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1年越しのWedding


緊急事態宣言が9月末に全面解除となり、国内旅行の予約が急増しているらしいですね。
これまで当たり前に出来ていたことがずっと制限され続けていたので、ここにきて一気に解放されたのでしょう。
私も今年に入ってからはほぼ旅行に行けていなかったので、来月お休みを頂き、念願だった鳥取の三徳山投入堂に行くことになりました。
以前にここで行くと宣言しましたが、その時は下調べ不足で、結局行かなかったというか、行けなかったんですね。
というのも、この三徳山投入堂、道中が非常に危険ということで、一人での入山は禁止されているのです。
こんなレアのところへ一緒に行ってくれる友達が中々見つからず、今回は大阪店で修理をお願いしている仕立て職人のK君が"行ってもいいですよ~"と快諾してくれたという訳なんです。
大阪から電車で行くのはちょっと大変なんですが、久しぶりの旅行、満喫したいと思います。
良い画像が撮れれば、またここでご紹介しますね。
天気に恵まれることを祈るばかりです笑

さて、今回はお題目にあるように、コロナ禍の影響で1年結婚式が延期になっていたSさんのオーダーをご紹介したいと思います。
Sさん同様、結婚式が延期や中止を余儀なくされた方は大勢いらっしゃるかと思いますが、ようやくここにきて式を挙げられる方が増えてまいりました。
ただ海外への新婚旅行へ行けないので、その分の予算を衣装や御料理に回される方が多いようですね。
今回ご紹介するSさんも1着目の衣装(タキシード)はレンタルで、お色直し後の衣装は新婦さんのドレスと式場の雰囲気に合わせた物が欲しい、とのことで当店に最初はサンプル帳のご請求を頂き、まずは式のスタイルやどのような衣装をお考えか、ヒアリングさせて頂きたいと思い、一度ご来店頂くこととなりました。

ご来店当日は6月下旬、本番の式は11月中旬、時間はたっぷりあるので焦らなくても大丈夫、且つ今は春夏シーズンで式のタイミングに合わせるなら秋冬物の方が良いですよ、とお伝えして、まずはSさんのご要望等々をお聞きすると,,,,,

  1. 式が終わった後も着用したい
  2. 仕事では通勤時以外でスーツは着ない
  3. お色直し後の新婦さんのドレスと雰囲気を合わせたい

おおよそはこのような内容でした。
実際に生地をご提案するのは秋冬物生地が入荷してからという前提で、Sさんのご要望に対し、下記のようなご案内をしました。

1. について

拝見(ラペルに張り付ける光沢のある生地)付きにしてしまうと、それこそパーティにしか着ることが出来ないので、基本スタイルは通常のビジネススーツのデザインをベースにし、生地の色柄や小物(タイやチーフ)で華やかさを出しましょう。

2. について

式でお召しになられたスーツを通勤時に使用するのは勿体ない上に、シワになりにくさや大人しい色柄の実用的な生地になってしまうので、基本光沢感やデザイン性の高いインポート生地をメインに考えましょう。

3. について

新婦さんのお色直し後のドレスが濃い赤(ボルドー)とのことなので、何かしらその赤をポイントに効かせて色の関連性を持たせましょう。(赤の生地ではない笑)

以上のようなご案内をし、秋冬物が入荷すれば改めて打ち合わせをしましょうとのことで、この日は終了致しました。
またSさんには、次回の打ち合わせまでに色々とNETや雑誌等で"こんなスタイルが良い!"というものがあれば集めておいてください、とお願いしました。

それから約2か月半程経った9月某日、Sさんより"秋冬物入りました?"との連絡があり、
"ご用意出来てますよ"とお伝えして、早速その週末にお越し頂くことなりました。

当日、Sさんには幾つかイメージに近い画像をご用意頂きました。
因みに一昔前はオーダーの際にお客様がお持ちになるイメージ画像はMen'sExLEON等の雑誌の切り抜きが多かったのですが、今はほとんどがInstagram
Sさんから頂いた画像も正にInstagramから
時代の流れを感じますね笑

でも確かに雑誌よりかは簡単に、しかも国内外数多くの画像を見ることが出来ますからね、 ファッション誌の売上が減少するのも致し方無い気がしました、寂しいことですが
閑話休題

Sさんから頂いた画像はやはりチェック柄のスリーピースが多く、Sさんからも"こんな感じで生地の提案をお願いします"とのことでしたので、店頭にある生地の中から色々とご提案させて頂くことに
ただやみくもに提案してもSさんが混乱されるので、先に伺ったご要望の中から3の新婦さんのドレスカラー(ボルドー)に関連させる、この点を最重要としてお選び頂いた生地がコチラ

大阪店が誇る"ヴィンテージコレクション"の中からMade in Englandで、ネイビー×赤のウィンドウペーンの生地
もう1トーン、ベースのネイビーが明るいのが良かったとのことでしたが、程よく入った赤のウィンドウペーンが華やかさを感じさせますし、何より"新婦さんのドレスカラーに関連させる"という点は見事クリアしていますね。

また今回、Sさんはベスト付のスリーピースをご所望、これで長さが足らなければ、また1から生地を探さないといけないところでしたが、何と!奇跡的に3mの長さがありました! (Sさんのご体型だと3mあればスリーピースがOK)
最大の難関であった生地が無事に決まれば、後はデザイン、ということで早速持参して頂いた画像を基に打ち合わせを行い、決定した仕様をご紹介したいと思います。

【ジャケットデザイン】
基本デザイン シングル1B マニカカミーチャ仕様
ラペルデザイン ピークドラペル
ベント サイドベンツ
袖仕様 重本切羽 3B
腰ポケット ハッキング±1.0cm
裏仕様 総裏
裏地 秘密!
ボタン イタリア製ボタン "ステルス15"
ネーム "14th Nov 2021"

※日付の英語表記にはアメリカ式イギリス式とがあります。
単に年月日の順序の違いでありますが、アメリカ式が「月日年」の順に対し、イギリス式が「日月年」の順となります。
因みに今回はイギリス製の生地ですから、当然ネームの入れ方もイギリス式だろう、ということになりました。
因みに忘れることの無いよう結婚式の日付をご希望されました。

【パンツデザイン】
前タック ノータック
サイドポケット ストレート
ピスポケット 両玉縁左右ボタン留
裾仕様 ダブル 折り返し巾4.0cm 糸留
その他 ベルトループ無し 左右脇尾錠付
【ベストデザイン】
基本デザイン シングル4B
背裏 JK裏地と同様
尾錠 無し
無し

以上の内容で決定いたしました!
また今回のSさんの衣装、更に華やかさが出るように秘密の仕掛けをしております。
さわりの部分だけでもご紹介したいのはやまやまですが、こちらは完成時のお楽しみということで
久しぶりのおめでたいご注文ということで気合が入りました。
Sさんも、読者の皆さんも次回を首を長くしてお待ちください!


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