2024年11月1日更新
皆さん、こんにちは。 秋も深まりつつあり、関東でもようやく木々たちが色づきを見せている11月下旬。衣替えも終えて、冬本番の準備というところでしょうか。 暑さはどうあがいても避けられませんが、(裸になっても暑いには暑いですからね。) 冬は重ね着に重ね着をすれば、意外と過ごせますから、私は好きです。 皆さんは春夏と秋冬どちらが好きですか?ぜひ教えてください。 さて、突然ですが、皆さん【マオカラー】ってご存じですか? 【マオカラー】とは、立襟が特徴のスーツの形であり、毛沢東の「毛」の中国語読み、まお(Mao)からとられており、その昔、中国の高い階級であった官吏が着用していたアイテムとして、フォーマル度合いの高いスタイルです。 イメージしやすい形でいうと「学生用蘭服」、いわゆる「学ラン」ですね。あれに近い形です。(学ランは立襟の中でも詰襟という中心がホックで止められるようになっていますが、マオカラーは中心に隙間があり、前を留めることができない仕様です。) 時折ミリタリーアイテムや、ワークジャケットで似た形を見かけることもありますが、【マオカラー】といえばやはり、フォーマルスーツとしての着用が一般的です。 今回はそんなご用途と、考えもしなかったマオカラーの魅力について語っていただいたKさんのマオカラーのご注文をご紹介をさせていただきます!
今回のご注文は、お電話での予約から始まりました。
9月某日
今日の今日でさっそくご来店いただけるとは! 【マオカラー】作ろうと思う方、どんな方かなぁ。 使用日が決まっていなくをて作ろうとなるということは、パーティーの参加が多いのかなぁ。なんて勝手な想像をしながら、ご来店に向けて準備を進めました。
同日15時。
おすすめした生地は以下の3つ
イタリアを代表するミルメーカー、〈CANONICO〉 生地のほどよい肉感とツヤが特徴の生地で、スーツ、ジャケット、パンツ、どんなスタイルにも相性のいい、スーツスタイル以外にジャケパンが主流になるつつある現代にうってつけの生地です。
No.1と同じく〈CANONICO〉より、〈Super110‘s〉のラインナップです。 見てわかるツヤ感と生地のなめらかさがが、ドレッシーな風合いを演出し、ビジネスにおいてはいい1着、パーティーシーンでは控えめだけど、おしゃれという、持っておいて絶対に損のない定番生地です。
日本を代表する生地メーカー〈葛利毛織〉 低速で生地を織り上げるションヘル織機ならではのハリコシとふわっとした生地感は、一度着てしまうと虜になること間違いなし。 派手すぎないその表情はまさに日本人の「侘び寂び」を表現している、そんな堅実さのある生地です。
今回Kさんにお選びいただいたデザインは以下の通りです。
マオカラーであること以外はいたってシンプルなスーツというところですね。 (マオカラーの時点でもう十分すぎるほどデザイン性がありますからね。)
そして決まったシャツのデザインはこんな感じです。
上衣の立襟に合わせて、シャツも「スタンドカラー」の定番スタイル。 フォーマル度合いの高いダブルカフスには敢えてせず、 ご自宅でアイロンがけをすることもあるということで、引っ掛かりの少ないノータックをお選びいただきました。
語っていただいたマオカラーの魅力、皆さんどう感じますか。 素晴らしい着眼点だと思いませんか? いわゆるフォーマル衣装では、ネクタイ、ボウタイ、もしくはアスコットタイ等で首回りを演出するのが定番であり通例。 それがマオカラーになるとそれだけでフォーマル衣装になり、立ち襟によって首回りにカラーがくるものの、首そのものを締め付けることはありませんから確かに楽ですよね。 新しい考え方はお客さんから得ることができるのも楽しみの1つです。 さて、これでデザインは決まりました。
ここからは肝心の〈サイズ面〉 着ていただいたモデルは、マオカラー適応サイズに合わせて、少し大きめを。 通常のスーツであれば、84~88程度がKさんの胸の標準サイズのところ、マオカラーでのサイズは〈92cm〉 胸周りにゆとりをつけたいというご要望がない限り、お持ちすることがそうそうないサイズ感です。
首元までボタンが来るのが【マオカラー】の特徴ですから実際の仕上がりイメージを共有するべく、衿を立てて、首元で留めてサイズを見ていきました。 定番のマオカラーにおいて重要な点は、綺麗なBOXシルエットを作り上げるために、【ウエストで絞りを入れすぎないこと】【首元まで詰まった際の胸のゆとりを考慮すること】が挙げられます。 コートで襟を立てて着用することはあってもジャケットで襟を立てることはそうありませんから、上記の点に注意を測りながら、通常の採寸とは一味違った、新鮮な採寸を進めていきました。。。
以上、【マオカラー】をご注文いただきましたKさんのご紹介でした。 なかなか紹介できない(ご注文数が少ない)【マオカラー】の仕上がり、「お客様ありがとう」にてお披露目いたします。ぜひお楽しみに。