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お客様!ありがとう!

 お客さまありがとう!:起承転結の 
 3月の「お客さまいらっしゃ〜い」コーナー「お客さまありがとう」コーナーに引き続き今回は特別に『お客さまありがとう』の続編をご紹介します。

前編の最後からご紹介しますと・・・
神奈川県のOさんから超こだわりオーダーをご注文頂き(お客さまいらっしゃ〜い掲載中)何とか無事にご満足いただき商品をお納めしました。(お客さまありがとう掲載中

出来上がりのスーツをお届けしたときのご感想はこんな感じでした。
(一部省略していますが、全文掲載は上記お客さまありがとうで掲載中です。)

02.04.03
件名:御連絡が遅くなりました。
おはようございます。神奈川のOです。
(中略)
以前にも申し上げましたが今回の貴社スーツには小生の全ての希望内容が入っており、パーフェクトに貴社に対応頂いております。

貴社での御苦労や御都合も解りますが(本当は解ってないのか?)初めて希望通りのスーツが出来たと一人満足しているのです。

それと、やはり去年貴社HPを拝見させて頂き説明が大変親切で素人にも解り易かった事。貴社HPにも吉村さんの「思い」が良く表現されており、任せられると素直に感じました。

依頼者と吉村さんと製作者が同じフレーズで無ければ良い物は出来ないと思っております。
(以下省略)

よっしゃ!ご満足いただいたゾ!(*^_^*)と思っていたところまたメールが...(不安(-_-;)

02.04.05
件名:申し上げにくい御願いなのですが。
御世話になっております。神奈川、Oです。
いきなり本題に入らせていただきます。

申し上げにくいのですが、先日受領しておりますスーツ、これの第一釦付近の「返り」をもっと上にしたいのですが。
 理由は返り具合は良いですが、ちょっと位置が...
 サイドポケット高目強いハッキングでチェンジポケット付きはブリティッシュですが、現状の襟返りはクラシコイタリアなので。釦位置低めに見えるのが気になります。
色々考え抜いた結果ですが。
 単にプレス修正ではありません。
 改修費用は御支払いします。期間は御任せします。

☆★☆ SHOPMASTERより一言・・・
 正直あれあれ?という感じです。
直近のメールでご満足いただいたのに『なぜ?
直しの箇所も正直非常に微妙なところです。
簡単に考えればご依頼の趣旨は襟のプレスラインの事ですからボタンの位置を変える(=作り替え)とは違いますので、プレスのやり直しをすれば戻るには戻るのですが...
Oさんのこだわりでは書いていらっしゃるようにNGでしょう。
実費をご負担いただけるとのことですが、芯地等々のバランスもありますので、これを行っては袖を除いての作り直しと同じだけのご請求をしなければならないし...

SHOPMASTERも悩みましたが、Oさんには正直に作り直しと同じだけの費用が掛かることをお伝えしましたところ、そこまでのお金は出せないということになりました。
ただ私どももそうそう作り直しをするわけには行きませんので私どもの『無償お直し』ではご対応しかねる旨お伝えしたところ今度はこの様なメールを頂きました。
(この間「直して!」「ダメ!」のやり取りが数通あります。)

02.04.08
件名:それではどうするのですか?
オーダースーツのヨシムラさま
御世話になっております。早急な御解答、真に有難うございます。

前々より御願いしていたラペルの返り部分の修正が「無理」との御解答、良く解りました。

別件になりますが、実はこれを申し上げるのは気が引けていたので今まで申し上げませんでしたが、現在、お預りしております上着の肩線縫い合わせ部分より第一釦ホールまでの寸法は、小生と吉村 さんと取り決めし御了解頂いた寸法で完成されておりません。

取り決めした寸法は肩線縫い合わせから第一釦ホールまでが31.0センチで、この寸法は貴社にて採寸頂いた小生着用上着の1センチ下がった位置でした。
現状は、
小生着用の貴社にて採寸頂いた上着の寸法
肩線縫い合わせから第一釦ホール右端
29.5センチ
肩線縫い合わせから第一釦ホール左端(穴が大きい側)
30.0センチ

御伺い時に左端での寸法確認済みで吉村さんからも、当初は5ミリ下げた30.5センチで仕上げ予定と御解答頂いております。
(>>>その後メールにて31.0のご指示を頂いています。By Shopmaster)

貴社完成の上着
肩線縫い合わせから第一釦ホール右端
31.0センチ
肩線縫い合わせから第一釦ホール左端(穴が大きい側)
31.6センチ

上記の通り1センチでは無く1.6センチ下がった位置での完成です。
当初5ミリ下げの30.5センチで仕上げる予定との御連絡を頂き、小生よりベストをもっと見せたいとの希望も有り、小生より採寸頂いた上着より1センチ下げて31・0センチで御願いし御了解頂きました。

完成品は1.6センチ下がっております。
この場合、肩線縫い合わせ部より第一ボタンホール位置は、吉村社長様からお叱りを頂きながらも、あれ程メールでやりとりを行い5ミリの寸法を色々悩んだ結果決めた寸法ですので、「たかが5ミリや6ミリの誤差位で」とはいきません。
納得がいかれない様でしたら、貴社完成上着を早急にお送りしますので確認下さい。

今まで、貴社御対応に本当に感謝しており、これを申し上げてはと思っていたので遠慮させて頂いておりました。ですから先週の月曜日にラペル返り具合の件で急ぎ一報をいれたのですが。
 上記の原因も有り釦位置も低く見えてしまうので、何とか改修出来ないものかと思っていたのですが。無理との事ですので連絡します。

 上記内容の解決策、御対応を早急に御解答ください。(後略)

☆★☆ SHOPMASTERより一言・・・O氏 豹変す!
 本音を皆さんにお伝えして良いのか正直よく分かりません。
でもこのメールを読んだ感想を素直にごくごく素直に表現しますと次の通りです。
いい加減にしてください!
(・・・一度パーフェクトだ!自分のこだわりが全て入っている!といって喜んでいたじゃないですか!)
おいおい都合の良いことだけ言わないでくださいヨ!
・・・我々オーダーの世界は5ミリの誤差は許容範囲です。このことはお話し(メール)したではないですか〜。
そして「必須」項目が多いと怖くて仕立てられないとも言いましたよね。
・・・写真の通り正確には31.4〜5ミリで上がってますが、これは十分な許容範囲内です。
工作機器じゃあるまいし、人が縫っているんですよ
最初に気に入らなかったのは『襟の返りのプレスライン』であって、『ボタンホールの位置』ではないではないですか!
これは『襟の返りが気に入らない』のを『ボタンホールの位置』のミス(決してミスではありません!)をネタに作り直しを要求しているとしか思えませんよ!!
(実際に検品時には5ミリのズレしかなかったのをこの目で確認しています!)
そこで、高まる感情を抑えつつ次のような返信をしました。
でも○.○センチといった「ボタンホールまでの距離」はそれこそ喧嘩になってしまいますので敢えてコメントでおくことにしました。
02.04.08
件名:申し訳ありませんがこれ以上はお受けできません
Oさん
Oさんのおっしゃることはよく分かります。
しかしながら、ご希望のデザインについてご来店時にスーツをお預かりすることもままならず、平面の寸法のみで仕立てる我々の側のことももう少しご理解下さい。
Oさんのご希望通りにするのであれば、ご希望のデザインのスーツを一度ばらした上で、型紙をコピーしてやらねばなりません。
しかしそれはフルオーダーの世界ですし、普通のフルオーダー屋はそんなことはプライドが許さないはずです。

言い訳を言いたくはありませんが、ベストが作り替えになったのは、実のところ私どもの責任ではなく完璧な工場のミスでした。
なぜ工場がミスしたかと言えば、指定項目が多すぎで見落としてしまったからです。
しかしこの件について当方は縫製工場を一切責めませんでした。
これは常識的に見ても、今回の指定項目が多すぎたからで常識的な見地からも縫製工場を責める気にはなれなかったからです。

Oさんが、満を持してVゾーンの返りのことを指摘されましたが本来お客さまからVゾーンの距離をセンチ単位でご指定いただくことの方が非常にレアケースで、これをスーツのほとんど全ての部分においてご指定されるのではあまりに我々の裁量の部分が少なすぎるとお思いになられませんか?
責任の放棄をするわけではありませんが、ここまで誠意を持ってしたことでその上に作り直しを要求されるのはあんまりです。

まして一度お納めしたスーツをお喜びいただいたにもかかわらず、後からお気に召さないと言われても私どもとしてはどうしようもありません。
・・・その後「一度はご満足頂いたではないですか」と過去にやり取りしたメールを添付し事実関係を整理するとその後でこんな返事が・・・

02.04.09
件名:Re: 喧嘩をしても解決策にはなりませんよ。
オーダースーツのヨシムラさま
おはようございます。連絡が遅れました。喧嘩をするつもりはございません。
今までの経緯もよく理解しております。
> ●最初ご依頼を頂いたとき
> 貴社のベストを尽くして頂いた御対応で納得致します。
>上記にも記した通りに、まったく同じでなくてもOKです。極力近ずけて頂ければ
>100%納得致します。(貴社スーツのクオリティの高さは小生、知っております)


これは、オーダーする前ですね。もちろん同じでなくて結構です。
実際貴社完成品は採寸頂いた物とウエスト絞り具合や裾フレアー部が同じでは有りませんがこれについて、不満を申し上げた事は御座いません。
(>>>当たり前です。お持ちになられたのはオーダー服でなかったので体に合っていないのですから。By Shopmaster)

> ●また出来上がったものは確かにVゾーンの深さ等にズレがあったとしても
> お納めした後にお書き込みいただいたように
>上着の段返りの件は大変勉強になりました。先のメールでもお伝えしておりますが、現状で不満等が有るわけでは有りませんので、御了解ください。

もちろん「返り具合、ロール具合」に不満は有りません。
位置です。返り位置を再三申し上げております。ですから4/1より4/5の間に何度も位置の件で申し上げてきたのです。
(>>>え〜!。はじめはプレスラインの返り位置を言っていてボタンホールの位置ではなかったですよ! By Shopmaster)

4/1第一回>現状よりあと2〜3センチ上の部分で返す事は出来ますか?
  第二回>「3つ釦段返り」に他人から見間違えられる事は無いのでしょうか?
  第三回>美しいラペルの返りです。
4/5>通常の3つ釦2つ掛けの位置に返りを変更。_と御相談し続けました。

> ●更に(020403-1)では
>以前にも申し上げましたが今回の貴社スーツには小生の全て
>の希望内容が入っており、パーフェクトに貴社に対応頂いております。
>とのお言葉もあり、当社のスーツはパーフェクトではないのですか?


小生希望内容はもちろん貴社に対応頂いていると思ってます。
しかし妥協できる部分と出来ない部分があります。
この点のみで吉村さんと小生のフレーズ、認識、価値観が大きくズレております。

 裏生地への生地メーカータグの取り付け位置。パンツのD管留め。
 チェンジポケットとサイドポケット間隔。etcありますが、重箱の隅を突っつく様な事はしたくないし、この点は小生が妥協しております。

 ここからが問題です。しかし、しかしです。釦位置は妥協出来ません。
 いわばスーツの顔です。目立つのですよ。大きくデザインが変更されてしまうのですよ。解って頂けますか?

 だから当初襟部改修費用も全額でないですが、小生も多少負担し貴社に協力したいと思っていたのです。4/8には助けて下さいとも申し上げたのです。
 それが無理との事ですので、いずれにせよ、平行線です。恐らく同じ繰り返しです。

 小生結論(総合結論)
 オーダー時の御約束通りに貴社品物が完成されておりませんので、このまま妥協して受領する事は出来ません。しかし小生も妥協出来る項目については、すでに妥協しております。
時間も経過してしまいます。(神奈川O)


☆★☆ SHOPMASTERより一言・・・O氏 豹変す!
 ちなみにこの時点で当社はOさんから一銭も頂戴していません。
通常、当社のルールではご注文時に内金を頂戴するのですが、ご来店時には持ち合わせがないということで内金を頂戴できませんでした。

その上でこのお返事です。
誠心誠意対応して、かなりのコストと労力を掛けて、出来上がった物も一度は満足したはずなのに...
正直なところ「怒り」を越えて「あきれて」しまいました。
そして最後に次のようなメールをお送りして、今回のOさんのやり取りはインターネットでオーダースーツ販売を初めてから初めての『代金未回収案件』となりました。

02.04.09
件名:自分勝手すぎます。
Oさん
... そうですか、
パーフェクト」とは対応のことで、現在進行形だったと言われたいのですか?
それではいつになったら当社は商品をお客さまに納得していただいてお代を頂戴できるのですか?

Oさん、良くお考え下さい。
通常オーダー店ではご注文の際に内金として半額前後ご入金いただいております。
これは受注する側としても、コストが発生することですし、最終的に気に入らないからといって返品をされたときの保険となる物です。
これは通常の商取引の中でも(例えば建築工事などでもそうですが)ごくごく当たり前の行為です。

今回はOさんはそれをしていただかなかった。
私がこれをもっと強く要求すべきだったのかも知れません。
この点では一方的に責めるつもりはありません。
これは、受注前のご相談の中で、

>貴社のベストを尽くして頂いた御対応で納得致します。
といってくれたからで、Oさんを信頼したからのことです。

自分としてはベストを尽くしました。
Vゾーンの深さについても私は出荷の前に検品をその部分は重点的に行いましたので誤差も許容範囲だと確信しています。
(第1ボタンからの位置でもボタンホール近辺のどの場所をとるかで誤差は生じますしこの点でOさんを責めるつもりはありませんが、Oさんの測り方と私どもプロの測り方はどこか違っていると思います。
しかし現時点ではこの点については議論するつもりはありません。
それは手元に現品がないだけにどうしてもフェアーな議論が出来ないからです。)

Vゾーンのことはそれはそれとして・・・

私が申し上げたいのは
●Oさんの言われるとおりベストを尽くし、
●ご納得(パーフェクトうんぬん発言)頂いたにもかかわらず、
●舌の根も乾かぬうちに、またクレームを付ける。
●まして、当社には一銭のお代も頂戴してない。
それではあまりにフェアーではないのではないですか?

そしてこの事情を自らの立場だけを主張する(↓)Oさんに歩み寄る余地はないと思いますが。

> 小生が依頼し、吉村社長様に御了解をもらい、完成品がちがう物で、どうして「入金」できるのですか?

私どもがどれだけのコストそして何より労力を掛けたとお考えなのですか?
Oさんの要求がAll or Nothingならば、このお値段で販売することなど常識的に出来ないこととはお思いになられませんか?

私どもの立場は、これ以上Oさんに対応してもお代が回収されないリスクが高くなりすぎていますので仮に技術的に直しの対応のできる物でも対応することはできません。

一度はパーフェクトだとおっしゃったことの責任はとるべきと思います。

もし、本メールを不愉快に思われるようでしたら、どうぞスーツの方はご返品下さい。

私も会社の代表をしておりますので、感情的なところでむりやりお代を回収するよりもご返品いただいたスーツを店舗に飾り、自分自身が今後辛いときがあったときの励みにする方が有り難いです。

以上のところで、私自身もこれ以上の時間と労力は掛けたくありませんのでこれぐらいにして頂きたいと思います。
取りたてた返信は不要ですが、スーツだけはお互いに後味を悪くしないためにもご返送下さい。
よろしくお願いいたします。
色々と至らぬ点がありましたこと、お詫び申し上げます。

☆★☆ SHOPMASTERより一言・・・
 総受送信メール数76通。 その最後に、かつてない語調で怒りをあらわにしてしまいました。
今回ばかりは私もこの内容をアップすることに抵抗感がありました。
でもサイトを運営するに当たり『都合の良いこと』だけを書くのはそれこそフェアーではありませんので敢えてディスクローズすることにいたしました。
(このような内容だけに今回ばかりはOさんからの掲載承諾は取れておりませんが、当社もかなりの痛手があったことですからお許しください。)

読者の皆さんも色んなご意見があると思います。
そもそもこういった内容をWebで公開すべきか否か?私の対応へのご批判...etc
よろしければ皆さんのご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

☆★☆ 大阪SHOPMASTERより一言・・・
 いやぁ〜。今回は東京SHOPMASTERも苦しみましたね〜。
大阪でもかつてこんな事があったんでっせ。その時は元を正せば私のミスなんですけど。

 あるお客さまのご注文でタックの向きをインタックとアウトタックを間違えたんですワ。
これは専門的にはプレスだけで直る比較的簡単な直しなのですけど。

『間違いが気にいらん!作り直せ!』といわれまして
『プレスだけの問題なんですが...』とどんなに説明しても
一度ケチのついた物は着れん!』の一点張りで

....とうとう作り直しをしました。くやしかったで〜
わいなんて東京SHOPMASTER以上にミスが多いだけにトラブルには慣れてますけど、接客業の辛いところですな〜。今回はお疲れさんでした。