2022年6月17日更新
先日、誰もが一度は必ず耳にしたことがある超有名企業に勤める友人がスーツ用のドレスシャツをオーダーしに来てくれた時の事
エラい世の中になったものです。 いくら社外の人と会う機会が減ったとは言え、衿無しのトップスにデニムはちょっと行き過ぎのような気が,,,, 例えば、ITやアパレル業界なら理解出来ますが、東証一部上場で堅いイメージの業界なのに、です。 確かにカジュアルウェアの方が動きやすいし、快適だし、仕事の効率も上がるでしょう。 でもこの会社へ営業に行って、デニムにTシャツで出て来られたらちょっとイヤかもしれません笑 企業のイメージって、そういうところも含めて全般的に判断されると思うので、昨今のカジュアル進行は少し行き過ぎ?かなと感じてしまいました。 私がとやかく言うことではありませんが 人の振り見て我が振り直せ、と言いますから、私自身も気を付けないといけませんね。
さて、今回は先日のサービス企画に晴れてご当選されたTさんのオーダーをご紹介したいと思います。
こちらのTさんは元々ビッグヴィジョン大阪ドーチカ店のお客様であったのですが、直ぐ近くにグループ会社であるヨシムラがあることをお知りになり、それ以降は様々なフェアによって両店舗を使い分けて頂いている、当グループにとっては非常に有難いお客様であります。 ちなみに前回のゼニア企画もご当選されている非常に強運の持ち主でもあります笑
前回のゼニアトラベラーのスーツもなかなかパンチの効いたスーツをオーダーして頂いたのですが、今回のWOOL&LINEは更にパワーアップした内容となりましたので、これはご紹介しなくては、と思い、今日に至った次第です。
それでは今回Tさんよりご注文頂いた内容を詳しくご紹介してまいりたいと思います。
この時のサービス企画はこの"WOOL&LINEN"と"SOLARO"の二本立て どちらとも夏用スーツとしてのお薦めファブリックでありますが、夏であろうとスーツ必須のお仕事であるTさんはより快適に着ることの出来る"WOOL&LINEN"のダークネイビーをお選びなられました。 フォーマル感をお求めなら上品な光沢のある"SOLARO"がお薦めですが、夏場のスーツ用とするならば通気性に富んだリネン素材の方が断然涼しくお召し頂けます。 素材感を合わせてシャツもリネン混にすれば、より快適さはUPするでしょう。
今回のオーダーで最もポイントとなるのが、ラペルデザインのショールカラーでしょう。
画像はスモーキングジャケット(衿にシルクサテンを貼り付けている、要はタキシード仕様)ですが、衿に光沢のあるサテン地を貼り付けるとパーティウェアになってしまうので、今回は共布で、且つ画像のような細目のショールカラーに決定致しました。 このショールカラーは別名へちま衿と言いまして、植物のへちま(若い方には分からない?)のように衿下に行くにつれてふくらみを持たせたデザインが本来の形状ですが、最近では日本刀のようなシャープな細目のタイプのデザインが人気であります。
このショールカラーにマニカカミーチャを組み合わせた上に、着丈90cmのLongジャケット仕様!、更にベストまで組み入れたスリーピースって、どんだけアバンギャルドやねん!!
スイマセン,,,,,ちょっと興奮してしまいました笑
Tさんのsenseもさることながら、カタチに出来る(オーダー出来る)ウチも中々のモンやな、と改めて自分の店を褒めてあげたくなりました。
裏地(lining)は表地が無地なので少し変化を付けようとブラウンのストライプに これは前回のゼニアトラベラーの時に私がカーキのストライプをお薦めさせて頂いたところ、その仕上がり(組み合わせ)を気に入って頂けたので、私のsenseで"マローネ・エ・アズーロ"でブラウンのストライプに決定しました。
ボタンは私がよく自身の着用分用に購入する谷町のボタン屋よりイタリア製のナットボタンをお薦めさせて頂きました。 いわゆるナットボタンは単色系の物が殆どですが、これは微妙にグラデーションしており、今回の"WOOL&LINEN"のようにリネン特有のネップ(スラブとも言う)が入った表情のある生地にはこのイタリア製ナットのようなカジュアルなデザインのボタンが合いますよね。 ちょっとお高いので誰にでもお薦め出来る物ではありませんが、スーツは値段よりも個性!が信条の方、ご希望の際はご遠慮無く南浦までご連絡ください。
今回は背中部分の裏地をブラウンのストライプにしましたので、柄を邪魔しないよう尾錠は無しとしました。 付ける場合は大抵同じ裏地を使用しますが、デザイン的要素を高める時は敢えて表地を使ったり、オッドベスト(単品ベスト)のように背中部分を共布(表地)を使用する時はその逆、裏地を使ったりします。
以上、今回Tさんよりご注文頂いた非常にアバンギャルドなスリーピースをご紹介させて頂きました。
果たしてどのような仕上がり具合になるのか? 楽しみ半分、不安半分、といったところです笑 おそらく完成のご紹介は7月になるかと思いますが、どうぞ皆さんも楽しみにお待ちください。 では、また次回お会いしましょう。