2023年5月12日更新 執筆者:東京店 河本
長い方だと9連休と楽しかったゴールデンウィークも終わってしまいましたね。 皆さんは今年のGW、有意義にお過ごしなられましたか? 今はGWの思い出に浸りながらお忙しい日々をお過ごしになられている方も多いと思いますが、これから気温も高くなってきますので、どうぞご体調にはくれぐれも気を付けて、また次の大型連休を楽しみにしてお仕事頑張りましょう! さて GWが終わるとクールビズも始まり、本格的に夏仕様の装いに変わっていくと思います。 そんなこれからの季節に活躍するアイテムといえば、やはり《スラックス》ですよね。 ビジネスシーンからプライベートシーンまで様々な用途で重宝するスラックスですが、先日プライベート用のカジュアルスラックスで面白いご注文を頂きましたので、今回はそちらを『お客様いらっしゃ~い』にてご紹介します。
今回ご紹介するお客様は、私河本の大阪時代からの友人A君です。 A君は私の専門学校の同級生で、職種は違えど同じ時期に一緒に上京してきた、いわば戦友です。 そんなA君のオーダーは、プライベートでのこんな会話から始まりました。
40‘s後半のトラウザーズをベースにしたヴィンテージ風スラックス⁉ これまた難しいオーダーになる予感が。。。 なんでも、このA君。お仕事は雑誌や広告、MVをメインとするファッションスタイリストです。その為、服にはかなりの拘りを持っていまして。その中でも特に好きなのがヴィンテージの洋服なんです。 ※ヴィンテージと聞くと、やや年季が入っているものと想像される方も多いと思いますが、 A君は綺麗な状態で残っている(デッドストック)昔の洋服が好みです。 ただ、なかなか身体にピッタリ合うスラックスを見つけることが出来なかったみたいで、(特にウエスト)折角ならと私に依頼をしてくれました。 さて、今回のスラックスのベースとなる40‘s後半のトラウザーズ。皆さんはどういうものか知っていますか?もちろん、知らない方がほとんどかと思います。(知っている人はかなりのスーツマニアです) ですが、この40‘s後半のトラウザーズが今回のキモとなりますので、先ずはそちらをご紹介したいと思います。
今回A君が希望しているスラックスのベースとなる40‘s後半のトラウザーズはこのような内容ですが、重要な点は2つ。
この2つのディテールを加えることがポイントとなります。 ん~。デザイン面は大丈夫として、シルエットがなかなか難しい。。。 昨今の一般的なスラックスのシルエットに比べるとかなり太めではありますが、それでもすっきりとした印象も与えるような絶妙なサイジングが必要になります。難易度が高いですね。 そうして色々考えるうちに時間は立ち、1週間後A君が来店しました。
いよいよここからが今回の見どころ。『イメージからリアルへ』A君のイメージと私の提案をすり合わせた共同作業 (オーダーの一番の楽しみです!)で実際に形にしていきます。 形のないものを創造するってワクワクしますよね!A君も初めてのオーダーでしたので、ずっとワクワクしていたみたいです。(私はずっとドキドキでした) それではこれより、A君との会話を交えながら今回決まった生地とデザインについてご紹介していきます。色々A君の拘りが詰まった内容となっておりますので、是非楽しみながらご覧ください。 なお、一番のキモとも言えるシルエットにつきましては、ここで採寸風景等をお見せするとネタバレになってしまいますので、完成品を紹介する際までのお楽しみとします!しばしお待ちください!
この時代、生地を織る機械(織機)は現代のそれと比べるとスピードも遅く、また原毛も今の主流である細番手に紡ぐことも不可能であったため、非常に肉厚で、肌触りも硬い物しか存在しませんでした。 その為、今回40'sのトラウザーズをべースにするということで、この時代の風合いに近い生地を使って仕立ててもらいたくOSHIMURAが誇る"ヴィンテージコレクション"の中から懸命に探したのですが、今回はご用意が出来ませんでした。
以上、このようなかたちで生地、デザインが決定いたしました! 果たして、A君が希望していた40‘s後半のトラウザーズがベースのヴィンテージ風スラックスは上手く再現出来たのでしょうか。 次回は、完成したスラックスを実際に着用したA君と共にご紹介いたしますので、是非皆さん次回の『お客様ありがとう』まで楽しみにお待ちください。