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オーダースーツのヨシムラ
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 フルオーダー 大阪店でも好評でした!
立春もどこへやら?いつまで続くこの寒さ、うららかな春の陽差しが本当に待ち遠しいですね〜。
そんな厳しい寒さの中、1月の中旬に冬物の最後を飾るイベントの一つとして、大阪店でもフルオーダーの受注会(正確には仮縫い日ですが...)が行われ、盛況の内に終了しました。

フルオーダー開始当初より頂戴していた『なんで大阪でもやらないの?』とのお客さまの疑問と熱いご要望にお応えして、ようやく実現の運びとなった次第です。(この辺りの経緯は前回の新着情報をご覧下さい)

そこで、今回はその模様をかいつまんでご報告がてら、代表的なお客さまの仕上がりをご紹介してみたいと思います。
大阪店をご利用いただいているお客様で、『いつかはフルオーダーを!』と興味をお持ちの方は、是非ご覧下さい。

□■□ 仮縫い当日の状況 □■□

>>> 受注会当日の1月14日の空模様は、前日までとうって変わってあいにくのどしゃ降りの雨...しかもこの時期には珍しく横風混じりの最悪のコンディションとなりました。
文字通りそんな足元の悪い中、仮縫いのためにご来店頂いたのは予めの採寸も済ませて頂いた6名のお客さまでした。
今回の6名のお客様は全てリピーターの方で、いずれもイージーオーダーでもほぼご満足をいただいている方々です。
この点について言えば、イージーオーダーからフルオーダーへと仕立ての段階を踏んでいただいていますので、承る方としては少々気がラクでもあります。(←ホンネです。)


□■□ 仮縫いの作業工程 □■□
>>> 仮縫いの作業を順序立ててご案内しますと、このような感じです。
1.お客さまへ吉井工場長のご紹介
2.お客さまとディティールの確認
3.仮縫い
4.お客さまと最終の打ち合わせ
...という流れになり、これで所用時間が約1時間となります。
これを1日で6名様も受け持つ吉井工場長は、文字通り体力と気力の真剣勝負です。
(余談ですが)ヒザを付ける姿勢が続きますので1日の仮縫いが終わればパンツの膝頭は真っ白に汚れます。

...と、仮縫いのあらましはこのような感じで進められていきました。
それでは、6名のお客様の中から一足早く仕上がってきたAさんのスーツの仕上がりと、そのポイントをご紹介したいと思います。

■ 兵庫県にお住まいのAさん ■
デザイン
シングル3ツボタン、ベスト付きのオーソドックスなスタイル
体型の特徴
典型的な撫で肩、猫背で年齢もあり(?)お腹がややせり出し気味です。
...とこのように、Aさんの場合は体型に少々特徴があるお客様でしたので、仮縫い補正は以下の点にポイントを置きました。
 補正ポイント−1:なで肩補正

>>> なで肩の方は上着と同じくベストの場合も肩にフィット感を付けるのが難しく、やや肩先が浮き気味になります。
それに対して、仮縫い補正を加えた肩先の仕上がりはこのようになりました。
見事に肩に吸い付くようなラインに仕上がっています。
 補正ポイント−2:お腹周りの補正

>>> お腹がせり出し気味の方は上着もそうですが、特にベストの先っぽがお腹に乗っかり、ハネてしまいます。
それに対して、ベストの先端部分を内側に丸め込み、お腹の丸みに添わせるように包み込むことによりその欠点を覆い隠します。
この辺りは腰ポケット部分のダーツの取り方と生地を伸ばしながらのアイロンワークのバランスが腕の見せ所です。
「生かすも殺すもアイロン次第」とは甚だ物騒な言葉ですが、この業界では中間プレスや最終工程のアイロンワークがいかに大事かを物語る言葉として知られています。
画像は、左上は別のお客様ですが典型的な上着が前方へハネるご体型の方の参考画像。
右側は、今回のAさんの仕上がりです。
 補正ポイント−3:背中の補正

>>> 猫背の方は背中に八の字のタスキじわが出やすく、シワを無くせば上腕の運動量に問題が出てくるやっかいなポイントです。
 の画像は典型的な猫背の特徴です。

Aさんご自身も「後ろ姿は自分ではわかりませんが、他人に指摘されて以来いつもこれが気になって...」と言われてましたし、ここは吉井工場長の腕の見せ所ですね。
もちろん、イージーオーダーでもかなりの補正は可能ですが、今回のようにここまでフィットさせるのはやはり間に仮縫いを入れるからこそ出来ること。
それが出来ないイージーオーダーではかなりリスクがありますね。
仕上がりは見た目のフィット感も綺麗ですが、Aさんもスリムかつ楽に動くと大変ご満足頂きました。

★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★
「身内で誉め合ってどうすんねん!」と突っ込まれるのは覚悟の上ですが、このAさんのフィッティング特筆ものでした。
以外にも、肩のラインやパンツのフィット感などAさんのご感想を待つまでもなく私も「えぇなぁ〜」を連発してしまいました。
ただAさんからは「これをイージーオーダーの技術にも生かせないですか?」と痛いところを突かれてしまいました。
まさに、おっしゃる通りでAさんに言われる迄もなくこれを財産にしない手はありません。
これからイージーオーダーにこの技術をどうフィードバックするか、これが重要ですね。

こうして、全てのお客さまの仮縫いが終了したのは夜もとっぷりと暮れた8時過ぎでしたが、その後も吉井工場長を交えて全員で反省会を兼ねた勉強会を行いました。
少しでもこの機会をお客さまだけでは無く我々も実りあるモノにしたいと、遅くまで白熱した技術論争が繰り広げられたことを、ここにご報告させて頂きます。

★☆★吉井工場長からひとこと・・・★☆★

関西のお客さまは厳しいと聞いていましたので、いつになく緊張して臨みましたが、皆さんフランクな方ばかりでしたのでホッとしています。
オーダーと言うとお客さまも身構えられる事も多いのですが、その反面お客さまと意気投合する場面も多く、私も楽しくかつ濃密な時間を過ごさせて頂き、大阪へ呼んでいただいて大変感謝しております。

また、お客さま各位に申し上げますが、仕上がりましたスーツのお姿は残念ながら拝見できませんが、気が付かれた点はなんなりとお申し出下さい。
精魂込めて作っておりますのでお気に召していただけましたら、作り手としてこんな喜びに勝る事はありません。
どうぞ末永いご愛用を頂ければと存じます。


★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★

今回のフルオーダー受注会の告知後多数のお客さまより様々なお問い合せを頂きました。
これは素直に嬉しいと喜びたいところですが、残念なことにご期待にお応え出来ない場合も少なからずありました。

具体的なお客さまの声としては...

1. 仮縫い日の来店が都合が悪く出来ない
 >>> シーズン1回の日程に合わすのはキツイ

2. 時期が遅い
 >>> 仕上がりが2月になってしまうのは着る時期との兼ね合いもある

3. 料金が高い
 >>> お値打ち価格はわかっているがもう少し手が出しやすい料金であれば...
  ・・・etc

この中で、3の料金ついては申し訳ありませんが、通常価格でも多分普通のお店の半額ぐらいですし、閑散期工賃ゆえに改善の余地はご勘弁頂くとして、その他の1や2に付きましてはご指摘を受ける迄もなく懸案として受け止めています。

具体的には東京店と同じく、大阪店に於いてもいつでも年中フルオーダーを承れる体制づくりを...との方向性で検討しています。
西日本のお客さまには少々お待たせしますが、近い内に必ずいつでも職人技を堪能出来るよう致しますのでその際はぜひご利用頂ければと思います。
乞うご期待下さい。

それにしても吉井工場長、遠路しかも強行軍で来阪頂きありがとうございました!