに決定しました。 カラーはグレーで、ミディアムかチャコールかは悩んでいたのですが、こちらも着用期間を考えてミディアムグレーに。
以上の内容で決定致しました。 果たしてどこまで見本服に忠実に再現出来るか、楽しみ&不安でいっぱいですが、Tさんに気に入って頂けるよう知恵を絞って仕様書を作成したいと思います。 仕上りは通常納期より若干掛かりそうですので、次のご紹介まで少々お時間を頂きますが、どうぞ楽しみにお待ちくださいね。